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具雑煮|長崎県・島原地方

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天草四郎と島原の乱ゆかりの食べ物

雲仙天草国立公園を美しい自然を背景に、キリシタン弾圧と過酷な年貢への一揆「島原の乱」(1637年)の舞台になった地としても知られる城下町、島原。「具雑煮」は、この島原の乱のときに一揆軍の総大将でカリスマ的な存在だった、若干16歳の天草四郎とキリシタンの信徒を含む3万7千人の一揆軍が、3ヵ月間におよぶ幕府軍との戦いに貯えた兵糧がもとになったと伝えられている、島原地方でお正月を飾る郷土料理です。

島原城のまさに目の前にある文化10年(1813年)創業の「姫松屋」さんは、元祖として、島原を訪れた観光客にも1年を通して、昔から変わらない味で具雑煮を提供している老舗。島原城の中にあるキリシタン史料館を訪ねて天草四郎に思いをはせながら、本場の具雑煮をいただいてきました。

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グツグツ煮込んだ土鍋で1人前ずつ運ばれてくる具雑煮。透き通った汁の中に、丸いお餅や野菜のほか、薄焼きたまごやらあなごの蒲焼きやら、また高野豆腐、かまぼこなど雑多な食材が入っていて、ちょっと戸惑いましたが、これぞ「自らの信仰をかけた聖戦の一面もある島原の乱で、3ヶ月も籠城した天草四郎らを支えた食べ物なんだ」などと思うと、感慨もひとしおでした。

また、薄味のかつお節だしが、何とも香り高くて上品。いろいろな食材もそれぞれがおいしく、一気に食べ終えてしまいました。

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さて、戦争から生まれた料理が今も受け継がれている例は、海外にもあります。たとえば、1574年、スペインの侵略と戦うオランダ独立戦争時の舞台になったオランダ西部の都市ライデンで、人々を飢えから救った「ヒュッツポット」。ゆでたじゃがいもとたまねぎとにんじんをつぶし、煮込んだ牛肉に添えた質素な料理ですが、ご存知の通りオランダはスペインに勝利したので、ライデンではオランダの独立記念日に、この料理を今もお祝いに食べるのだそうです。

島原には現在キリシタン(カトリック教徒)は意外にも少ないのだそうですが、あえなく敗北して滅ぼされてしまった側の食べ物が哀惜とともに伝承されているというのは、侘び寂び文化の日本ならではなのかもしれませんね。