北マケドニアの料理
北マケドニア共和国 Republic of North Macedonia | ヨーロッパ →この国の料理のレシピ・リンク集|世界料理マップについて
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トルコや旧ユーゴスラビア諸国の影響を受けた料理
東ヨーロッパのバルカン半島南部の内陸部にある、北マケドニア共和国。古代ギリシャのアレクサンドロス3世(アレクサンダー大王)ゆかりの地であり、東ローマ帝国の一部としてギリシャ人の領土でしたが、オスマントルコ占領時代、ユーゴスラビア時代を経て、現在はスラブ系のマケドニア人が大半を占めています。ギリシャとの和解などのため2019年1月、旧ユーゴスラビア解体後に独立して称していたマケドニアから国名変更しました。↓クリックすると詳細な グーグルマップが見られます。 |
北マケドニア |
温暖な気候に恵まれた北マケドニアの料理は、バルカン半島の他の諸国と同様、かつての占領国であるトルコや、ギリシャの影響を強く受けました。さらに1918年から1991年までのユーゴスラビアの一部だった時代に、隣接したセルビアなどとの交流を通じて食文化にも影響を与え合い、類似の料理が多く見られます。
たとえば、ムサカ(なすとじゃがいもとひき肉の重ね焼き)やチェバプチチ(ひき肉のグリル。名称はおそらくトルコのケバブ由来だが、北マケドニアやセルビアはキリスト教正教会信徒が多い国なので、トルコでは使わない豚肉を混ぜることもある)、ブレク(チーズなどをはさんだパイのような料理)、塩気のある白チーズ(ギリシャのフェタに似たチーズ。羊乳であることが多い)をたっぷり乗せたショプスカ・サラダ(Shopska Salad。語源のショプルク地方はブルガリア、セルビア、北マケドニアにまたがる地域で、同じ料理が各国にある)など。大粒の白いんげん豆やドライトマトなどをオーブン焼きしたタフチェグラフチェなども、トルコや中東の面影が残る料理です。
また北マケドニアは内陸国ですが、湖のあるアルバニア国境付近では、マスなどの淡水魚の料理が多く食べられています。
ハンガリーやセルビアなどとともにパプリカの産地でもあり、パプリカのペースト、アイバル(Ajvar)の生産も盛ん。日本にも輸入されています。また旧ユーゴスラビア諸国では珍しく米を生産しており、今もセルビアなどに輸出しています。
飲み物では、どろっとしたトルコ式コーヒーやビール、あんずや桃などのフルーツの蒸留酒であるラキヤ(Rakija)、自国産のワインなどがよく飲まれています。北マケドニアのワインは品質がよいことでも知られ、日本にも輸入されています。
北マケドニア産の米
■参考文献
e-food.jp代表、各国・郷土料理研究家、全日本司厨士協会会員 調理師。主な著書:図鑑NEOまどあけずかん「せかいのりょうり」監修(小学館 2021)、「世界の郷土料理事典」(誠文堂新光社 2020)。
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