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柿の葉寿司|奈良県・吉野地方、他


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桜の名所で世界遺産でもある吉野山の名物

寿司というと、東京では新鮮なネタの江戸前寿司をつい思い浮かべてしまうのですが、寿司の発祥地であり、日本の食文化の原点もある関西では、ひとつの県にひとつは特徴的なお寿司があるほど、その奥行きも深くて豊か。奈良県と和歌山県にまたがる吉野川(和歌山に入ると紀ノ川と呼ばれる)流域を発祥とする郷土料理といわれる「柿の葉寿司」も、江戸時代に誕生した奈良・和歌山を代表するお寿司です。

米と魚は日本人の食事の基本ですが、柿の葉寿司は、さば街道こと、さばを運ぶ日本海の若狭湾から京都へ運ぶ道のりで考案された保存食「さば寿司」をもとに、江戸時代に誕生した食べ物だといわれています。現在ではさばのほか、赤色が美しいサケの2種類がポピュラー。また、魚を酢でしめることに加え、柿の葉で包むことで抗菌作用をアップさせ、さらに携帯性もよくした、まさにアイデア商品なのです。

ちなみに岐阜県の飛騨地方や長野県の木曽地方には、柿の葉の代わりに朴の葉を使った「朴葉寿司」という食べ物があります。

柿の葉寿司は、現在では、日本一の桜の名所であり、紀伊山地の霊場と参詣道として世界遺産に登録された奈良県の吉野山の名物として有名。JR吉野口駅で売られている柿の葉寿司の駅弁が全国的に知られていますし、吉野山の参道には、柿の葉寿司の名店が軒を連ねています。

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というわけで、桜の花咲き乱れる4月の吉野山へ。昨今は、毎年桜の花のシーズンになると日本国内だけでなく、海外からも大変な数の人が訪れる一大観光地となってしまったので、静かに桜の花をめでたい方は、できれば平日の、なるべく早朝に現地へ到着するのがおすすめです。

そして、目指すは、柿の葉寿司の名店と誉れ高い「ひょうたろう」さん。こちらではその場で柿の葉寿司を作っているため、昼前にはすでに売り切れになっていることも多いようで、注意が必要です。私が買いに出かけた際も、平日にもかかわらず人だかりができていて、帰りに通りかかった時にはすでに売り切れていました。

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木箱に入ったひょうたろうさんの柿の葉寿司は、しっかりと酢、塩をきかせた魚と、やさしい味わいの甘酢のすし飯が大変美味で、山々の桜の花の観ながらいただくと、さらにひときわおいしく感じます。

他にも「やっこ」さんなどの名店のほか、道端の露店で売っているおばあちゃんお手製の柿の葉寿司も捨てがたいです。シンプルだからこそ飽きない味なのでしょうね。駅弁や、奈良市内でチェーン店などで売られている大量生産の柿の葉寿司とは、ひと味もふた味も違うのは確かです。

吉野山は、他にもくずや山椒漬け、しいたけ、たけのこなども特産品として知られ、特に、吉野山でしか食べられない「生くず餅」のおいしさは格別でした。桜の花だけではない、吉野山の食の豊かさに魅了されながら、名残惜しくも山を下りたのでした。

profile 著者:青木ゆり子 Author: Yurico Aoki

e-food.jp代表、各国・郷土料理研究家、「世界の料理レシピ・ミュージアム・ライブラリー」館長。

2000年にサイト「世界の料理 総合情報サイトe-food.jp」を立ち上げ、以後、執筆、講師、レシピ開発、在日大使館や大使公邸でのシェフなどとして、食で日本と世界を相互につなぐ社会貢献をモットーに活動。
プロフィール詳細
著作:「しらべよう!世界の料理」全7巻(ポプラ社 2017)

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