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ぼてぼて茶|島根県・出雲地方

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松江・出雲地方に伝わる、ごはんやおかずの入ったお茶

茶人としても秀でていた風流なお殿様、不昧公こと松平治郷の築いた文化的な伝統を今も受け継ぐ松江は、抹茶の消費量が全国平均の5倍という、市民に茶道をたしなむ習慣の根づいた町。茶の湯とともに和菓子も発達し、その美しさや、種類の多彩さは京都や金沢をほうふつとさせるほどです。

松江や出雲地方のすごいところは、武家や上流階級の家庭だけではなく、職人や漁師といった庶民の間に簡素ながらも茶の道の作法が浸透していたことでしょうか。奥出雲のたたら製鉄の職人たちが労働の合間に飲んでいたとも、不昧公の時代に飢饉のときに非常食だったとも、また禅僧が中国から持ち帰ったともいわれる「ぼてぼて茶」は、茶せんで泡立てた番茶の中にごはんや豆などのおかずを入れていただくという衝撃的な(笑)郷土食。

飲みものなんだか、おやつなんだかわからず、初めて口にすると面食らうのは確実です。

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松江のお茶屋さんには、ぼてぼて茶用の茶葉や専用の茶せん、茶碗まで売られていて、まぁ、その浸透ぶりがうかがえるのですが、お茶にほんの少量でもごはんを入れるというのは、慣れていないと抵抗があるものですね。水分補給と栄養補給が同時にできるのは、合理的といえば合理的なのですが…。

ただ、ぼてぼて茶に入れるおかずには、旧家それぞれにレシピがあったりと、なかなか奥深いもののよう。ぼてぼて茶はかつての空腹の一時しのぎだったものが変化して、集会などの間食として定着したのだといいますが、堅苦しいと思われがちな茶の湯を皆で気軽に楽しむこんな松江・出雲地方の習わしを、何だかうらやましく思います。