バイーア州のシーフードシチュー
ムケッカは、フェイジョアーダと並ぶ、ブラジルの定番料理のひとつでもあるシーフード・シチュー。リオデジャネイロの北部にあるエスピリトサント州とバイーア州の郷土料理として知られ、それぞれタイプが違います。
エスピリトサント州のムケッカ(ムケッカ・カピシャーバ Moqueca capixaba)は、ブラジル原住民の伝統に影響を受け、後出のデンデ油とココナツミルクを使いません。魚のだしだけです。
一方、ポルトガル統治時代に首都だったこともあるサルヴァドールを擁し、アフリカからの奴隷の上陸地だったバイーア州のムケッカ(ムケッカ・バイアーナ Moqueca Baiana)は、アフリカの影響を受けていて、西アフリカ由来の真っ赤なデンデ油(やし油=パームオイル)、ココナツミルクを使います。
具にはどちらも、エビまたはカニ、タラなどのシーフードと、トマトなどの野菜を入れます。ごはんと一緒に食べるので、日本人にはなじみやすいかも。
各地のムケッカを描くブラジルの切手(2000)。
ここでは、バイーア州のムケッカのレシピを紹介します。
油は、本来デンデ油を使うのですが、近年、デンデ油には、血中のコレステロール値を上げ脂肪組織にたまりやすいといわれる飽和脂肪酸や、トランス型脂肪酸が含まれていることがわかり、現地でも健康を気遣う人はヘルシーなオリーブオイルを使うことが多いよう。こちらのレシピでも、オリーブオイルを使いました。
また、オリーブオイルを使うときは、ムケッカ特有の赤っぽいオレンジ色のシチューにするために、デンデ油の赤色を補って、南米原産の天然の赤い着色料であるアチョーテの実の粉(日本のペルー・ブラジル食材店でも売られています。辛くありません)を使用。なければパプリカ粉で代用してください。
デンデ油は、過酷な暑さの中で労働する人たちの活力の補給に欠かせない、彼らの故郷の味。風味にクセがありますが、アフリカらしさを今も受け継ぐバイーア料理を体験するために、機会があればデンデ油バージョンも試してみてくださいね。
ムケッカ Moqueca レシピ
【材料】4人分
・エビ 400g カニ、タラ、かじきまぐろでもよい。2種類以上一緒に使ってもよい。
・トマト 1個 みじん切り
・ココナッツミルク 250ml
・ライム 1個 ジュースを絞る(大さじ2)
・たまねぎ 半個 みじん切り
・にんにく 1かけ みじん切り
・青ねぎ 1本 万能ねぎがよい。輪切り
・パプリカ 1/4個 赤色と黄色を1/4個ずつ。みじん切り
・とうがらし粉 ひとつまみ
・アチョーテの実の粉 小さじ1 赤い着色に。パプリカ粉でもよい。
・オリーブオイル 適量
・塩 少々
・ごはん 適量 ブラジルではたまねぎ、にんにくと一緒に炒めたごはんを添える
【作り方】
ムケッカの作り方手順(動画)
ブラジルのシェフによるバイーア・スタイルのムケッカのレシピです。