宍道湖の恵みの代表的な食べ方
以前NHKで放送された朝の連続ドラマ「だんだん」の影響が定着してしまったのか、島根県と聞くとまず思い浮かぶのがしじみ、という方がいまだに少なからずおられるようです。「宍道湖しじみ」としてブランド化もされている特産品のヤマトシジミは、海水と淡水が混ざり合う汽水域にしか生息しない、まさに宍道湖の恵みでもあります。
近年は漁獲高の減少によって漁獲制限をされているのが残念ですが、それでも青森県に次ぐ全国第2位の漁獲高。「宍道湖七珍」のひとつでもあり、松江のおみやげもの売り場には、相変わらずしじみ商品がたくさん売られています。
宍道湖しじみの代表的な食べ方は、何といっても「しじみ汁」でしょう。しじみ汁は、農水省の郷土料理百選の島根代表にも選ばれています。みそ汁にしたり、すまし汁にしたりするといい出汁が出ますし、実が大きくて、しかもおいしく食べられるのにびっくり。東京あたりでは、しじみは出汁を取るだけで、実はまずいという印象があるので、何ともうらやましい限りです…。
今回は、松江駅から15分ほどにあるアットホームな旅館で、仕出し屋さんも兼業している寺津屋さんに泊まり、朝食にしじみ汁をいただきました。朝の一杯、しじみの出汁が体にじわっときて、1日を元気に過ごせる気分になります。外国人にも人気の宿であるこちらは、奥様もご主人もお話し好きで、こじんまりとした居心地のいい旅館でした。
また、スズキの奉書焼きの記事でご紹介した郷土料理店「川京」さんでは、”おたすけしじみ”というオリジナルの人気メニューが。肝臓にいいともいわれるしじみの実をいただいた後に、しじみエキスたっぷりの残り汁を雑炊にして出してくださいます。松江は日本酒もおいしいので、つい飲み過ぎてしまっても安心です(笑)。