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かぶら寿し|石川県・金沢


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美しく、ぜいたくな「なれずし」

かぶら寿しは、すしといっても、魚を塩と米飯で乳酸発酵させた「なれずし」の一種。金沢のお正月の定番料理で、本当は冬だけの食べ物ですが、8月の旧盆の時期、特別に「葉月のかぶら寿し」として販売しているお店もあります。今回は、明治8年創業の金沢のかぶら寿しの名店四十萬谷本舗さんで葉月のかぶら寿しを購入しました。

細切りにんじんをあしらった淡雪色のかぶら漬けに、塩漬けした淡いピンク色のぶりの切り身がはさまっている見た目の美しさ。かぶらに付いたこうじも洗わずに、そのまま食べられます。米とこうじの発酵によってやわらかい甘みと酸味があり、ふんわりしたこうじ、サクッとしたかぶらの食感もいい感じ。同じなれずしでも滋賀の鮒ずしや福井のにしんずしより味も洗練されていて、はるかに食べやすいです。

で、おいしいのでサクサク食べられてしまうのですが、もともと高価でぜいたくな上、旬も短いとのことで、お茶うけやお酒の肴としてひと口大くらいに切って、少しずつ味わうのがよさそうですね。

かぶら寿しは、石川県のほか富山など北陸各地でもポピュラーで、もともとは武士階級など裕福な家柄の食べ物だったそうですが、かぶらの代わりに大根を使った庶民向けの「大根寿し」というのもあります。昔は各家庭で主婦が作っていたとのこと。ただし、おいしく漬けるには寒暖の差や塩加減など絶妙な技が必要なようで、おそらく北陸でしかうまく漬けることができないと思います。現地に行って食べたい味といえるでしょう。


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profile 著者:青木ゆり子 Author: Yurico Aoki

e-food.jp代表、各国・郷土料理研究家、「世界の料理レシピ・ミュージアム・ライブラリー」館長。

雑誌記者、企業のWEBディレクターを経て2000年にサイト「世界の料理 総合情報サイトe-food.jp」を創設。以後、執筆、講師、レシピ開発、在日大使館や大使公邸でのシェフなどとして、食で日本と世界を相互につなぐ社会貢献を目指して活動。
プロフィール詳細

著作:「しらべよう!世界の料理」全7巻(ポプラ社 2017)
「日本の洋食 ~洋食から紐解く日本の歴史と文化」(ミネルヴァ書房 2018)

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