珍しいクルド料理を堪能
春分の日の3月20日、埼玉県川口市の京浜東北線・川口駅前で行われた一般社団法人日本クルド文化協会さんの主催による、クルドの新年のお祭り「ネヴロス」が開催されました。
今年は蕨市から川口市に場所を移したの開催。あでやかな衣装を着たクルドの女性と、男性たちによる伝統的な踊り、そして珍しいクルド料理、飲料の販売などを楽しみに行ってきました。
ネヴロス(国によってノウルーズ、ナウルーズなどといいます)は、古代ペルシャのゾロアスター教(拝火教)の儀式に起源を持つといわれる、春分の日(The First Day of Spring)に祝う新年のお祭り。現在でもイランを中心に、かつてペルシャ帝国の領土だった中央アジアから北アフリカにいたるまでの広範囲で同様のお祭りが行わわれます。
3月21日は、国連によって「国際ノウルーズ・デー」が制定されているほどです。
↑こちらは男性グループの踊り。インド映画のように?男女がしっかり分かれています。うららかな天候の中、ちょうど桜が咲き始めていて春を感じました。
↑会場ではクルド料理の販売も。スタート後すぐに売れきれてしまった料理もあったようです。こちらは「コトマジェ・ペイネル」という、小麦粉の薄焼きパンにチーズや野菜をはさんだスナック。
↑こちらは「ハルカ・タツル」という、小麦粉の生地を油で揚げた甘いお菓子。スペインのチュロスにそっくりです。どこかでつながっているのかもしれませんね。
↑別の場所でクルド人シェフに作っていただいたキャベツのドルマ(ヤブラ)は、こんな感じでした。
↑会場にはドネルケバブのキッチンカーも出店していました。
↑車にはトルコと、国連未承認国の北キプロスの国旗が描かれていました。北キプロスにもクルド人のコミュニティがあるようです。
↑こちらはクルドのバラのジュース。色はきつめですが、バラの香りがして甘くておいしかったです。
クルド人といっても出身地はいろいろ
クルドの人々は、クルディスタンという自分たちの国家成立と世界的な承認を夢見ながら、現在は西アジアからヨーロッパにかけてのいくつかの国をまたいで暮らしている状況です。
ネヴロスのお祭りには過去に何度かうかがったことがあるのですが、以前はトルコ東部出身とおぼしき方が多かったのが、現在は明らかに顔立ちの違うシリアやイラク、イランなど、出身地が以前よりいっそうさまざまになってきているようでした。
料理の郷土色もそうですけれど、ナショナルフラッグも微妙に違うようで、それぞれの出身地の旗を背にかけている人々の姿が印象的でした。彼らにはクルド語という共通言語がありますが、地方によって言葉がちょっと違うこともあるようです。
日本では、ネヴロスのお祭りが行わている埼玉県の川口市や蕨市にクルド人コミュニティがあり、しばしば「ワラビスタン」と呼ばれることも…。今日もNHKなど日本の報道陣の姿をちらほら見かけました。
ともあれ、こうしたあまりなじみのなかった人々の貴重な料理や文化に日本にいながら触れられるのは、大変興味深かったです。