ポルトガルの影響を受けた国
オリンピックの開会式入場順に、毎週、国旗と郷土料理からその国の魅力を知っていく「木曜は国旗弁当の日」!、今週はアフリカ南部の国、アンゴラの国旗弁当です。
大航海時代の1490年から、1975年までなんと500年近くもポルトガル領だったアンゴラは、内戦を経た後は、石油なダイヤモンドなど豊富な資源で、同じくポルトガル領だった南米ブラジルと同様に、近年、経済的に近年急成長を遂げている国。その代わり、首都ルアンダの物価の高さも世界屈指だそうですが…。
ポルトガルの影響を強く受け、公用語がポルトガル語でカトリック信者も多いため、今や旧宗主国のポルトガルから出稼ぎに来る人も多いようです。
アンゴラの食文化も、アフリカ・ローカルのバンツー系の人々に加えて、かつてポルトガル人によるブラジルへの奴隷の供給地だったこともあって、ポルトガルやブラジルに影響されています。
地方色のある少数民族の宝庫
しかし、アンゴラは広い国土に多くの少数民族が暮らし、さまざまな地方色も。2015年に行われた食をテーマにしたミラノ万博を取材した際、アンゴラ館の立派さがひときわ目立っていたのですが、内部の展示物もかなり充実していて、特に地方ごとに分かれた郷土料理の紹介にまで及んでいたことには驚かされました。
またアンゴラ産のワインが売られていたりするなどポルトガルの影響も垣間見られ、とても興味深かったです。
以下は、ミラノ万博のアンゴラ館に展示されていた、アンゴラの地方郷土料理の紹介図です。
↑首都ルアンダのあるアンゴラ中央部の料理。名物料理は魚とマニオク(キャッサバ)、プランテーン(青バナナ)のスープ「ムゾンゲ」など。
↑アンゴラ南部料理。甲イカとマニオク、パームオイルを使ったシチュー「甲イカのキベバ」など。
↑アンゴラ北部料理。「青菜入りマニオクのフンジ(グリッツ)」など。
↑アンゴラ東部料理。食用幼虫の料理「カタートス」など。
アフリカ→ブラジルの奴隷貿易から誕生した「フェイジョアーダ」
ただアンゴラの地方料理はかなりマニアックですので(笑)、お弁当では、日本でも手に入る食材を使ったおかずをチョイス。
ポルトガル人による南米との唐辛子貿易の中で誕生した、ポルトガルや、モザンビークをはじめ他の旧ポルトガル領のアフリカ諸国などでポピュラーな”ピリピリソース”を使って焼いた「フランゴ・ピリピリ」(ピリピリチキン)と、今やブラジル料理として有名な、黒豆と肉の煮込み料理「フェイジョアーダ」を使ってみました。
フェイジョアーダは、ポルトガル人によるアフリカ→ブラジルの奴隷貿易から生まれた料理だったのです。
国旗の部分は、黒は黒米、赤はトマトソースを使いました。
ところで手元に、日本のアンゴラ大使館からいただいた、アンゴラを紹介する日本語による立派な書籍があります。日本人でアンゴラのことを知っている人はまだまだ少ないですし、投資誘致のPRもあると思いますが、自国を知ってほしいと願う大使館の方々の熱意に感激しました。
アフリカとヨーロッパ、そして南米の文化がミックスした遠いアフリカ南西部のアンゴラに、まずはぜひ料理で想いをはせてみてください。