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ほうとう|山梨県

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信玄伝説の地・甲斐国の名物料理

甲斐国=山梨県を象徴する人物のひとりといえば、何といっても、戦国時代の武将・武田信玄。県庁所在地である甲府駅南口には信玄公の銅像が建ち、信玄公の命日である4月12日には毎年、桃の花咲く甲府盆地に”風林火山”の旗がはためく中、信玄公祭りが大々的に開催されるほどです。

今日、山梨を代表する郷土料理として知られるほうとうは、信玄伝説と結び付けられて、ほうとう=宝刀であり、信玄が考案し、信玄自ら刀で具材を刻んだ「陣中食」だったと信じている地元の人も多いようです。

しかし、実際はそれよりも古く、中国の唐宋時代の餺飥(はくたく) 、不托(ほうち、ぷーとー)、不餅(ぷーとう)を語源とし、平安時代に遣唐使により伝えられたという説も。群馬のしょうゆ味のおきりこみ(煮ぼうとう)や、東北のはっと汁など、他県にも同類の麺料理があります。

甲斐国では、米作りに適さないため養蚕で生計を立てていた山間部で、蚕のえさの桑の裏作で栽培していた麦から作った麺と、かぼちゃをはじめ季節の野菜をみそで煮込んで食べたのをはじまりとして、江戸時代に広く普及したといわれています。

というわけで、本場のほうとうを求めて、山梨県・甲府盆地の東端にある勝沼へ行ってきました。江戸時代からぶどうを栽培していたという勝沼(現在は甲府市に合併)は、現在ではぶどうとワインの一大生産地として観光地化されて有名ですが、一方で、信玄の金の埋蔵金伝説か?と騒がれた室町時代の金や金貨が発見されるなど、信玄のゆかりの地のひとつでもあります。

訪れたのは、ほうとうとうどんの専門店「皆吉」さん。築130年の古民家を改造し、自家製みそ、自家製だしを使ったこだわりで、休日の昼時は1時間待ちも当たり前の人気店です。この日もワイナリーの見学を終えて店の前に来ると、大勢のお客さんが辛抱強く待っていました。

定番の野菜ほうとうが1260円。300円プラスで大盛りにしてもらえますが、実質1.5倍くらいとかなりのボリュームになります。

ほうとうは、昔は小麦粉が貴重だったため野菜でかさを増した(なので、うどんの方が高級だった)のだそうですが、こちらは、かぼちゃをはじめとする野菜も麺もたっぷりで、しかも利尻昆布やさば、いわし、あごだしなどを使った出汁が、何ともぜいたく。モチモチしていて、コシというよりも噛みごたえのある麺とともにおいしくいただきました。

ただ、地元のタクシーの運転手さんは「自分らはほうとうは家で作って食べるもの、という感覚でなんですよ。あまりにも身近すぎてね」と、お店に行列を作って待っている人たちが不思議そうでした。ほうとうはもともと冬の食べ物だったそうですが、今では外からの観光客向けに1年中提供しているお店がほとんどです。

さて、山梨には、麺に赤ワインを練り込んだ”ワインほうとう”なる微妙な食べ物が実在するそうですが(笑)、それはさておき勝沼では「皆吉」さんをはじめ、ワインをメニューに載せているほうとうのお店が珍しくありませんでした。

ほうとうによく合うのは、甲州ぶどうで作ったさっぱりした白ワイン。本来なら、土地の料理は日本酒の地酒と一緒にいただきたいものですが、勝沼ではワインを合せるのが自然。そんな気がしました。

信玄ゆかりの地をめぐる歴史散策ができる上、ほうとうとワインが楽しめる勝沼周辺は、食べること、飲むことが好きな人間には、まぁ何とも魅力的な場所なのでした。