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いわし料理|千葉県・九十九里町

いわしのごま漬け

いわしのごま漬け

冬が旬の「背黒いわし」を求めて、片貝漁港へ

陸に上げるとすぐに弱ってしまうことから、”よわし”が転じ、漢字でも「鰯」と書くようになったといわれる魚「いわし」。平安時代から食べられており、節分の風習からくる「いわしの頭も信心から」などということわざがあるほど、日本人にとってなじみの深い魚のひとつであり、日本最大のいわし水揚げを誇る千葉県の九十九里浜が産地として有名です。

九十九里浜のいわし漁の拠点ともいえるのが、九十九里浜の中心地・九十九里町にある片貝(かたかい)漁港。九十九里浜で獲れるいわしの代表格は、地元で愛着をこめて単に「セグロ」と呼ばれる、カタクチイワシの別名である脂身の少ない背黒いわしです。というわけで、冬が旬のセグロを求めて、九十九里浜の中心地である、九十九里町に行ってきました。

冬の片貝海岸

冬の片貝海岸

九十九里町は、町役場通りにいわしのモニュメントが飾られ、海沿いの道には、新鮮ないわし料理を食べさせてくれる食堂がたくさん立ち並ぶ、まさに”いわしの町”。10年前の爆発事故により残念ながら閉鎖中ですが、その名も「いわし博物館」まであるくらいです。

また九十九里町は、その精密さで、時の幕府はもちろん、のちに世界を驚かせた大日本沿海輿地全図を作成した伊能忠敬の生まれ故郷でもあります。広大な太平洋を見渡せる片貝海岸は、忠敬の測量にかける想像力をさぞや刺激したのだろうな、などと想像しつつ、漁港まで浜辺を歩いてみました。

千葉から直通バスで1時間、東京駅や最寄りの東金駅からもバスが出ている片貝海岸は、夏は海水浴客、冬は安定した波に魅せられたサーファーが集うところでもあります。雪のちらつく1月の非常に寒いこの日も、サーフィンボードを担いだ大勢の人たちが海に出ていました。

しかし、そんなレジャーでにぎわう海岸を歩き切ると、ガラリと雰囲気が変わって、昔の漁村の面影を残す片貝漁港にたどり着きます。

漁港の入り口にある直販所には、いきなり「セグロ入荷!」の看板。聞くと、もうすぐ、漁船からおろしたての背黒いわしがトラックで運ばれてくるところだそうで、たくさんの地元のお客さんたちが今か今かと待っていました。おお、なんというタイミング!しかも、銀色にキラキラ光る新鮮な背黒いわしが何と1kg200円という、破格の安さ…。そのワクワクするような雰囲気に、「このいわしをどうやって東京まで持って帰るか」という問題も吹っ飛んで、思わず衝動買いしてしまいました(笑)。

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そして、買ったいわしを担いで、いわしのごま漬けを買ったり、周辺のいわし料理が食べられる食堂を2軒、はしごしてみたのでした(いわしの運搬は、その後、見かねた方が保冷袋を分けてくださり、問題解決(笑)。

まずは、漁港の近くにある酒井水産さんでお買いもの。新鮮な背黒いわしの頭やワタを取ってきれいに洗い、炒った黒ごま、千切りしょうが、ゆずの皮、とうがらしを重ねて重石で漬け込んだ九十九里の味「ごま漬け」(トップ写真)を購入しました。

青光りして、身のプルンとしたいわしの見た目の美しさもさることながら、手間をかけた自家製の、さっぱりした味付けが絶品!また、おまけにいただいた、骨ごと食べられるマイワシの生姜煮もとてもおいしくて、あとで家で食べて感激してしまいました。まさに、いわしのことを知り尽くした作り手によるお総菜、という感じです。

次は、「漁師直営まかない料理」というインパクトのある看板を掲げた食堂「浜さ来」さんへ。魚拓や大漁を呼ぶ神様である恵比寿様の彫像が飾られていたりで、まさに海の男の家、という感じです。

おかみさんが作る背黒いわしの定食は、てんこ盛りのいわしの天ぷらに、ごま漬け、酢漬けの3点セット。大盛りごはんとボリューミーなおかずが素朴な感じで、何とも漁師の家庭風。寒いでしょうと、温かいスープのまかない飯までおまけしていただき、ほっこり温まることができました。他に刺身なども付いて1600円也。

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もう一軒は、海岸からは離れていますが、洗練された雰囲気で九十九里の海の味覚を食べさせてくれるお店「大輪」さん。いわしのだんご汁が付いた、いわし漬け丼セットが1380円。こちらでもデザートをおまけしていただきました。特に、いわしのすり身を味噌で味付けて、大根などと一緒に煮ただんご汁には、ホカホカと温まる冬にはありがたい一品でした。

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お店では他にも、いわしヘルシーセットや、いわし押寿司セット、いわしピザなど、いわし料理のメニューが豊富で、値段もお手ごろなので、初訪問で1軒選ぶとしたら、こちらのお店の方がおすすめかもしれません。

2011年の東日本大震災の後には、風評被害で苦境に立たされたこともある九十九里浜。「最近はいわしも昔ほど獲れなくなってね」と、漁業関係者がさみしそうに語っていたのも印象に残っています。しかしその一方で、「寒いところ、遠くからわざわざよくいらっしゃった」と、見知らぬ私に心ばかりの手みやげをくださった九十九里町の人々の優しさ、温かさのことも忘れられません。

2月1日から3月31日にはちょうど、獲れたての新鮮いわしが無料配布されたり、揚げたてのいわしの天ぷらが食べられる「九十九里イワシまつり」が開催されます。サーファーの方々も戻ってきたことですし、いわしを起爆剤にして、町に再び活気が戻ることを心よりお祈りしたいと思います。

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