白チーズ入りの微発酵パン
コーカサスの長寿の国として知られ、洗練されたおいしい料理がたくさんあるジョージア。アジア的な東側と、ヨーロッパ的な西側で文化に違いがあり、民族の十字路としてエキゾチックな魅力を放つ国です。
ハチャプリは、微発酵のパン生地に塩気のある白チーズなどの具を乗せたり包んだりして焼いた、ジョージアを代表する食べ物。チーズを包んだ円形のイメルリ・ハチャプリや、たまごを乗せた舟型のもの(アジャラ・ハチャプリ)など地方ごとにいろいろな種類のハチャプリがあります。
ここでは、イメルリ・ハチャプリを、現地の羊乳の白チーズ”イメルリ”に近づけるためモッツァレラとフェタチーズを混ぜて作ってみます。
微発酵の味わいが何ともいえず、個人的にも大好物です。そういえば以前、ニューヨークのブライトンビーチ(旧ソ連からの移民が多い)行きの地下鉄の中で、あちらのフードライターさんとハチャプリの話をしていたら、突然、隣の女性が「どうしてハチャプリのことを知っているの?」とうれしそうに話しかけてきて、驚いたことがありました。
ニューヨークでも一般的にはメジャーな食べ物ではないのでしょう。実は彼女はジョージア出身で、ハチャプリがジョージアで国民食のように愛されているのがうかがえたエピソードでした。
以下は、ジョージアのおばあちゃんが作るイメルリ・ハチャプリの作り方の動画。3:55くらいから作り方が登場します。ジョージアの風が伝わってくるような野外の背景もすてき。参考になさってみてください。
イメルリ・ハチャプリ Imeruli Khachapuri レシピ
【材料】
小麦粉 3カップ
ドライイースト 2パック (小さじ2程度)
牛乳 1カップ
砂糖 小さじ1/2と、大さじ1
無塩バター 100g 室温で溶かしておく
モッツァレラチーズ 100g
フェタチーズ 300g
たまご 1個
【作り方】
1.45度くらいにぬるく温めた牛乳をカップ半と砂糖小さじ1/2を入れ、ドライイーストをふりかけて10分ほど置いておく。その後残りの牛乳を加える。
2.ボウルに小麦粉を入れ、真ん中にくぼみをつける。1のドライイーストと残りの砂糖大さじ1、バターを加え木べらでよくこねる。
3.大きめのまな板の上に打ち粉をし、2を移して10分ほどさらによくこねる。タネがくっつかないように手にも小麦粉をつける。
4.3に粘り気がなくなってきたら、バターを薄く塗ったボウルに移して丸め、ぬれタオルをかぶせて1時間(冬は1時間半)ほど常温で発酵させる。
5.モッツァレラチーズとフェタチーズをチーズおろし等でおろす(フードプロセッサーを使ってもよい)。
6.5のチーズをボウルに入れ、たまごを加えて泡だて器でよく混ぜる(泡は立てない)。
7.3を再びまな板の上に乗せて空気を抜いて丸め、麺棒で直径20cmくらいになるまでのばす。中央にチーズを乗せて、ねたで包み込んでサンドした状態で、再び丸くのばす。
8.7を薄くバターを塗ったフライパンに乗せて、フライパンを動かしながら焼く。少し色づいてきたらひっくり返してもう片面も焼く。
9.8を包丁で切り分け、お皿に盛ってできあがり。
8の工程をオーブンで作ることも可能。200度で15分。