お米と魚介料理がポピュラー
西ベンガルは、かつて東ベンガル(その後は東パキスタン)と呼ばれ、1971年にパキスタンから独立したバングラデシュと国境を接する東インドの州。州都はコルカタ(カルカッタ)。ガンジス川とブラフマプトラ川が流れ込む大デルタ地帯があり、多雨で緑豊か、稲作の盛んな土地です。
西ベンガル州とバングラデシュは、ヒンドゥー教徒、イスラム教徒と宗教人口に違いがあるものの、もともと同じベンガル語を話すベンガル人の故郷であり、国境分断後も料理は共通したものが多いようです。ベンガル料理の特徴は、お米(インディカ米)と魚介、そしてレンズ豆、野菜をよく使うこと。特に魚介料理は日常食で、海の魚もあれば、川に棲む淡水魚も食べます。このような点から、ベンガルのカレーは、日本人にとってもっともなじみやすいインド料理といえるかもしれません。魚介があまりにもおいしいため、ベンガルではヒンドゥー教徒の最高位ブラーマーでも魚を食べるとか。彼らは言いわけ(?)に魚を「海の果物」と呼んでいます。
ベンガル料理は、5つの重要なスパイス(マスタード、フェヌグリークシード、クミンシード、アニス、クミンシード)とマスタード・オイルをよく使います。またインドでは珍しく、余分なカロリーの摂取を避けるため、蒸し料理が好まれ、多くの人がおいしく食べるために自分の右手で魚カレーとごはんで混ぜて食べます。
ベンガルの代表的な料理は、ベンガリ・フィッシュ・カレー、魚と野菜のスパイス蒸し焼きバパ、なすに赤とうがらしと塩をまぶして揚げたベグン・バジャなど。またベンガルには、にがうりなど苦味のある野菜を最初に食べてから、豆、野菜、魚、肉、デザートの順番に食べる、西洋のコース料理のような食べ方の伝統があります。