インドが凝縮したエスニック・タウン
インドに行ってみたいけれど、遠いし、勇気ないわと思われる方は、まずシンガポールを旅してみることをおすすめします。
プロローグでも少し書きましたが、シンガポールには「リトル・インディア」という、インドの、主に南インドのタミル系の人々が暮らす、活気あるエスニック・タウンがあります。
街はコンパクトながらも、ヒンドゥー寺院や、南インドの食材を扱うスーパーマーケット、映画館、サリーを売る洋品店、ヨガ道場やアーユルヴェーダのクリニックまでそろっています。公共施設の案内も、くるくるっとして美しいタミル文字が併記されているんです。
上の写真は、リトル・インディアの入り口に掲げられた、インド4大祭りのひとつ「ディワーリ」の看板。私が訪れたときにちょうどシーズン中だったのですが、この極彩色からして、いかにもなインドらしさが想像できるでしょう?
食材を購入するなら、「ムスタファ・センター」という巨大なスーパーマーケットへどうぞ。スパイスをはじめ、お米、野菜、調味料、お菓子などなど、南インドそのままの珍しい食材が所狭しと詰まれていて、圧倒されます。
これが噂のムスタファ・センター |
インド産バスマティー米も各種 |
食品は衛生的に管理され、価格は、さすがに本国ほどではないにしろ、日本で購入するよりずっと手ごろです。
また、現地出身の人々が暮らす街だけに、レストランもベジタリアン、ノンベジタリアンに分かれているのはもちろん、マドラス、ケララなどの南インド各地をはじめ、インド全域のローカル料理がズラリ。1日で広いインドを旅できたような、得した気分にもなれます。
◆リトル・インディアのおびただしいレストランの数々。レシピもついてますよ!
→"リトル・インディア"のインド料理レストラン・リスト
もちろん、バナナの葉の上にカレーなどのおかずを乗せて食べる、南インド特有の定食"ミールス"(左写真)を提供するレストランもたくさんありました。
***
また、アーユルヴェーダのオイルマッサージは、本国インドほど安くはありませんが、日本円で7000円程度で受けることができます。エステではなく治療院なので、 設備はややひなびているものの、本格派です。
近代的なシンガポールの中にあるだけに、南インドに行く前の肩ならしにはぴったり。そう、シンガポールのリトル・インディアは、いうならば"日本から一番近いインド"なのです。
■おまけ■
私はシンガポールにはこれまで数度、行っているのですが、多民族国家だけに、エスニックな食べ物がとってもおもしろい国だなあと、いつも思っています。反対に、食べることにあまり興味がないと、「名所といえば、マーライオンとセントーサ島くらいでつまらない」という評価になるのかな。
資源の少ない国だから、観光客誘致に力を入れていて、"シンガポール・フード・フェスティバル"なんて催しを毎年、開催したりしていますね。
左の写真は、ブギス・ストリートに近いクラシックな安ホテル「7th Storey Hotel」(すでに取り壊されてしまいました)の1階にある、炭火スチームボートの"海南チキン"が名物のレストラン。地元の人に人気のお店で、安くておいしくて感動しました。