2006年03月26日


※最新訪問日:再開発による建て替えのため、現在の店舗は2008年10月26日に閉店・休業。2010年7月ごろに改装オープンする予定とのことです。岡野シェフがまた復活してくださいますよう...。
【西麻布】春には美しい桜並木をのぞめる青山霊園からほど近い、上野精養軒と並んで、東京で最古のひとつともいわれる、1900年(明治33年)創業のフランス料理レストラン。
写真は、ランチコースの魚料理(この日はスズキ。肉料理も選べ、この日は牛肉の赤ワイン煮込み)。前菜(パテ)、パン、ポタージュ、デザート、コーヒー付きで3000円(税サ別)です。
また、別の冬の日にディナーにうかがいました。特別コースは、ブイヤベースとジビエのコジカのステーキがメイン。しっかり体の温まるお料理でした。2000~3000円台からお手ごろ価格でおいしいワインも揃っています。コースとワインで10000円ちょっとでした。
フランスの超一流レストランで長く修行され、初代の岡野菊松氏から続く4代目を引き継いで35年という岡野利男シェフが腕を振るう料理は、ボリュームたっぷりのパテや、メインのおいしいソースなど、基本をしっかりと抑えて、さりげなく手間ひまをかけた、昔ながらの正統派フレンチです。
ディナーコースはもっと高くなりますので、このお手ごろ価格のランチは、"ディナーの下見"には最適です(ディナーの料理は、さらに手間がかかっている様子)。それに、気取らない気品がうかがえる優しげな奥様と一緒の、こじんまりとして、家庭的なお店の雰囲気もステキ。


↑左写真はランチのボリュームたっぷりのパテ。フランスパンにつけていただくと、おいしい。右写真はデザートの盛り合わせ。


↑冬の特別ディナーコースのメイン、ブイヤベースと、珍しいコジカのステーキ。後者は、まさに正統派らしい、こってりしたおいしいソース。


これはイタリア料理では...?と思えるような素材が混ざっていたり、お皿に高く盛り付けてカサを多く見せようとして、美しいけれど、いじくりすぎて、せちがらくなってしまったケースも多い最近のフランス料理に慣れた目には、昔気質のまっすぐなフレンチが、何だかとても新鮮に映って、ちょっと感激しました。
メインもさることながら、前菜のみっちり具の詰まった厚切りのパテと、温かいフランスパンだけで、早くも幸せな気分になれてしまうんです(笑)。
時を重ねて料理が進化するのはいいことだけれど、まずは原点にかえって、正統派がどういうものかを知ってから、変化していった料理をいただいてみたいものですよね。その方が、食事を楽しむ幅が広がるに違いありません。
「お肉屋さんから塊の肉を買って、自分のところでさばけるシェフのいるレストランが少なくなりました」と、穏やかに語る岡野シェフ。昨今の日本の調理師学校ではそこまで教えないのだそうですが、お客としては、肉の各部位の性質を体験的に身につけていて、その最も適した調理法を熟知されたシェフの陰の実力と努力を大いに評価したいところです。
さて、こちら
(商標の関係で、土に"、"がつくのが正しい表記とのこと)は、そんな料理のクォリティもさることながら、その長い歴史のうちに訪れた顧客たちの顔ぶれに驚かされます。
明治33年に麻布新龍土町(現在の星条旗通り付近。戦後、西麻布に移転)に2階建ての瀟洒なレストランを開業して以来、柳田国男や国木田独歩、田山花袋、島崎藤村らの文学者が集った"龍土会"の活動の場だったのをはじめ、私邸が近かった陸軍大将の乃木希典(現在も、乃木坂駅近くの乃木神社に私邸が残っている)や、2.26事件の将校たち(事件の舞台もレストランから程近い場所)も、こちらのお店を愛用していたといいます。
料理の味は初代から変わっているといいますが、
は、近代日本史がそのまま体感できる、歴史好きにはたまらないレストランともいえそうです。
※
の歴史については
時代を彩った 時代を彩った 龍土軒の佛蘭西料理 龍土軒の佛蘭西料理
に詳しく掲載されています。
龍土軒 -Ryudoken
港区西麻布1-14-3
Tel. 03-3408-5839
■営業時間 Open: 11:45-14:00、18:00-21:30
■定休日 Close: 日
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AYさん、丁寧なコメントをいただきありがとうございます!
私も龍土軒は地に足ついた、いろいろな意味で贅沢なお店だと思います。決して現代風に派手やかではないけれど、いぶし銀のような魅力を放った名店ですよね。これからも応援したいです。
去年の結婚記念日に家内と一緒に行きました。
そんじょそこいらのチャラチャラした仏蘭西料理屋では決して味わえない贅沢感、料理の味は勿論の事、給仕等のサービス、店内の雰囲気に至るまで、堪能させていただきました。ちなみに一昨年の結婚記念日は銀座マキシムに行きました。決してマキシムが良くないという意味ではないのですが、このお店と比較すると高級調度品だけで彩られた無機質な店内と店員も却って安っぽく思い出されたものです。流石に歴史に裏付けられた"超一流"のレストランと"一流"のレストランの風格の違いというものを無言で感じさせてくれました。小津安二郎や永井荷風などをはじめとする歴史的文化人に愛されたのも頷けます。やっぱり100年の歴史が醸し出す重厚感なのでしょうかね?久しぶりに出会えた何度も足を運んでみたくなる店でした。
あっきんさん、再びコメントをありがとうございます。
龍土軒のプチ広告塔、ステキですね~。私も応援します!
とにかく、手間ひまかけた正統派フレンチを見直そう、ですよね。
いえいえ、勢いに乗って2件も書いてしまいました。私は取材していないので、シェフとは話したことないんですけど、素敵なんですねー。でも、奥さんがあれだけエレガントな人なので、シェフも素敵なんでしょうね。本当に本当に微力ですが、龍土軒のプチ宣伝塔になりたいです。ははは。
あっきんさん、コメントをありがとうございます(東京レストランサーチの方にも!)。
岡野シェフも、マダム、ステキですよね。こういうお店は、お客として本当に大切にしてあげたいな、なんて思ってしまいますね~。
ここは本当においしいですよね。
味はさることながら、マダムのサービスのタイミングも完璧です。全然行っていなくてもちゃんとお客の顔を覚えてくれているなんてさすがだと思います。マダムも何年経っても、たたずまいが美しいです。大好きなお店です。本当にこれからも末永くつきあっていきたいですし、ずっと残っていて欲しいお店です。最近、夏のメニューのハガキが送られてきたので、近いうちに行きたいです!!!