セルビアのチーズパイ
旧ユーゴスラビアに属していた国セルビアは、古くはローマ帝国の一部であり、19世紀には首都ベオグラードを流れるドナウ川とサヴァ川の南側が旧オスマン・トルコ領、北側がオーストリア=ハンガリー帝国領だった国。しかしながらセルビア人としてのアイデンティティを失うことなく、それらの国々に影響を与えられながらも、セルビア正教会の伝統を守った独自の食文化を受け継いできました。
薄いパイ生地のフィロシートにチーズなどの具を包んだブレクは、チェバプチチと並ぶセルビア料理の代表格のひとつ。
80年間続いたユーゴスラビア時代には、クロアチアやボスニアなどと人と食の交流があったため、これらの国々でも今でもポピュラーな料理です。
チュニジアで紹介した三角形のパイ、ブリークと起源を同じくする、親戚みたいな食べ物で、セルビアでは塩気の強いフェタタイプの白チーズの具がポピュラーです。他にひき肉などの具もあります。
フィロシートはギリシャ製や、(ギリシャ移民が多い)オーストラリア製が日本の輸入食材店で買えることがありますが、ここでは、チュニジアのブリークのように、日本で買える身近で便利な食材・春巻きの皮で代用してしまいましょう。
春巻きの皮に見えないほど(笑)、食卓で見栄えのするチーズパイが、意外と簡単に作れちゃいますよ!
ブレク Brek レシピ 4人分
【材料】
春巻きの皮 (本来はもっと薄皮の「フィロシート(パートフィロ)」を使用)
フェタチーズ(ない場合はクリームチーズまたはリコッタチーズに塩を加えて代用) 200g
たまご 1個
パセリ 少々 みじん切り
バター(溶かして使用)
【作り方】
1.ボウルにチーズを入れ、たまごを割り入れてよくこね、柔らかくする(クリームチーズやリコッタチーズを使用する場合は、塩を足します。少し塩味が強い方がおいしくできあがります)
2.1にみじん切りのパセリを混ぜる。
3.耐熱皿に巻きの皮をしき、2のチーズをはさみ、さらに上から春巻きの皮を何枚かずらしてかぶせる。
4.3の上に溶かしバターを塗り、180度のオーブンでこんがり色がつく程度に30分ほど焼いてできあがり。