ププーサ|エルサルバドル料理

エルサルバドルのププーサ

エルサルバドル・スタイルの”おやき”

ププーサ(複数形ププーサス)は、肉や豆、チーズなどの具をとうもろこし粉の生地で包んで焼いた、中米エルサルバドルを代表する料理です。

ププーサの歴史はかなり古いといわれ、スペイン人が新大陸を侵略するずっと昔、世界遺産に登録されたエルサルバドルのホヤ・デ・セレン古代遺跡で、2000年以上前に先住民がププーサを調理していた痕跡が発見されています。

ただし、エルサルバドルを含むマヤ文明とピピル文明が栄えたメソアメリカ全域には、コロンビアやベネズエラの「アレパ」のように、とうもろこし粉を練って作る似たような食べ物があり、エルサルバドルだけがププーサを独自の料理として商業的に普及させたと考える人もいます。

日本の長野や山梨の「おやき」によく似ています。おやきも縄文時代に起源があるとされていますが、穀物の粉を水で練って具を包んで焼くのは、調理法としては原始的な部類。

太古の昔から人類は普遍的に、食事をできる限りおいしく食べる工夫をしていたといえますが、その調理法が今も世界各地に現存しているなんて、何だかすごいですね!

ちなみに日本のおやきは囲炉裏であぶって焼きますが、エルサルバドルのププーサは薪火の上にコマールという鉄板を乗せて焼きます。

2005年4月1日にエルサルバドルの立法議会は、ププーサがエルサルバドルの国民食であると宣言し、11月の第2日曜日をププーサの日と制定しました。

同国ではギネス記録に挑戦する世界最大のププーサを作るお祭りを開催したり、国を挙げて盛り上げる試みが行われていますが、これは国の料理としてププーサを宣伝する狙いと、同じくププーサの起源を主張する隣国ホンジュラスへの”けん制”をこめているのかも…。

また、アメリカに移住したエルサルバドル人が当地でお店を開いて繁盛し、2011年にはププーサがニューヨークのベスト・ストリート・フードにも選出されました。私もニューヨーク・ブルックリンの中米人街でププーサ専門店を訪ねたことがありますが、お国の味を求めてエルサルバドル出身者でにぎわっていたのが印象的でした。

なおププーサは伝統的に手で食べ、「クルティード」というキャベツ、にんじん、たまねぎの酢漬けと、スパイシーなトマトチリソースが添えられます。

エルサルバドル料理について詳細

ププーサ Pupusas レシピ

【材料】

4人分
・とうもろこし粉 280g
白っぽいとうもろこし粉(メキシコのマサと呼ばれる石灰水処理したとうもろこし粉がよい。ない場合は、普通のとうもろこし粉と小麦粉を半分ずつ使用)
・塩  小さじ1
・水 適量
・赤いんげん豆 80g  ゆでたもの。水煮の缶詰でよい。赤いんげん豆がなければチーズだけの具でもよい。
・チーズ 40g  モッツァレラチーズがおすすめ。
・植物油 適量
・トマト・チリソース お好みで
・クルティード キャベツ、にんじん、たまねぎの千切りの酢漬け。お好みで。

【作り方】

1.ボウルにとうもろこし粉、塩を入れ、耳たぶくらいのやわらかさになるまで水を少しずつ加えて生地を作る。
2.別のボウルにゆでた赤いんげん豆とチーズを入れてつぶす。
3.1の生地を70gずつ4等分に分け、丸めながら穴を開けてその中に2の具(25-30gくらい)を包んでさらに丸め、直径11~12cmくらいになるまで手または麺棒で丸く伸ばし円形に平たくのばす。
4.フライパンまたはホットプレートに植物油をうすくしき、3を両面ずつ各5分ほど焼いて、できあがり。
※とうもろこし粉だけですとグルテンを含まないため、生地がボロボロに崩れてしまいますので注意。

ププーサの作り方手順(現地動画)

エルサルバドルのププーサ屋さんの調理作業を写した動画。1:20あたりから登場します。

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