古代から愛されてきた料理
フムス(ひよこ豆のペースト)などとともに古代より中近東全域で愛されてきた豆のコロッケ風料理。原型の発祥地はエジプト(後述のそら豆を使ったターメイヤ)で、インド料理の影響も受けているとされますが、ここではファラフェルの名のもと、イスラエル式の作り方を紹介します。
ファラフェルは、野菜などと一緒にピタパンのサンドウィッチの具としていただくのが一般的で、今やベジタリアンやビーガンの人でも食べられる腹持ちするナチュラルフードとして再評価されています。
そら豆で同様に作るエジプト料理のターメイヤから派生したファラフェルは、地中海沿岸などで遺伝的要因とされるそら豆中毒が問題となったため、ひよこ豆で作られるようになったという説があります(詳しくは目黒のイスラエル料理レストラン「ピンク・カミラ」=現店名「マルセロズ」のリポートを)。
現在では、ファラフェルを礎にしたと思われるさまざまな豆をつぶしてコロッケのように揚げた料理が、ミャンマーから西アフリカまで広域で見られます。
ところで、イスラエルがあまりにもファラフェルを自国料理としてアピールするものだから、隣国レバノンと発祥地争いが起きていて(といっても物騒な戦いではないですけれど)、両国でギネスブックに載る世界一の大きさのファラフェルを作って競っているとか…。
また、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区におけるユダヤ人とパレスチナ人の対立を、『ロミオとジュリエット』をもとにしたミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』のパロディー風に描いた短編映画『ウエスト・バンク・ストーリー』(2005)は、彼らの愛するファラフェルやフムスが両者の歩み寄りをほのめかして幕を閉じます(作品はアカデミー短編映画賞を受賞)。
といったように、ファラフェルの起源をめぐってアラブ人とイスラエル人の間でしばしば政治的議論が展開されることもありますが、一緒に食卓を囲むことで和解への足掛かりができればと願っています。
本格派のファラフェル、家でアツアツの揚げたてをいただくのは最高ですよ!
イスラエル式ファラフェル Falafel レシピ
【材料】
・ひよこ豆 200g ※ゆでた豆ではなく、乾燥豆を使用。缶詰のゆでた豆などを使用すると崩れてしまいます。
・玉ねぎ 中1個
・にんにく 2かけ
・パセリの葉 1束分(コリアンダーの葉、または両方でもよい)包丁で細かく刻む
・カイエンペッパー 小さじ1/2
・クミン粉 小さじ1/2
・ベーキングパウダー 大さじ1/2
・塩 少々
・黒こしょう 少々
・植物油 適量
・タヒニ(白ごまペースト)適量
※パンにはさんで食べるのがおすすめ。現地ではボール型以外に、地域等によって平らやドーナツ型のファラフェルの押し型を使って成型したり、他のスパイスを足すこともあります。
イスラエル式ファラフェルの作り方手順(動画)
こちらのレシピでは、にんにく多めで、コリアンダーシード粉やひよこ豆粉も加えています。