ひつまぶし|愛知県・名古屋

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名古屋名物のうなぎ料理

ひつまぶしという食べ物を初めて知ったのは、いつのことだったでしょう。何せ関東の多くの家庭では長いこと、うなぎ料理=うな丼やうな重の固定観念が強く、私自身も、昔読んだ長谷川町子さんの漫画「サザエさん」で、サザエさんがまむし(大阪のうな丼)をヘビのマムシと勘違いして逃げ出すギャグの意味すらわからなくて、ずっと首をかしげていたほどなのですから(笑)。

最近は東京に名古屋のひつまぶし専門店がオープンしたりして、さすがに理解度も広まったかと。東京のひつまぶし屋さんに教えていただいたひつまぶしの食し方は、おひつに盛ったごはんの上に乗せた細切りのうなぎの蒲焼きを、茶碗に移し、1杯目はごはんとうなぎを混ぜて食べ、2杯目は薬味のネギやわさび、のりをかけて食べ、3杯目はお茶漬けにして食べるというものでした(合っていますでしょうか?)。

また、関東のうなぎの蒲焼きは蒸してから焼くためやわらかいのですが、ひつまぶしのうなぎは蒸さずに直火で焼くため、皮がパリッとしていて、関東とは食感の楽しみ方が違うとか。それは一度、本場の専門店でひつまぶしを食べねばと、名古屋のひつまぶしの名店のひとつ「しら河」さんに行ってきました。

ひつまぶしの発祥は明治末期。もともとまかない料理だったとか、うなぎの皮が硬いので、おいしく食べられるように細切りにした等の説があるそうです。最初にひつまぶしを出したといわれる名古屋市熱田区「あつた蓬莱軒」というお店が、1987年にひつまぶしの登録商標を取得しているという話は驚きでした。

他店でも名称を使っているようですが、問題ないのでしょうか。というより、どう考えてもすでに名称が広まりすぎちゃっていますね。名古屋界隈のソウルフードのひとつかと思いきや、三重県などの飲食店でもメニューに見かけましたし…。

さて、ひつまぶしの盛り付けの写真の方が、滞在時間の関係でテイクアウトにしていただいたため、プラスチックの容器で見苦しくてごめんなさい(お店で出された際の配膳は別写真にあります)。濃いめのたれに皮はパリパリ、ごはんに混ぜていただくと最高でした。うなぎの皮が硬い、などという文句を聞いたことがあるけれど、ひつまぶしは皮がパリパリでないとイマイチなのではと思ってしまいます。

と、それはともかく、各地で細かい相違はあっても、世界のうなぎ料理をいろいろ食べてきた中で、日本の蒲焼きが世界一おいしいうなぎの食べ方だと断言できます(笑)。

また、うなぎの稚魚が減って値段が高騰などというニュースが聞かれる昨今ですが、個人的には、うなぎはスーパーやチェーン店で販売されて大量消費されるものではなく、うなぎ専門店で、ていねいに調理したものを少しずつ味わって食べるのが本来の姿だったのでは、という気がしています。

すばらしい日本のうなぎ食文化を、いい形で継承していけるといいですね!

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