ハンガリー国旗 ハンガリーの料理

ハンガリー共和国 Republic of Hungary | ヨーロッパ  →この国の料理のレシピ・リンク集世界料理マップについて


グヤーシュ
グヤーシュ

パプリカを多用した料理

オーストリアやスロバキア、ルーマニア、クロアチア、セルビア、ウクライナと国境を接し、平野に広がる中央ヨーロッパの内陸国ハンガリー。別名をマジャールといい、首都はブダペスト。かつて中央ヨーロッパを制したオーストリア=ハンガリー帝国の栄華の面影と、5世紀からこの地にやってきた東洋人の名残り(たとえば、ハンガリー人の名前はヨーロッパで唯一、苗字・名前の順である)が混ざり合ったエキゾチックな国です。ドナウ川のさざなみ、そしてハンガリーが生んだ偉大な作曲家フランツ・リストの「ハンガリー狂詩曲」の、物悲しく心をかきたてるようなロマ(ジプシー)のヴァイオリンの音色は、そんなハンガリーならではの魅力を映し出しているようです。
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ハンガリー
ハンガリー

ハンガリー地図ハンガリー料理の特徴としてまず一番にあげられるのが、パプリカを多用すること。パプリカは甘味を含み、ビタミンCが豊富なとうがらしの一種で、乾燥させて粉末に挽いたものが料理に使われます。パプリカは、16世紀に原産地のアメリカ大陸からスペイン、さらに当時オスマン帝国に占領されていたバルカン半島経由で、ハンガリーにもたらされたという説があります。

ハンガリーでは、このパプリカを使った料理が4つに分類されます。

まずは、もっとも有名なグヤーシュ。パプリカの粉と、肉とじゃがいも、たまねぎ、そしてタルホニヤ(Tarhonya)というゆでた団子を一緒に煮込んだスパイシーなシチューで、9世紀にマジャール人が伝えた料理に18世紀からパプリカが加わったといいます。

次はポルコルト。タマネギの香りが強く、肉の脂肪分が多いグヤーシュに似た料理です。

そして、パプリカーシュは、大きめの肉に濃い煮汁をかけ、生クリームやサワークリームをかけた料理。パプリカーシュ・チルケというチキンのパプリカ煮込みがポピュラーです。

最後はトカニ。これは肉をフレンチポテトのように細長く切り、マッシュルームやアスパラガス、がちょうのレバーを加えたパプリカ料理です。

ほかには、真っ赤で濃厚なハラース・レーというパプリカ入りの魚スープや、ロールキャベツをはじめとするキャベツ料理もハンガリーではよく食べられています。

またハンガリー人は豚肉が大好き。料理にはバターよりも豚の脂のラードを用い、ベーコン(コロジュヴァール・ベーコン)やソーセージ(デブレツェン、燻製のギュライ・ソーセージ)など豚肉の加工品も豊富にあります。彼らはデザートにもラードを用いるほどです。最近では、ハンガリーの国宝級といわれる希少種で、コレステロールの原因となる飽和脂肪酸の量が少ないため健康に良いとされるハンガリー固有の豚マンガリッツァが、日本にも輸入されるようになりました。

デザートはレーティッシュという、オーストリアのシュトルーデルに相当するペストリーがポピュラーです。これはトルコのバクラヴァがもとになっているといわれています。

そして飲み物は、何といってもワイン。ハンガリー北東部のカルパチア山脈のトカイで生産される、地ぶどうのフルミントを使ったトカイ・ワインが世界的に有名です。ほかに、雄牛の血のように濃厚な赤ワイン、エグリ・ピガヴェールや、アプリコットのブランデーも有名です。また、ハンガリーではコーヒーの消費量も高いようです。


■参考文献
EATING THE HUNGARIAN WAY (~Cultural Profiles Project)
世界の料理「オーストリア/ハンガリー料理」ジョセフ・ウェクスバーグ著(タイムライフブックス)



ハンガリー

面積9万3,032k㎡
人口約1,000万人
首都ブダペスト Budapest
住民マジャール(ハンガリー)人98%、ほかドイツ系、ロマ系、クロアチア系
言語マジャール(ハンガリー)語
宗教カトリック65%、ほかプロテスタント、ユダヤ教
建国1918年10月31日 (オーストリア・ハンガリー帝国より独立)
ハンガリー

ハンガリーの首都ブダペストは、ドナウ川のほとりにある美しい街です。
■この国の料理&文化がわかる本
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