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おやき|長野県

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レベルが高く、地元で深く愛される郷土食

小麦粉やそば粉を水で練った皮に具を包んで焼いた「おやき」と称する食べ物は全国に存在するけれど、現在ではご存知のように、長野県の郷土食として広く知られています。そばと同様に、稲作に不向きな、かつて貧しかった土地を代表する食べ物という認識があったからかもしれません。

そして、おやきにも、そばと同じく、その発祥には、縄文時代にも遡る古い古い歴史があります。

かつては、米の単作地帯を除く長野県のほぼ全域で、1日3食のうち1食を、おやきを含めて、小麦粉やそば粉を使った食べ物にする習慣があったそうです。特に北信州の西山地方はおやきが盛んに食べられていた地域で、中でも小川村では、村内の縄文時代の遺跡から雑穀の粉を練って焼いた跡が発見されたことから、これをおやきのルーツとして、「縄文おやき」(上写真。具は下写真)なるおやきショップを長野県内に展開し、村おこしの一環をはかっているほどです。

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こういったルーツ説には「先に言ったもの勝ち」の傾向があるものですが、小川村では、縄文時代の縦穴式住居風な施設を建設して、村のおばあちゃんたちによる囲炉裏端でのおやき作り体験を企画し、おやき村として海外にもアピールするなど、気合の入れ方が違う。長野市内からバスを乗り継ぐ不便な場所にあるにもかかわらず、なかなかの人気観光スポットのようで、村おこしや、高齢者の方々を活用した成功モデルとしても興味深いケースです。

と、そんな発祥説はさておいても、長野のおやきは昔から地域に根づき、多くの専門店が味を競っているせいかレベルが高いのは事実。そして、そばと並んで、地元の人からの愛され度が深いのも事実です。

松本地方では、新村の「さかた菓子舗」や、松本城近くの「鷹匠庵」、塩尻に本店のある「短歌おやき」あたりが評判が高いようで、現地の店に買いに行っていくつか食べ比べをしてみました。おやきの代表的な具といえば、野沢菜やねぎみそ、あんこ、なす&みそ、かぼちゃ、切り干し大根などと、だいたい決まっていますが、専門店では皮にもこだわっているのが印象的でした。

たとえば、地粉を使うのはほぼ当たり前で、「鷹匠庵」さんでは天然酵母の石焼きのおやきを販売。香ばしくてとても美味でした。もちろん、おやきはもともとは各家庭で作っていたもので、作り方自体はさほど難しくないし、最近はネット通販で全国どこからでも取り寄せができるようにもなりましたが、現地に行って、作りたての温かいおやきをその場で食べるのはまた格別です。

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↑そば粉のおやき

そして、もともとは寒村の食べ物で、具はほとんど野菜や豆類なのに、あれだけ滋味と風味に変化をつけているのはすごいなぁと改めて思ってしまいます。シンプルな食べ物ゆえ、カンボジアの「ノムクーチャイ」(ニラ入り)や、エルサルバドルの「ププーサ」(チーズや肉入り)のように、海外にも穀物の粉を練って具を包んで焼いたおやきにそっくりなおいしい食べ物が各地にありますが、バリエーションとヘルシーさで長野のおやきを凌駕するものは、たぶん他にありません。