ぜんざい|島根県・出雲地方

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出雲の神在祭のお餅が起源

10月のことを別名で「神無月」などと申しますが、神々の国・出雲(島根県)では、逆に、来年1年のことを話し合うために出雲大社に全国の神々が集結するので、神無月ならぬ「神在月(かみありづき)」といいます。毎年、旧暦の10月(今年は11月上旬~)には、出雲大社で神在祭という神事も。ぜんざいは、この神在祭で振る舞われた神在(じんざい)餅が訛った、出雲発祥の食べ物だといわれています。

もっとも、仏教用語の「善哉」からきたという別の発祥説もあるのですが、今では、出雲名物としてすっかり定着。特に今年は、出雲大社の60年に1度の式年遷宮の年でもあり、では、この記念すべき(?)神在祭の時期に、出雲でぜんざいを食べてみようと、出雲大社のお膝元・出雲市大社町を訪ねてきました。

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出雲大社の周辺には、ぜんざいを食べられるお店がそこかしこにあります。特にここ2、3年、遷宮の年に向けて道路の整備や古い建物の建て替えなどが行われて、かつてのひなび加減がいい感じだった町の雰囲気が一変。何せ縁結びの神様のこと、女性グループの参拝客が非常に多く、一畑電車の大社駅の脇におしゃれなカフェができたり、伊勢神宮のおかげ横町のようなかわいらしいショップ街ができたりと、いかにも乙女心をくすぐるお店もぐんと増えました。

というわけで、店選びも悩ましくなりましたが、お参りを終えて今回は、ぜんざいを提供する老舗の出雲そばのお店「荒木屋」さんへ。出雲の割子そばとぜんざい1杯が一緒になった「縁結びセット」880円という、ちょっと頼むのが気恥ずかしいけれど、お得なメニューがウリです。5円(ご縁)玉の入ったポチ袋におみくじと、いかにも女性向けのおまけ付き。人気があるのか、最近は他店でも真似たメニューを出しているようです。

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荒木屋さんのぜんざいは、おもちがハート形。しかも小さなハートのトッピング付きと、気合が違う。味も甘すぎず、小豆の味もおいしくいただけました。器も美しく、以前に食べた他店の何も変哲のないぜんざい(上)と比べると、いろいろと工夫と心遣いをされているのがうかがえて、うれしくなりました。なおぜんざいは、単品(350円)でも頼むことが可能です。

しかし、荒木屋さんは出雲そばの有名店でもあり、超人気店。神在祭の期間中は、おそらく店の裁量のキャパシティを超えているのではと思うほどの大変な人出だったそうですが、ふだんの日も土日は行列必須だと思いますので、11時の開店前に事前に店先で名前を書いておかれることをおすすめします。

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