食をテーマにした、イタリアで約100年ぶりの万博へ
2015年5月1日から10月31日までイタリアのミラノで開催されている「ミラノ国際博覧会(万博)」。
2005年の愛・地球博(愛知県)、2010年の上海万博に行って国際博覧会の魅力に目覚めた私ですが、「地球に食料を、生命にエネルギーを(Feeding The Planet, Energy For Life)」というテーマのもと、食べることに情熱を傾ける「マンジャーレ!」の国イタリアに世界140ヶ国以上の参加国が集うとならば、これはもう見逃せない。
というわけで、6月上旬のミラノへ取材に行ってきました。
↑イタリアの高速鉄道「フレッチャロッサ」も、万博開催期間中はすべて最寄りのロー・フィエラ駅に停車する。車体にもEXPOのロゴが。
首都ローマに次ぐイタリアの大都市であり、北イタリアを代表する古都でもあるミラノ。イタリアの経済とファッションの中心地であり、サッカーのACミランの本拠地、そして壮麗なミラノ大聖堂(ドゥオーモ)や、オペラの殿堂スカラ座、レオナルド・ダ・ヴィンチの傑作「最後の晩餐」の壁画など観光スポットが多々ある街でもあります。
しかしながら、私は今回でミラノが3度目ということもあって観光は潔くパスすることにし、ローマからイタリアの新幹線に相当する高速列車「フレッチャロッサ」に乗って、万博会場の最寄駅であるミラノ郊外のロー・フィエラ(Rho-Fiera)駅に直行。まるまる2日間「ミラノ万博・ほぼ弾丸ツアー」(笑)を敢行したのでした。
↑ロー・フィエラ駅。すっかり万博モード。
↑駅構内でも世界の国々を歓迎。
列車が速度を落とし、車窓に万博パビリオンが見えてくるとワクワク感が高まりはじめ、世界の国々を歓迎するポスターが随所に貼られた、万博モード一色のロー・フィエラ駅に到着した頃には、感激もひとしお!
ロー・フィエラは大きな展示会場などを擁した、東京エリアでいう海浜幕張に似た感じの場所でした。
ミラノ中心地のドゥオーモ駅からも地下鉄1本で来られる、便利な立地です。また万博開催中は、ミラノの2つの主要空港であるマルペンサ空港(主に国際線)とリナーテ空港(主に国内線)からも会場までの直通バスが出ています。
駅のコンコースを抜けてすぐのところにある入場ゲートへ向かい、さっそく世界の食の数々に出会える万博の会場をまわりはじめました。
東西南北に走るメインストリート沿いにパビリオンが並ぶ
↑ミラノ万博会場マップ(クリックすると拡大画面へ)。東西南北に走るメインストリート沿いにパビリオンが並ぶ、明快でわかりやすい構造。鉄道駅から日本館まで歩くとけっこう遠い。無料シャトルバスを利用する方がラク。
ミラノ万博の会場は、古代ローマにヒントを得たという長い東西の大通り(デクマーノ)とそこに交わる短い南北の大通り(カルド)に沿ってパビリオンが並び、ゾーンごとに入り組んでいた愛・地球博や上海万博に比べて、訪問者にはわかりやすい、非常にシンプルで明快な構造。
隣から隣へとパビリオンを巡っていけば、2日間ですべてラクラク制覇できるんじゃないかと思えるくらいでした(実際はかなり大変だったのですが…)。
そして、まず目指すはわれらが日本館!しかし、鉄道駅のゲートからはもっとも遠い位置にあり、かなり(2km近く)歩かなければなりません。
私はパビリオンの国旗の数々に目移りして(笑)、つい歩いてしまったのですが、疲れたくない方は、会場の周囲を走る無料のシャトルバスを利用した方がよいと思います。6月上旬のミラノでも30度を越える暑さでしたので、体力は温存しておいた方が無難です。
↑鉄道駅入り口広場に並ぶ、それぞれワインや、チーズ、パン、果物、肉などで構成した人物像は、16世紀のミラノ出身の画家ジュゼッペ・アルチンボルドの絵画をモチーフにしたもの。
↑会場の東西のメインストリート(デクマーノ)。あちこちで行われている各国のストリート・パフォーマンスをのぞくのも楽しい。
↑イタリア館近くの広場にあるモニュメント。”マンボ・イタリアーノ”など軽快なメロディーに乗って、噴水のアトラクションなどが見られる。
イタリアではおよそ100年ぶりの万博ということで、地元での気合も並々ならぬものを感じました。
当初はパビリオンの工期が遅れて「開会式に間に合うのか」と周囲をハラハラさせていたのを思い出しましたが、さすがはスローフードの国イタリア。のんびりして焦らなくても何とか辻褄を合わせられているのは、さすがです(笑)。
さて次は、パビリオンに入るのに平日でも40分待ちはザラという、イタリア人にも大人気の日本館についてリポートします。
→・ミラノ万博リポート2【日本館を訪ねて】
・ミラノ万博リポート3【世界の料理の数々】
・ミラノ万博リポート4【会場のアトラクション】
・ミラノ万博リポート5【実用的な情報まとめ】
に続く