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農林水産省 GI産品試食会に出席

日本初の本格的な地理的表示保護制度

8月22日、武蔵小山の「蕎麦割烹倉田」さんで開催された、ぐるなびさんと農林水産省さんの主催によるGI産品試食会にお招きいただきました。

GI(地理的表示保護制度)とは、ひとことでいえば、ヨーロッパの原産地保護名称(AOP)やフランスの原産地統制名称(AOC)のような、地域の産品を登録して保護する制度。効果としては、取引の拡大や市場での評価の向上などがあげられる一方で、一般消費者のさらなる認知度を高めていくことが求められています。

たとえば、地理的表示保護の先進的な存在であるヨーロッパにおけるシャンパーニュ地方のシャンパーニュ、ポルトガルのポルトのポート(Port)ワイン、ギリシャのカラマタ産オリーブといった食品が事例として挙げられる食品。

日本では夕張メロンや神戸ビーフなどがすでにGIに登録済みですが、こうしたネームバリューの高い産品だけでなく、これまで知名度の低かった優良産品も登録され始めています。2018年8月現在、GI登録は36県65産品、1ヵ国※の1産品の計66産品が登録。農水省としては、今後もっと増やしていきたい意向とのことです。

地域で育まれた伝統食品…ヨーロッパの成功事例

「日本にはその地域の気候や風土を活かしたり、伝統的な方法等により長年にわたって地域で生産された産品が数多く存在している」。農水省のGI産品活用推進に関するガイドの中にはこのように書かれていますが、まさにその通り。

気候風土を活かした伝統食品という点で日本とヨーロッパは非常によく似ており、ヨーロッパの成功事例は大いに参考になるのではないでしょうか。

たとえば、ポルトガルのポルトに本場のポートワインを味わいにやってくる人々はけっこう多く、酒蔵が連なる美しい川岸が観光地として近年、人気を集めています。つまり、GIによって単に産品のブランド化を図るだけでなく、たとえ生産数の少ない産品でも、その土地の名と産品が結びついて呼称されることで地域のPRにもなり、観光など地域活性化に役立つというわけです。

消費者というのは概して、品質のよしあしに加えて、その産品に秘められたストーリーに心惹かれて商品を買い求めるものなのですから。

GI産品を使った魅惑の試食会

さて、試食会の方は、倉田政起料理長による日本全国のさまざまなGI産品を使った心づくしの料理が登場。「こんな野菜や果物、知らなかった!」というような未知の驚きにあふれた産品も多々あり、GI産品のポテンシャルを感じ、勉強もさせていただきました。

そんな倉田料理長による魅惑の料理の数々はこんな感じでした(太字がGI産品)。実際に食べてみることは理解を深めるのには有用です。

お品書き
先付け 十勝川西長いも羹、叩きおくら、雲丹、吸酢(琉球もろみ酢)、生姜
一品目 吉川ナス含ませとろめんがけ、岩手野田村荒海ホタテ昆布〆、花穂紫蘇べっこう飴、くろさき茶豆、山葵
お凌ぎ みやぎサーモン酢〆と漬け炙り寿司 ガリ
お椀 小川原湖産大和しじみ潮汁、しじみ霞寄せ、新取菜二身、焼椎茸、木の芽
お造り みやぎサーモン焼霜造り、田子の浦生しらす、大分かぼす酢、茗荷、十勝川西長いも
焼き物 鴨ロース、吉川ナス、無花果、新銀杏、栗麩、八丁味噌
箸休め 市田柿、くるみ和え射込み、春菊大根、梨
食事 連島ごぼう、きんぴら、手打ちそば、つみのり、けずり、青葱
デザート 入善ジャンボ西瓜シャーベット、琉球もろみ酢ゼリー、冬瓜、バジルシード


↑十勝川西長いも羹


↑みやぎサーモン酢〆と漬け炙り寿司


↑小川原湖産大和しじみ潮汁


↑みやぎサーモン焼霜造り、田子の浦生しらす、大分かぼす


↑岩手野田村荒海ホタテ昆布〆、花穂紫蘇べっこう飴、くろさき茶豆


↑市田柿、くるみ和え射込み


↑吉川ナス、無花果、新銀杏、栗麩、八丁味噌餡


↑連島ごぼう、きんぴら、手打ちそば


↑入善ジャンボ西瓜シャーベット、琉球もろみ酢ゼリー


↑圧巻の肉厚がひときわ目を引いた、岩手野田村荒海ホタテ。


↑長野県ご出身の倉田料理長。日本料理アカデミー主宰「第四回 日本料理コンペティション第三位」、ミシュランガイド 2015掲載、RED2014 シルバーエッグ受賞など実力派の若手料理人でもおられます。

今後は海外展開も視野に

ところで、GI産品は食品だけでなく、いぐさ畳や生糸のような食品以外の産品、またイタリア・パルマのプロシュット(生ハム)など日本以外の産品も登録可能というのが意外でした。

GI産品の登録免許税は1件あたり9万円。登録のためには、一定期間(概ね25年)生産が継続されているかなどの条件の審査があります。また、現在のところ地理的表示法は日本国内でしか効力を有さないため、登録されたことで直ちに海外でも当該地理的表示が保護されるものではないなど、課題も有しています。

しかし、日本政府による本格的な公的な地理的表示保護制度は今までなかったものなので、今後は日本以外の国との相互保護など、海外での日本の真正な特産品であることが明示される働きが期待できます。多くの日本の産品がGI登録を受け、世界で価値を高めていけることを願っています。