ラダック料理屋|ジュレー・ラダック


定期開催される1日だけの「ラダック料理屋」

日本とインドのジャンムー・カシミール州東部ラダック地方との国際協力や交流活動を目的とした、NPO法人ジュレー・ラダックさんが、各地のレストランなどを貸し切って定期開催されている、1日だけの「ラダック料理屋」に参加させていただきました。

今回の会場は、新宿区曙橋にあるチベット料理レストラン「タシデレ」さん。インドでありながらチベット民族が大多数を占め、チベット仏教のほかにイスラム教やキリスト教、シク教などの信者の人々が平和的に共存しているという、ラダックの郷土料理に興味津々で会場に向かいました。

上写真は、今回のメインディッシュである「スキュー」という、じゃがいもやにんじんなどの野菜が入った、ラダックのカレー味のすいとん。チベットとインド、パキスタンの文化が混ざったまさにハイブリッドな料理で、味は日本のカレーうどんにそっくり。とてもおいしかったです。


↑大麦粉をお湯で溶き、チーズや肉片を加えた「ンガムトゥク」というお粥とスープの中間のような、チベットらしい食べもの。


↑こちらは「グルグル茶」というバター茶の一種と、「ペマール」というツァンパ(炒った大麦粉)と塩茶、バター、砂糖を加えて固めたお菓子。食事にもなるという、こちらもいかにもチベット的な食べ物です。


↑グルグル茶は、こんな容器でかき回しながら作ります。


↑チベットでは伝統的に生野菜はほとんど食べなかったそうですが、最近は外部からの影響で食べるようになったとか。上にかかっているのは「タントゥール」という、ヨーグルトと青菜のソース。同様にヨーグルトと野菜の入ったブルガリアの「タラトゥール」を思い出しました。これと似たようなヨーグルトのソースをインド、パキスタンでは「ライタ」、トルコでは「ハイダリ」などといいますが、ヨーロッパとどこかでつながっていたらとても興味深いです。


↑こちらは「ダシール」という、チベット仏教の高僧の説法の後やお祝いの時に食べる特別な炊き込みごはん(従来はインディカ米)。砂糖とバターで味付けされ、アーモンドやカシューナッツなどのナッツとレーズンなどのドライフルーツが入っています。まさにペルシャ料理のシリンポロのチベット版ではないですか(笑)。山岳地帯のラダックですが、麺が伝えられたブータンなどと同様に、シルクロードとともに他国(ペルシャ)の文化も伝わったそうです。


↑同様な他文化からの影響で、ラダックではケバブも食べられているそうです。ここらあたりが中国側のチベットと違いますね。


↑お店はもともとチベット料理レストランなので、モニターではチベットのミュージカル映画?が流れていました。


↑店先には猊下の肖像が…。


↑そしてタルチョーと呼ばれるチベット仏教のカラフルな旗も。一目でチベット料理レストランだとわかります。

インドの秘境ラダック地方の現在

インドの秘境といわれてきたラダック地方。中国側のチベットと比べて、チベット以外のさまざまな文化の影響をけっこう受けているようなのが意外でした。

残念ながら、ラダックの中心地レーは、インドの急激な経済発展とともに外部から文化が流入しすぎてかなり俗化してしまったそうです。その他の地域は、美しい自然とともにラダックらしい独自文化を残しながら、よい形で保護され発展していってほしいものですね。

profile 著者:青木ゆり子 Author: Yurico Aoki

e-food.jp代表、各国・郷土料理研究家、「世界の料理レシピ・ミュージアム・ライブラリー」館長。

2000年にサイト「世界の料理 総合情報サイトe-food.jp」を立ち上げ、以後、執筆、講師、レシピ開発、在日大使館や大使公邸でのシェフなどとして、食で日本と世界を相互につなぐ社会貢献をモットーに活動。
プロフィール詳細
著作:「しらべよう!世界の料理」全7巻(ポプラ社 2017)

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