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出雲そば|島根県・出雲地方

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神話の国・出雲で愛される名物食

中国人が”八大”を選ぶのを好むように、何でも”三大”を選びたがる日本人ですが、だれが決めたか「日本三大そば」と称されるのは、長野の戸隠そばと、岩手のわんこそば、そして島根の出雲そばだといわれています。

そばの特産地といわれる地域は、稲作に適さない寒冷でやせた土地だといわれます。、出雲もしかり。しかし、悪い条件の土地に生育したそばほどおいしいといわれ、実を皮ごと石臼で挽いた黒っぽい色の出雲そばは、香り高く、伊勢神宮周辺の名物である伊勢うどんのように、出雲大社の門前町でも参拝者に長く愛されてきました。

出雲そばならではの特徴は、「割子(わりご)そば」と呼ばれる、3段、5段といったように段重ねの円形の漆器(割子)に入ったスタイルのそば。1段ずつ海苔やねぎ、もみじおろし、めのは(板わかめ)といった薬味を乗せて、つゆをのの字に回してかけていただきます。出雲では、食べ終えた割子を積み重ねて、人の座高の高さ(20個分)になれば一人前だといわれる風習が残っているとか。

割子そばは珍しいは食べ方なので観光客に人気がありますが、地元民の間では、そば湯をそのまま使った汁そばに、割子そばと同じく薬味を乗せ、つゆをかけて食べる「釜揚げそば」もポピュラー。かつて松江に暮らし、その土地を愛した小泉八雲ことラフカディオ・ハーンですら辟易したほど冬の寒さが厳しい出雲では、ホカホカと体が温まる釜揚げそばがいっそうおいしく感じるのかもしれません。

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さて、私事ですが海外の料理のことを仕事にしながら、日本人の原点を忘れずにいるために毎年、神々の国である出雲と、古都・京都へは10数年年に1度は訪れてきたのですが、今年は60年に1度の出雲大社の式年遷宮という記念すべき年。すっかりきれいになったお社の屋根を、感慨深く見届けてきました。

出雲では毎年、旧暦の10月に、全国の八百万(やおよろず)の神々が出雲大社に集まって来年のことを話し合うといわれる神在祭(出雲では10月のことを神無月といわず、神在月といいます)が、稲佐の浜での神迎祭とともに執り行われます。出雲大社の近くにあり、古事記の中の「因幡の白兎」の話にも登場する稲佐の浜は、祭神である大国主命(大黒様)にもゆかりのあるところ。神話に登場するような浜が身近に実在するのを知るのも、出雲で出会うちょっとした驚きです。

また、以前、神迎祭の神事も浜で見学したときに、太鼓の音と松明の光とともに、海の方から雲がどんどん出雲大社の方向に風に乗って流れていく様子がとても神秘的で、本当に神々が集まってきているような、不思議な錯覚に陥ったのを覚えています。こんな古来の神事が今も受け継がれているなんて、すばらしきかな、日本(笑)。出雲大社に集結した神々は、来年の氏子たちの男女の縁や仕事の縁を、神在祭の間に相談して決めるのだそうです。

長いものには縁を結ぶ力があるといわれるそうで、そんな意味でもそばは、まさに縁結びの神様のお膝元にぴったりの名物といえそうですね。

さて、何度も通ううちに出雲そばもいろいろなお店で食べてきましたが、個人的なごひいきは、創業天明年間の老舗「荒木屋」さんです。コシがあって香り高い手打ちそばのおいしさもさることながら、うるめいわしの出汁から作るつゆが甘めで好みなのと、食器がきれいで、また老舗ながらも新しいことにチャレンジしているご様子が気に入っております。

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他の参拝客も好みは同じようで、こちらと、近所にある皇室御用達のそば店「かねや」さんは、休日の昼時はいつも人が並んでいる大社町の人気店です。

また、出雲そばは大社町だけでなく、出雲地方全域に名店が点在しています。今回、地元の方の案内によりもう一軒、訪ねたのは、松江にある老舗の「松本そば店」。こちらは、かの松出雲松江藩の第7代藩主で茶人でもあり、高度な文化を持つ松江の礎を築いたといわれる松平治郷(不昧公)おかかえのそば屋だったそうで、古くから地元の人に親しまれているお店です。

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割子そばもありますが、こちらは釜揚げそばが絶品です。せっかくですから2種類のそばを食べ比べてみるのも楽しいですよ。