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世界一周旅行記(1998年)4 イスラエル編

過ぎ越しの祭

「過ぎ越しの祭ぃ??? そんなの聞いてないよぉぉ(;_;)」。到着したテルアビブは、いきなり休日なのでした。ヘブライ語でペサッハ(英語でpassover)というこの日はユダヤ人の最大の祝節だそうで、公共の乗り物はすべてストップ、商店もすべて閉まってしまいます。タクシーとホテルはかろうじて営業していたものの、両替所を探すのに苦労し、空港からの移動もえらく高くついてしまいました。

この国はユダヤ歴で動いていて、太陽暦では毎年休日が違うので、イスラエルを旅行される方は要注意です。

ちなみにペサッハとは、旧約聖書に由来するもので、当時エジプトで奴隷扱いだったイスラエル人が、モーセによって伝えられた神の進言を守って災いをまぬがれ、出エジプトのきっかけになったことを祝った祭りなのだとか。たはは、やっぱ筋金入りの宗教国なんだ。

テルアビブ

しかし、宗教国のお堅いイメージをくつがえすような、テルアビブのあけっぴろげさは何なんでしょう!この街は海岸沿いにあり(ただあんまりきれいじゃない)、ビーチではビキニ、ハイレグは当たり前。しかもそこら中でカップルがからみあってる。そして、リゾート・ホテルの前では、老若男女がまじめな顔をしてフォークダンスを踊るという不思議な光景が…。

宗教関係はエルサレムにおまかせしているのか、きわめて近代的な(俗な?)雰囲気に満ちていました。外国企業のオフィスや大使館もテルアビブにあるそうです。たしかにマクドナルドはあるし、タワーレコードはあるしで、西洋かぶれした人間には安心できる街です。ただ観光的なみどころはほとんどなし。ミュージカルが盛んと聞いていて楽しみにしていましたが、休みのせいか上演されていませんでした(;_;)。テルアビブ市内から歩いて行けるアラブ人の街ヤッフォの方が、旅情が味わえるでしょう。

フォークダンスは、イスラエルが発祥地なのだとか。せっかくだから輪の中に入ってみたかったけど、私が踊れそうなのはせいぜい"マイム・マイム"くらい(これもイスラエルの歌&踊り。マイムはヘブライ語で「水」の意味)。宗教から派生しているとは知りませんでした。現地の人はさすが、老いも若きも実に流ちょうに踊っています。男の子と手をつなぐのが気恥ずかしかった小学生のころを思い出して、何だかなつかしくなりました。

ところで、イスラエルに来てびっくりしたことの一つが、物価の高さです。通貨単位1シェキルが約36円。特にホテル代の高さには泣かされました。ありんこが這っているような宿(バス、トイレ付き)でも現地ではきれいな方と解されるようで、1泊約4000円もします。なので、割り切ってホステルに泊まることにしました。

ホステルは場所にもよりますが、1泊US$15するところならきわめてきれいで、快適に過ごせます。テルアビブでよかったのは、GORDON INNというホステル。ここは市内をあちこち泊まり歩いたという日本人の女の子も絶賛していました。1泊US$15。個室でもUS$40しません。交通の便がよく、海からも空港バスの乗り場からも近く、フロントの人も感じがいい。それにすばらしい朝食と、レモネードの引換券がついています。

ティベリア

イエス・キリストが奇跡を起こしたというガリレア湖のほとりにある、ティベリアという街にテルアビブから日帰り、バスで行ってみることにしました。キリスト教には別に興味はないけれど、古代からわき出ているという温泉(ティベリア温泉というゴロのよさ!)があって、聖書にも出てくる珍しい魚のフライ(セント・ピータース・フィッシュという)が食べられ、しかもゴラン・ワインの産地ゴラン高原に近いというのに惹かれたしだいです(俗っぽくてすみません)。

ティベリア温泉(Tiberias Hot Springs)は、山奥の秘湯のようなものをイメージしていたけれど、実際はひなびた療養所といった雰囲気でした。ガリレア湖のほとりにあり、もちろん水着でお湯につかります。タオル、水着のレンタルといった気のきいたシステムはなく、まるで室内プールのような湯治場に情緒を期待してはいけなかった……。それに水着で温泉に入るのは何か気持ち悪かったです。

それでも、外には温泉プールがあり、湖の風景を楽しみながらゆっくりリゾートすることができます。マッサージや泥パックなどのエステ系の設備も充実していました。けっこう国際色豊かで、料金はUSドル表示、やたらと日本人の私をほめる南アフリカ人のビジネスマンなどが客としてきていました。

びっくりしたのは、日本人(男性)がけっこういたことです。後で話を聞くと、イスラエルには国連軍の兵士として派遣された方々なのだとか。湖畔はいたって平和そうだけど、そういえば紛争地区はすぐ近くなのでした。このギャップ!イスラエルという国の複雑さが少しづつわかってきたような思いでした。

エルサレム旧市街の3つの世界

城壁に囲まれた狭い地域にユダヤ教、イスラム教、キリスト教という世界3大宗教の聖地がきっちり隣り合わせているエルサレムの旧市街は、おもしろくもあり、また緊張を要される場所でもありました。コーランの流れる中で、髭面の超正統派のユダヤ教徒が壁に向かって嘆き、そこに教会の鐘の音が鳴り響く、といった具合なのです。


嘆きの壁。敬虔なユダヤ教徒の聖地。静かな空間。


イスラムのバザール。アラビア語の世界。しつこい客引きにヘキエキ。


ドイツ系カトリック教が経営するユースホステル。旧市街で一番落ち着く空間だった。

死海
そして、死海

そして、イスラエルとくれば死海。ミーハーですが死海のリゾートに行ってきました。背泳ぎができない私でも、ぷかぷか水に浮かぶことができたのは感激。旅の恥はかきすてて(^^;)、本場イスラエル製のビキニ(ビキニの発祥地はイスラエルといわれる)で泳ぎましたです。

死海の水を使った化粧品というのがありますが、ここの水は本当に肌によいらしく、浸かっただけですべすべになります。スパもあって、やけどなど皮膚の疾患の治療にきている人がたくさんいました。

キブツ(イスラエルの社会主義的な集団農場)が経営するリゾート・ホテルに面白そうなので泊まりました。2食、スパの入場料つきで1泊US$143。コストパフォーマンスはまあまあ。砂漠のオアシスのようなところで、世界各国のお客がのんびりとリゾートを楽しんでいましたが、その上空を軍用機が飛んでいくのですから、複雑な国です(パレスチナ自治区はすぐ近く)。

ヤッフォ アラブ色の濃い町

テルアビブから海岸伝いに15分ほど歩くと、アラブ人の町ヤッフォに到着します。ここに1泊することにしました。ヤッフォのホステルは周囲が夜はちょっとこわそうでしたが、アンティークに囲まれて、まあまあきれいでよかったです。それに、灯台の周辺はとてもロマンチック。中央バスターミナルの観光局に置いてあった割引券持参で、29NSが19NSに割引になりました。テルアビブの空港までダイレクトに行けないのが難点ですが、安いことは安いです。

イスラエルの食べ物

各国からのユダヤ系の移民によって建国されたイスラエルは、料理の種類もいろいろです。ユダヤ料理、イエメン料理、キブツ・レストランの料理などは、イスラエルならではでしょう。当地では、安息日の料理というのを食べてみました。これは、。豆とじゃがいもと肉(
牛肉) と卵まるごとを塩とパプリカで味付けした料理です。土曜日が安息日なので、金曜の夜に鍋に火を入れて煮込むという、いわば"手抜き料理"。レストランで食べたものはあまりおいしくありませんでしたが、家庭によってはおいしいかも。

キブツというのは、イスラエル特有の生活共同体で、ここがレストラン・チェーンを経営しています。ベーグルのオープンサンドというのを注文しましたが、これはボリュームたっぷりでまあまあおいしかったです。サラダがバットに入って出てきたのにはびっくりしました。

ティベリアでは、キリストにゆかりのあるガリレア湖で採れる、聖書にも出てくるセントピータース・フィッシュという魚の料理が名物です。けっこう大きな魚が塩焼きされて出てきましたが、これは骨っぽいけどなかなかの味でした(って旅情が先走っているからかな)。
キブツのホテル

死海のほとりにあるホテルです。食事は食堂まで出掛けて食べる方式。量と種類は多いけど、味はそれほどおいしくなかったです。朝はとにかくチーズ、ヨーグルトなどの乳製品がとても多いのが特徴でした。キブツはイスラエル国内ではかなりの力を持っているそうで、国内に270もあるキブツがお互い協力していると聞きました。"YOTUBATA"というキブツはチェーン・レストランを展開していて、ヨーグルトなどの乳製品をスーパーで販売しています。

ところで、先のキブツ・ホテルの食堂で働いてるおにいちゃんに料理の名前を聞こうとしたが、何だか熱心さがないように思いました。いわれたことだけやってるって感じ。キブツで働く人がみんながみんなこうではないんでしょうが、見たかぎりでは何だか覇気のある人が少ないような気がしました。

出国

テルアビブの空港では、噂通りの出国時の実に厳しい荷物検査にヘキエキしました。ポーチの中、財布の中までことごとく調べられるのです。たぶん1人につき30分はかけているのではないでしょうか。危うく飛行機に乗り遅れるところでした。係員の女性は申し訳なさそうでしたが、まぁ、敵の多い国なのであります。

イスラエルの感想

イスラエルは本当に、敵に囲まれた国だと思いました。後日、チュニジアに行ったとき、街中の食堂で知り合ったヨルダン人の大学の先生が、なごやかな話の中で、イスラエルの話が出てくると急に眉をひそめて、「イスラエルをどう思う?正直にいっていいから」と、私に尋ねました。イスラエルでは、男女関係なく国民皆兵で、軍で敵を殺すための訓練を受けさせられます。テルアビブやエルサレムの市中では、軍服姿の若者をたくさん見かけました。歴史的な遺産がたくさんある魅力的な観光国なのに、残念なことです。

私は、ユダヤ人、ユダヤ教といっても一口でいっても、離散してかなりの歳月がたっているし、各地からやってきた移民それぞれにバックボーンがあり、また、宗派もいろいろなのだから、急にひとつの国にまとめるのは無理があったんじゃないかと思っています。ユダヤ教の超正統派に属している人たちは、兵役を拒否して、同じユダヤ教徒からブーイングを浴びているという話も聞きました。国内がまとまらないから、まとまるために、共通の敵としてパレスチナというスケープゴートを立てているのでは、と疑いたくなってしまうほどです。まるで、対イスラムで国内の社会問題を棚上げしようとしているアメリカみたいですね。

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郷土料理を訪ねる旅