南インド旅行記(2004年)4 カニャクマリ

南インド旅行記

インド最南端・コモリン岬の日の出

日の出
カニャクマリは、インド最南端にあるコモリン岬のある町。ケララ州の隣のタミル・ナドゥ州に位置しています。

世の旅行好きには、"先端マニア"という、やたらと半島の先っぽに行きたがる人がいます(笑)。私自身はそれほどでもないと思っているのですが、インド亜大陸の先端にはぜひ行ってみたいと憧れていました。

コモリン岬は、インド洋、ベンガル湾、アラビア海の三つの海が交わるヒンドゥーの聖地で、インドで唯一、太陽が海から昇り海に沈む場所。三浦半島や房総半島の先端とはワケが違う、スケールの壮大さなのです。

トリヴァンドラムからカニャクマリまでの移動は、列車を利用しました。案の定、時刻表通りではなく、1時間ほど列車が遅れましたが、まぁのんびり行きましょうと、車窓を楽しむことに。

まとわりつくような湿気や、葉色の美しい椰子の森、そして、あでやかな色彩のサリーをまとって農作業をする女性たち…。それらの車窓の風景が、何ともエキゾチックでした。

終点のカニャクマリ駅は、荒涼とした地に囲まれ、地の果て感がただようところ。"先端マニア"の気持ちがちょっとわかったような気がします。

ヒンドゥー教の聖地であるコモリン岬は、インド全域から巡礼に訪れる教徒の多いところでもあります。そして、この町での最大のアトラクションは、早起きして拝む日の出。

今回はありがたいことに、東海岸に面したホテルの、海側の部屋をゲット(1月1日の初日の出は、きっとすごく混むだろうなぁ)。部屋の窓から無事に日の出を拝め(上左写真)、何とも神聖な気持ちになれました。

カニャクマリ駅
巡礼の人々が降り立つ、カニャクマリ駅。インド全域から来た人々と知り合い、名刺交換をしたりしました。日本人は珍しがられます。

沐浴する人々
神聖な沐浴、のはずが、みんな、海水浴みたいなはしゃぎよう。ほほえましかったなぁ。

泊まったホテルは、その名も"Hotel Seaview"というところ。予約はせず、当日、部屋を見せてもらって決めました。ガイドブックにまだ載っていない新しいホテルで、1泊1人3500円と、インドにしてはぜいたくな料金でしたが、日の出のためだから仕方ない…。でも、やり手風のマネージャーのおばちゃんが値切り交渉に応じてくれ、少しは気分よく泊まることが。

ホテル・シー・ビュー
Hotel Seaviewの室内。窓から海を一望
インドの子供たち
インドの子供たちはどこでもとってもかわいい!
チャイ売りの少年
チャイ売りの少年。商才あると見た。
漁師
漁師のおじさん。後姿がいい味出してる。

コモリン岬カニャクマリでは、地元の人々や、インド各地からやってきた人々とコミュニケーションを取ったりと、楽しい思い出ができた場所だったのですが、私たちの旅した約2ヵ月後に、あのスマトラ沖地震が発生し、しばらくしてから、甚大な被害の実情を知りました。

あの人々、あの建物、あの海岸がどうなってしまったのか…。2004年12月の発表では、タミル・ナドゥ州だけで死者が3500人(ご冥福をお祈りいたします)。インド一の被害者数だったとのことです。

平和な街を一夜で壊滅させてしまう自然の脅威に、ただ呆然とするばかりです。

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「ぺリヤル~スパイスの宝庫を訪ねて」に続きます

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