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石狩鍋|北海道・石狩

石狩鍋

本場のさけ料理を堪能できる、年に1度の「石狩さけまつり」

「ご当地グルメの神髄は、そのご当地に出かけ行って味わうこと」だとつくづく思います。本場の味を覚えておくと、自分で作るときに舌に自信が持てるし、その土地の人に直接、接したり、空気を感じることで、その食べ物をやっと吸収できた気持ちになれるからです。本物を体験したという、一種の達成感も湧いてきます。

しかし、そうはいっても時間や労力が必要ですし、自宅から遠かったり、交通の便が悪かったりすると、とたんにめげそうになるのも事実…。そんな意味で「石狩に石狩鍋を食べに行く」というのは、全国的に有名な料理でありながらも、なかなかハードルが高いパターンのひとつでした。

札幌市に隣接している石狩市は、北海道の中では比較的、交通の便はいいはずなのですが、それでもとにかく広大で、意外と移動時間がかかりますし、路線バスの本数も多いわけではありません。「漁師料理らしい石狩鍋を体験したいなら、年に1度、9月末に野外で行われるさけづくしのお祭り”石狩さけまつり”の開催時を狙って行くのが一番ですよ」と、地元の観光案内所の方は助言をくださいました。

事前に聞いていた情報では、2013年はこの石狩さけまつりの第50回目の記念年。道内をキャンペーンの車が走り回り、気合いも例年以上に入っているとのことで、やる気が出てきました(笑)。よーし、行ってやろうじゃないの、石狩、とばかり、お祭りの開催日である9月28日、29日を狙ってまずは札幌へ飛び、会場のある石狩本町まで1時間ほどのバスの旅を経て訪ねてきました。

でっかいどう、ほっかいどうの言葉通り、北海道は何でもスケールが違います。石狩川と石狩湾にはさまれた石狩本町の会場では、開催日の2日間のうち、初日にはどーんと1000人鍋で作る豪快な石狩鍋が登場。そして次の日には、プールを泳ぎ回る無数のさけを捕まえるつかみ取りや、石狩鍋とちゃんちゃん焼きの人数限定の格安セール。東京あたりなら1人あたりのチケット数に制限をつけそうなものだけれど、石狩では1人何枚でも購入可能という大らかさです(その分、どれくらいチケットが残っているのかと、列の後方の人はやきもきさせられるのですが…)。

他にも遊覧ヘリコプターが飛んだり、さけのほかにも新鮮なホタテの網焼きなど、さまざまな魚介料理のブースが登場。ふだんは閑静な会場の石狩本町ですが、この日は嘘のように大勢の人出で、青空の下、さけシーズンが到来した短い秋を楽しむ地元の方の様子に、旅行者の私もワクワクする気分でした。

さて、肝心の石狩鍋は、石狩では生のさけを使うのが当たり前。パックに入った冷凍ものの切り身がさけだと思い込んでいる東京の人間にとっては、まったくもってうらやましい限りです。

また石狩では、鍋の味付けにバターや酒粕は入れず、昆布だしと白みそだけ。北海道は野菜がおいしいので、野菜のだしも加わって格別な味になります。最後に山椒の粉をたっぷりふりかけるのが石狩流。トッピングにイクラをちらすこともあります。

石狩鍋は、ちゃんちゃん焼きと同じく、もともとは石狩の漁師が考案した料理がもとになっているそうですが、フランスのブイヤベースやポルトガルのカタプラーナといった海外の漁師の鍋料理と共通するような、豪快かつ滋味あふれる、いかにも海の男の料理なのです。

さて、石狩本町界隈には、さけまつりの期間以外にも石狩鍋が食べられるお店があります。石狩の町がさけでもっとも栄えた明治13年、石狩鍋の原型となる鍋料理を考案したといわれ、現在はさけづくしのコース料理が食べられる割烹「金大亭」と、カジュアルな店では同じく「北の味 いしかり亭」が観光案内所の方のおすすめ。

また近所には「石狩温泉 番屋の湯」という日帰り温泉や、石狩川、また6月下旬から7月上旬にかけてはハマナスが咲き乱れる「はまなすの丘公園」、夏には石狩浜海水浴場があり、少し離れたいしかり湾漁協では、4月上旬から7月中旬にかけて毎日朝市が開催され、9月上旬から10月下旬にかけては朝獲りさけの直売所が営業しています。

季節は限られますが、石狩には、石狩鍋を食べるほかにも見どころはけっこうありますので、わざわざ行ってみる価値はあると思います。