発祥は鹿児島県西部の串木野
明石焼きを明石ではたまご焼きというように、いわゆる「さつまあげ(薩摩揚げ)」のことを、本場・鹿児島の薩摩地方では「つけあげ」といいます。鹿児島県西部、薩摩半島北西部にある串木野(いちき串木野市)が発祥の地と名乗っており、弘化3年(1864年)頃、中国福建省文化の流れを汲む琉球文化との交流から、魚肉のすり身にでん粉と混ぜて油で揚げた「チキアーゲ」という食べ物が伝わり、これが訛って「つけあげ」になったといわれています。
とすると、福建料理のスープなどに入っている魚丸(魚のすり身団子)あたりが元祖なのでしょうか。かなり違うものですが…。と、それはさておき、串木野には大小のつけあげやかまぼこ工場があり、もちろんそれは鹿児島市内でも買うことができたり、レストランでも食べることができます。
つけあげに使う魚肉のすり身は、いわしやかつお、さば、ほっけ、さめなどさまざま。2種類以上の魚を混ぜて作ることが多いそうです。この魚のすり身を塩・砂糖などで味付けし、丸型、角型などいろいろな形に整えて油で揚げればできあがりです。色がついていたり、いかやごぼうなどの具が入っていたりと、バリエーションも様々ですね。
つけあげは全国の居酒屋メニューの定番でもありますが、シンプルな焼きたては、やはりおいしい。雰囲気のせいか、本場で食べると、噛みごたえがあっていっそうおいしく感じました。