ぶり大根|富山県・氷見

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絶景の立山連峰をのぞむ「寒ぶり」の町へ

大型の肉食魚で、いなだ、はまちなど成長とともに名称が変わる出世魚でもあるぶりは、たっぷりと脂が乗った冬が旬。同じく冬の味覚である大根と一緒に煮込んだ「ぶり大根」は、数ある日本の家庭料理の中でも、シンプルかつベストな食材の組み合わせのひとつだと思います。

というわけで、最高の寒ぶりを使ったぶり大根を求めて、富山県の氷見へ行ってきました。氷見は、3000メートル級の北アルプス・立山連峰から流れ込む、有機質たっぷりの豊富な水が育むプランクトンや、大陸棚が発達した海底の地形などから「天然のいけす」とも呼ばれる富山湾の代表的な漁港の町。氷見の寒ぶりは、そのおいしさから全国に名を馳せています。

ひみ番屋街からのぞむ富山湾と立山連峰。

ひみ番屋街からのぞむ富山湾と立山連峰。

全国ブランドというだけに、氷見の冬は寒ぶり一色に染まる、といっても過言ではなさそうです。JR氷見駅には「昨日のぶりの漁獲数」が張り出され、朝の漁港は、漁師さんたちが大勢集って、どんどんと漁船が出航していく景気のよさが垣間見られました。日本の各地で寂れてしまった漁港も多い中、こんなに活気のある漁港を見たのは初めてです。

JR氷見駅に張り出されていた、寒ぶりの漁獲高情報。

JR氷見駅に張り出されていた、寒ぶりの漁獲高情報。

活気のある朝の氷見漁港。

活気のある朝の氷見漁港。

一方、2012年、漁港近くにオープンした氷見の観光の拠点「ひみ番屋街」を中心に、寒ぶりのシーズンである1月から2月にかけて「ひみぶりフェア」が開催されます。ひみ番屋街や他の氷見市内の飲食店では、ぶり大根のほか、ぶりしゃぶ、刺身といったぶり料理ざんまいのメニューが楽しめるほか、朝獲れの新鮮な寒ぶりの販売や、ぶり解体ショーなどのイベントが行われていました。

ひみ番屋街では朝どれの新鮮なぶりも販売されている。

ひみ番屋街では朝どれの新鮮なぶりも販売されている。

訪れた日はちょうどフェアの初日で、地元のテレビ局などが入り、大漁鍋が振る舞われるなど、地元の方々のぶりに寄せる熱い思いをうかがい知ることができました。

会場では、ぶり大根の2つの味の食べ比べも。氷見ではしょうゆ味のほか、みそ味仕立てのぶり大根を食べることもあるそうです。北陸のしょう油は甘いのですが、みそ(白みそ)も甘い、しかもかなり甘いのでびっくり。ちなみに、私は食べ慣れたしょうゆ味の方が好きでした。

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そしてその甘いしょうゆで、大根にしっかり味がしみて、ぶりの骨までおいしく食べられるほど時間をかけて煮込んだぶり大根(上写真)を堪能しました。世界的にも珍しい風景といわれる、雪をかぶった美しい立山連峰の絶景「銀屏風」を富山湾越しにながめながら、熱々をハフハフいただく瞬間がたまりませんでした(笑)。おまけに、ぶりのお寿司のサービスまで…。氷見、最高!

ぶりのお寿司

ぶりのお寿司

氷見は東京ではあまりメジャーではありませんが、観光地としてのポテンシャルはかなり高いのではないかと思います。冬の寒ぶりのほかにも、春のいわし、夏のまぐろなど1年を通してとびきりおいしい新鮮な魚が食べられるし、立山連峰の美しい風景がながめられるし、温泉もあるし…。また、スピリチャルなスポットとしては、ちょっと地味ですが、高岡にある、奈良、鎌倉に次ぐ日本三大大仏のひとつともいわれる「高岡大仏」を訪ねることもできます。

おまけに氷見は、あの藤子不二雄A先生の生まれ故郷でもあります。高岡から発着するJR氷見線には、のペイントがしてある車両があったり、また氷見市の比美町商店街には、藤子先生のオブジェ作品が飾られています。そして市のゆるキャラ「ひみぼうずくん」も、藤子A先生の手になるもの!

JR氷見線には忍者ハットリくん仕様の列車も。

JR氷見線には忍者ハットリくん仕様の列車も。

藤子不二雄A先生の手になる、氷見市のゆるキャラ「ひみぼうずくん」。

藤子不二雄A先生の手になる、氷見市のゆるキャラ「ひみぼうずくん」。

名だたる漁港に行くローカル線の終着点だったり、有名な漫画家の生誕地であることなどは、水木しげる先生の「ゲゲゲの鬼太郎」を町おこしに打ち出した鳥取の境港を思い出してしまいます。2015年春には富山に待望の北陸新幹線が開通しますが、氷見はきっと富山観光の目玉としても、これから注目される町になるはずです。

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