ペルー国旗 ペルーの料理

ペルー共和国 Republic of Peru | 南アメリカ  →この国の料理のレシピ・リンク集世界料理マップについて


パパ・ア・ラ・ウアンカイナ
パパ・ア・ラ・ワンカイナ

じゃがいも、とうがらし、トマト...。アンデスの恵み豊かな食材

南アメリカの太平洋側に位置し、インカ以前から、16世紀までインカ帝国が栄えていたペルー。ペルーのアンデス山脈は、現在、世界中で日常に食べられている主たる作物の原産地です。たとえばじゃがいもやトマト、とうがらし、とうもろこし、ピーナッツ...。16世紀以降、征服者となったスペイン人がこれらの作物をヨーロッパに持ち帰らなかったら、トマトのないのイタリア料理、とうがらしのないインド料理といった具合に、世界の食文化は今とはずいぶん違ったものになっていたかもしれません。
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ペルー
ペルー

ペルー地図「地元の食材を使ったスペイン式の調理法。そこにインディオのスタイルが少しずつ混ざり合った料理」。ペルー料理を大まかに説明すると、こんな風にいえそうです。

近年では、アンデスの恵みである豊かで健康的な食材(たとえばじゃがいもだけでも非常に多くの種類がある)を使い、さまざまな大陸の食文化がミックスした独自性が注目され、ヌエボ・ラティーノ(洗練された新ラテンアメリカ料理)・ムーブメントの一環の旗手ともなりました。2004年1月にはイギリスの雑誌「エコノミスト」が、「ペルー料理は、世界有数の偉大な料理のひとつとなった」とコメントしたほどです。

では、そんなペルーの料理について、ざっと見ていきましょう。

 

沿岸部の料理

ペルーの国土は、乾燥した沿岸部のコスタ、アンデス山脈が連なる高地シエラ、アマゾン川流域の熱帯雨林セルバと、おおまかに3つの地形に分けられ、食文化もそれぞれに違います。

土着のインディオとヨーロッパ(特にスペインとバスク)、アフリカ、それに中国などアジア移民の文化が混ざった豊かなクレオール料理が発達しているのは、首都リマのある沿岸部。ペルーで誕生し、現在ではラテンアメリカ全域に広まっている前菜のセビッチェ(魚介のマリネ)、また中国移民の食文化の影響を受けたと思われるロモ・サルタード(揚げたじゃがいもと牛肉、トマト、たまねぎの醤油炒め)などが代表的な料理です。

ほかに、沿岸地域には2000種類以上ものスープ(たとえば、エビのスープのチュッペ・デ・カマロネス)、250以上もの伝統的なデザート(たとえば、とうもろこしやかぼちゃの粉を使った揚げドーナツのピカロン)があるともいわれています。

 

アンデス高地の料理

一方、アンデスの高地はその険しい地形から、スペイン人があまり進入してこなかったため、インカ以来、スペインの影響をほとんど受けないインディオの料理が今も受け継がれています。

ケチュア語という独自の言葉を話す彼らの主食はじゃがいも。これに、ペルー料理に欠かせないアヒと呼ばれるとうがらし(たくさんの種類があるが、一般的なのは、あまり辛くない黄色味の強いアヒ。また鮮やかな色合いが飾りとしても用いられる)を使った料理がよく食されています。パパ・ア・ラ・ワンカイナという、アンデス産の黄色いじゃがいも(最近は日本でも"インカのめざめ"という名称で市場に出回っている)に、アヒとチーズを混ぜたクリームをかけ、ゆで卵、オリーブをちりばめた料理、バナナの皮で肉や卵などの具を包んで蒸したタマーレス(メキシコにも同様の料理があるが、ペルーの方が手がこんでいる)などがポピュラーです。

また、チキンや、牛肉の内臓の炭火焼きも。特に、ハツ(牛の心臓)を2~3cmに切り、スパイス入りの酢にひと晩漬け込んで、とうがらしのソースをつけながら焼いたアンティクーチョスは、コリコリとした食感がペルー全土や、隣国ボリビアで大人気。ほかに、ラチ(牛ハチノス)やパンシータ(牛の腸)のグリルもよく食べられています。

クイと呼ばれるテンジクネズミ(モルモット)の料理もあります。そのままさばいてニンニクと油を塗って炭火焼きにしたり、煮込んで食べたりします。

 

熱帯雨林の料理と、地方の郷土料理

最後に、アマゾンの熱帯雨林。この地域の料理は、土地の動物を調理した素朴なもの。世界最大の淡水魚といわれるパイチェと、亀(現在は政府によって捕獲を禁止されている)が主な食材です。

それ以外に、もっと狭い地域の地方料理も豊富。たとえば、最北端のエクアドルとの国境付近ではバナナを使った料理がポピュラーで、フライやスフレなどさまざまなバナナ料理が食べられています。また、南部のアレキッパという町は非常に辛い料理で有名です。

 

見直されるペルー古来の植物

近年ペルーでは、必須アミノ酸に優れた穀物のキヌアや、アマランサスの粉(Kiwicha)、マカ、キウイの40倍のビタミンCを含むという果物カムカムといった、スペイン支配時代には忘れられていた古来の植物の優れた栄養価値が見直され、研究されてきました。これらの植物の持つ効能は、日本を含め世界的に注目されているほか、ペルーでは食材としても活用されています。

 

ペルーの飲み物

ペルーの代表的な飲み物には、ぶどうを蒸留して作ったアルコール度の高いピスコ(飲み方は、卵白とレモン果汁を混ぜたカクテル、ピスコサワーがポピュラー)、ワイン、紫とうもろこしのジュースのチチャモラーダ(ポリフェノールがワインよりも多く、血栓を防ぐ効果があるといわれている)、リマの建設400年を記念して1935年に誕生したインカコーラなどがあります。

ロモ・サルタード チチャモラーダ
中国料理の影響を受けた「ロモ・サルタード」 紫とうもろこしのジュース「チチャモラーダ」


■参考文献
タイムライム 世界の料理「ラテン・アメリカ料理」、Cultural Profiles Project


profile 著者:青木ゆり子 Author: Yurico Aoki

e-food.jp代表、各国・郷土料理研究家、世界の料理レシピ・ミュージアム館長。
2000年にサイト「世界の料理 総合情報サイトe-food.jp」を立ち上げ、以後、執筆、料理講師、レシピ開発のほか、在日大使館や大使公邸などでのシェフとしても活動。
プロフィール詳細
著作:「しらべよう!世界の料理」全7巻(ポプラ社 2017)

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ペルー
面積128万5,216k㎡
人口約2,500万人
首都リマ Lima
住民先住民、先住民と白人の混血、白人、東洋系(中、日など)
言語スペイン語、ケチュア語およびアイマラ語も認可
宗教カトリックが大多数
建国1821年7月28日 (スペインより独立)




■この国の料理&文化がわかる本

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