台湾のワイン


今まで様々な国にワインがあることを見てきましたが、世界のワイン生産国は何ヵ国くらいあると思いますか?

この問いに答えるためには「国」という概念を考えなければなりません。現在、日本が国交を結んでいる国は192ヶ国ありますが、それでは世界には192の国しかないのかというと、そうではありません。例えば日本の近くでいうなら台湾。台湾は正式国名を中華民国という中華人民共和国とは別の国家ですが、観光を初め日本との往来も多く訪れたことがある人も多いでしょう。しかしこの中華民国は先の192ヶ国には入らないのです。

国連加盟国191ヶ国のうち朝鮮民主主義人民共和国を除く190ヶ国にバチカン市国、コソボの2ヶ国を加えた国が現在日本の国交がある国というわけです。

このように国は、それぞれの国によって承認している数が違うのです。私はあえて世界である国家の一部であると宣言されていても独自の政府を持ちある程度の地域を実行支配している全地域を含めてみてみたいと思います。もちろん政治的な意図はありません。各々国を名のっていた地域がともに共存していけるようになり、州境や県境のようになることが今世紀の課題だと思ってはいますが、変わった地域のワインを語るためにご容赦いただきたいと思います。

さて、本題のワインの話に入りましょう。このような日本と国交のない国や地域にもワイン生産の文化はあります。先程例にあげた台湾や北朝鮮にも国産のワインがあります。まず、台湾には臺灣?酒股?有限公司Taiwan Tabacco & Liquor Corporation(TTL)という元国営の会社がありワインを生産しています。この会社は台湾ビールを生産している会社ですが、このワインを中華人民共和国で作っているワインと共に中国ワインとして括るには無理があるでしょう。玉泉紅 葡萄酒という銘柄が有名です。

以前はコンビニ等では海外からぶどう原液を輸入して自国で生産したワインが多くみられました。また最近では東アジアのワインブームもあってか多くの輸入ワインを置く店や専門店も増えてきました。日本で各国のワインを飲むようにフランスやオーストラリアのワインを台湾の料理にあわせてもいいでしょう。しかしその土地の恵みから生まれてきた地元のワインを飲むことをお薦めします。またこのTTLのワインは台北の桃園国際空港近くの桃園縣の林口酒廠や台中の南にある南投という町にある南投酒廠で主に生産されているようで、最近ではラインナップも増えています。

『玉泉紅?葡萄酒Mollac』(蘇維翁葡萄Cabernet Sauvignon:赤ラベル)
『玉泉極品紅?葡萄酒』(同:緑ラベル)
『玉泉洋?紅酒』(美洛Merlot)
『玉泉狂想曲1』(喜哈syrah&美洛Merlot)
『玉泉金香白葡萄酒』(金香Golden Muscat)
『玉泉特級?瑰紅酒』(金香白葡萄Golden Muscat&黑后紅葡萄Black Queen)
『台酒特級?瑰紅酒』『玉泉特級紅葡萄酒』等々

e-food.jpのイベントでも『玉泉紅 葡萄酒Mollac』や『玉泉極品紅 葡萄酒』等は試飲していただいたこともあるのですが、日本では購入できないので是非台湾に旅行の際には試してみて下さい。

このように日本と国交がない国や独立を主張している地域の中でもワイン生産で有名な場所といえばコーカサスの国々でしょう。昨年のロシア・グルジアの紛争によってロシア、ニカラグアが国家承認をした南オセチアやアブハジアでもワインは生産されています。もちろん、従来はグルジアワインのカテゴリーの中の地方ワインという位置づけでした。アブハジアのワインは国家承認によりアブハジアワインとしてロシア等に輸出されているようで、関係悪化でグルジアワインの輸入が減少したことも普及していっている要因の一つのようです。

また、情報が少ないので銘柄までは確認が取れていませんが、アルメニア・アゼルバイジャンの紛争の火種となった旧ナゴルノ・カラバフ自治州が独立宣言したナゴルノ・カラバフ共和国でもワインが生産されているようです。

このように実行支配により国家を名のっている地域は他にもあり、その中にはワインを生産している地域もありますが、実はもっと凄い極めつけの国があります。それは国土なき国家「マルタ騎士団国」。次号ではこのマルタ騎士団国のワインなどについてお話したいと思います。


※この記事は、e-food.jpのメールマガジン「世界料理通信」2008年11月-2010年4月に連載されたコラムを加筆・訂正・更新したものです。


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