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わんこそば|岩手県・盛岡・花巻

わんこそば

南部藩のそばの食べ方をルーツにした岩手名物

わんこそばは、岩手の花巻、または盛岡が発祥といわれる、小さく盛ったおそばを少しずつて給仕してもらいながらいただく、岩手ならではのそば料理。盛岡では、近年の盛岡冷麺、盛岡じゃじゃ麺とともに盛岡三大麺として麺の消費が多く、観光の目玉にもなっています。

というわけで、観光客気分で盛岡へ。訪ねたのは、明治40年創業のわんこそばと南部そば会席の老舗「東屋 本店」さんです。

盛岡市内を流れる中津川にかかる橋を越えた、繁華街の一角。静かな路地にたたずむ東屋さんの本店は、1階は南部そば会席、2階がわんこそばの専用フロアで、実質2階は観光客ばかりという感じでした。席に着くと給仕さんにルールを説明され、早速おわんが運ばれて来るのですが、すでに大食い競争に突入した気分…。

「ハイ、どっこい」「じゃんじゃん」という掛け声とともに、矢継ぎ早にそばのおかわりをついでくる給仕さんと、隣席で100杯目を平らげていた男子大学生に煽られて(笑)、そばをゆっくり味わうどころではありませんでした。しまった!杯数を競うつもりはなかったのに…。

そんな感じで、ストップのきっかけを出しかねているうちに、どんどんおわんが積まれていき、あっという間に60杯。女性の平均は20杯だそうですけど、本当かなぁ。いや、たぶん私が単に大食らいなだけです。スミマセン…。

ただ、言い訳させてもらうと、東屋さんでの一杯のそばの量はほんのちょっと。おそば好きな大人の男性なら、100杯くらいは楽勝でクリアできるのではないでしょうか。

おそば自体はとてもおいしいので、ゆっくり味わって食べられないのはちょっと辛かった。煽って早食いさせられるわんこそばは、これ1度きりでいいや、というのが個人的な感想でした。しかし、じっくり料理を楽しむのは置いておき、グループで訪れればわいわい盛り上がって、旅のいい記念になりそうです。

ちなみに、東屋さんには、皇室のやんごとなき方々や、女優の吉永小百合さんも(JR東日本のポスター撮影で)らも訪れて、わんこそばを召し上がれたことがあるそうな。

しかしそもそも、わんこそばが、大食い・早食い競争のようなパフォーマンス仕立てになったのは、そんなに古い話ではないようです。1916年に始まったアメリカのニューヨーク州コニーアイランドの「国際ホットドッグ早食い選手権」をほうふつとさせますが、それにヒントにしたのかどうかはともかく(笑)、1950年代から花巻市で行われている「わんこそば全日本大会」がその先駆け。

しかし伝統的には、あくまでも作りたてのそばをおいしく、お腹いっぱい食べてもらいたいという、おもてなし心を表したものでした。

わんこそばは、花巻と盛岡が起源説を張り合っていて、盛岡では「平民宰相として知られる、盛岡出身で南部藩の家老を祖父に持つ原敬が、帰省の際におわんに入ったそばをおかわりしながら”そばはわんこ(椀子)に限る”といったのが始まりだ」という人がいる一方で、花巻では「いやいや、歴史はもっと古くて、およそ400年前に南部藩の27代藩主である利直公が、江戸参勤の途中、花巻でそばを何杯もおかわりしたのが始まりだ」といいます。

いずれにしても、わんこそばが、南部藩のそばの食べ方の風習をルーツにし、それを発展させたものに変わりはないようです。

そばが名物の土地は、昔は貧しい地域だったことが多いといいますが、岩手県もしかり。県の中央から以北は、冷涼な気候に加えて山間部では豪雪に見舞われ、沿岸部ではやませが吹きすさぶという、稲作に適した土地ではなく、かつてはたびたび飢饉にも見舞われてたほどです。そばは、冷涼な土地で育つ穀物の中でも味がいいので、広く栽培されました。

岩手は、そば切りのほか、そばねり(お米を節約するためにおかゆにそば粉を混ぜて煮たもの)やそばけもち(そばがき)、そばはっとうなど、そば料理の種類が豊富なところでもあります。次回は南部そば会席で、落ち着いて岩手のそばを味わってみたいと思います。