アラブ、ベルベルの文化が織りなす国
オリンピックの開会式入場順に、毎週、国旗と郷土料理からその国の魅力を知っていく「木曜は国旗弁当の日」!、今週は北アフリカの国アルジェリアの国旗弁当です。
世界遺産にもなっている首都アルジェの旧市街「カスバ」で知られるアルジェリアは、国民のほとんどがイスラム教徒のアラブ人と、ベルベル人。新石器時代から人が住み始め、地中海沿岸部を中心にローマ帝国、ビザンチン帝国、オスマン帝国、そしてフランスなどの支配下にあり、1962年に独立した国です。
今でもフランスとの結びつきは強く、フランスに移住したアルジェリア人も少なくありません。サッカーのジネディーヌ・ジダン元選手などが有名ですね。
先住民のベルベル人は独自の文化と言語を持ち、アルジェリアをはじめ北アフリカのマグレブ地方らしい特色の一端を担っています。ジダン選手も、フランス系アルジェリア人の女優の沢尻エリカさんのお母様も、ベルベル人の血を引いているとか…。
ベルベル人の見た目は肌の白さが特徴的で、多数派のアラブ人に飲み込まれずに北アフリカで独自文化を守り抜いてきたのは、その勝気な性質による、などともいわれています。まぁ、その血を引くという上記お二人を見ているだけで、何となく納得してしまいますが(笑)。ヨーロッパでは「バルバロイ(バーバリアン=野蛮人)」に由来するという、ひどい言われ方もしていました。
主食は、ベルベル人由来の食べ物クスクス
お弁当でも、そんなベルベルやアラブ、遊牧民のベドウィンの文化が織りなすアルジェリアらしさを取り入れてみました。
国旗部分の白い部分はセモリナ粉の粒「クスクス」。フランスでもポピュラーになり、日本でも知られるクスクスは、もともとベルベル人の食べ物だったといわれています。
国旗のモチーフは、パリで出会った、クスクスとそら豆と一緒に炊き込んだベルベル人カビル族の郷土料理「アメクフォウル・サスジルヴェンテ」をアレンジしてみました。主食にどうぞ。中央は赤パプリカで作ったイスラムの象徴・三日月です。
おかずには、アラブなど中東諸国でもポピュラーな、ズッキーニやなす、トマトなど野菜たっぷりのたまご料理「チャクチューカ」(中東ではシャクシューカとも)、砂漠の民ベドウィンの料理がもとになったといわれる、羊や牛肉のスパイシーなソーセージ「メルゲーズ」、そして地中海らしいオリーブの実を。
添え物のひよこ豆やトマトソースは、クスクスに混ぜて食べてみてくださいね。
ご参考までに、野菜と豆だけを使ったアルジェリアのクスクスのレシピをリンクしておきます。アルジェリアの料理は、栄養のバランスがよく、野菜もたっぷりでヘルシーなのがわかっていただけると思います。