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ハイサイ、オキナワ!
沖縄料理を習う旅

「沖縄は海はきれいだけど、料理はイマイチだったねえ」と、さる沖縄旅行帰りの御仁。
そんなことはないよーと常々思っていました。
だって、東京の沖縄レストランで食べる料理はおいしいよ。
そりゃあ、現地で団体ツアーの使うレストランだったら、手抜きをしているところもあるでしょうよ...。

で、ほとんどそれを確かめるのを目的に、那覇に行ってみることにしました。
私にとって初めての沖縄で、リゾートなどには見向きもせず(^^;)
料理を習うことに明け暮れたのでした。(11/3/2001)

※情報が古くなっている場合があります。

●東南アジアの雰囲気漂う 那覇の公設市場●

那覇市の第一牧志公設市場は、沖縄の豊かな食文化をもっとも感じさせてくれる場所かもしれません。下に紹介するKITCHEN CHIEKOのレッスンで使用する食材を求め、Chieko先生の案内でまずその市場に向かいました。市場に入って、まずくすぐられるのが嗅覚です。香辛料か、香り野菜か、はたまたいろいろな食材の混ざったものか...。タイや香港など東南アジアの市場に来たような、そんな匂いを感じました。

次に飛びこんでくるのが視覚。八百屋、魚屋、肉屋、どこをとっても本土のものと売り物が違います。紫色のいも、マリンブルーの魚、そして豚の顔の皮!南国的な珍しい食材がいろいろと並んでいて、いつまでいても飽きません。そして締めは聴覚。あのにぎやかさはアジアの活気そのものです。

ところでこの市場の2階には、魚など買った食材を調理してくれる食堂があるそうです(もともと市場に出入りする地元の人のための食堂だったものが、今では観光客も多いそう。それで調理代も上がってしまったとか)。

というわけで、実はここは有名な観光コースになっていたりするのですが、さすがに売り場は地元民が相手で、値を釣りあげたりはしていません。ローカルな雰囲気を大いに楽しめる場所です。

ちなみに、横浜・鶴見区の沖縄県人街の市場でも、ちょっとだけ現地のような雰囲気を味わえます。

第一牧志公設市場 豚 肉屋
観光スポットでもある第一牧志公設市場。東南アジアチックな匂いにクラクラ...。 沖縄料理に欠かせない豚肉。部位ごとに並ぶ。脚、中身(内臓)、そして顔まで食べちゃう! 三枚肉やロース肉がずらりと並ぶ肉屋さん。ちまちま売らず、どーんと塊で。
熱帯魚 南国野菜 紅いも
熱帯魚よろしく、色鮮やかな魚たち。沖縄の県魚であるグルクンも。 野菜売り場もトロピカル。青パパイヤ、ゴーヤーなど沖縄ならではの食材も。 紅いも(ウベ=フィリピンなどでも同じ名称)は、お菓子にも使われる食材。原形はこんな感じ。

●沖縄料理を習う●

インターネットはすばらしい。見知らぬ土地に料理の先生を見つけることができ、空港に到着したその足ですぐに習いに行くことすら可能にしてしまうのだから。

今回の旅行の計画を立てるとき、ぜひとも現地で沖縄料理を習ってみたいと思っていました。そこで、インターネットのサーチエンジンで、旅行者でも参加できる料理教室があるかどうか探してみたのです。で、1件だけヒットしました。連絡を取ってみると、すぐに快いお返事がいただけました。私はすぐにでも沖縄に飛び立ちたくなったのでした。

先生のChiekoさんは、パッチワークやお茶なども教えていらっしゃる方。何ともラッキーというかぜいたくというか、この日はほぼ半日つきっきりで個人レッスンを受けさせていただいたのでした。習った料理は上の写真にある通りです。レシピもちゃんと用意していただいたので、メモを取ったり、デジカメで写真を撮ったりする余裕もありました。

私の持論のひとつに「現地の料理はその土地の先生から習う」というのがあります。料理そのものはレシピがあればどこでも作ることができる。でも、市場に食材を買いに行ったり、料理の背景を知るのは実地が一番だと思うからです(これは私が単なる料理好きだからではなく、文化とかそういったものにも興味があるせいかもしれません)。

今回もその持論が間違っていないことを確信しました。料理の手順といったことのほかに、沖縄に住む人ならではのサイドトークがどれだけ興味深かったことか。豊富な青野菜や、しっかりと脂を抜いた豚肉の調理法などに長寿の秘密を見た思いも。インターネットという文明の利器と、よき先生に出会えたことを心から感謝したのでした。

KITCHEN CHIEKO 豚肉 にんじんシリシリー
Chieko先生いわく「キッチンを中心に建てた家」。まだ新築。とても美しく、年中パーティーが開けそうな素敵な空間。 この肉で「ミヌダル(豚肉の黒ゴマ挟み蒸し)」を作る。多少脂身のあるBロースの方が、見栄えは悪いけれどおいしいとか。 「にんじんシリシリー」って料理を知っていますか?沖縄ではポピュラーだけど、なぜか巷の沖縄料理本には紹介されていない一品。
ゴーヤーチャンプル 作った料理 CHIEKO先生
ゴーヤーチャンプルの島豆腐(固くて、少し塩味)とゴーヤーを炒めているところ。各家庭でバリエーションがあるけれど、Chieko先生は余計な具を入れない主義。その方がおいしいかも、と思った。 作った料理。左上から、にんじんシリシリー、ゴーヤーチャンプルー、スーネー(にが菜の和え物)、豚肉の塩漬、ミミガーの和え物、ミヌダル、アーサ汁の7品。ヘルシーで食欲をそそる品々。 陽気でやさしいChieko先生。とっても楽しくお料理を習うことができました。沖縄料理は「豚肉の脂をとことん抜く」「甘味が勝たないようにする」などがコツだそうです。

●「うりずん」●

「うりずん」とは、若夏の前の頃。さわやかな、沖縄にしかない季節のこと。このお店は、沖縄全土にあるすべての酒造所の泡盛が飲めることで有名です。店内には、埃をかぶった年代物の泡盛の古酒(クース)が所狭しと並べられていました。まさに圧巻です。

しかし、お店の魅力はそれだけでは語れません。おいしい沖縄の家庭料理、ぬくもりの感じられる土壁の内装、そして何といっても店主の土屋さんの温かい人柄。沖縄三味線をかかえた常連さんがふらっと現れて、ほかのお客のリクエストに答えたりするのですが、そんな方がさりげなく大学の先生だったりします。お客には時にプロ野球選手や作家、女優さんなども。しかし、「イチャリバチョーデー(出会えば兄弟)」の言葉の通り、職業や世代を越えて、土屋さんを囲んで集まった人たちがみんな仲良くなれ、助け合える。そんな雰囲気がお店の魅力をより高めているのですね。

お店のファンは数知れず。北は北海道から、東京、大阪、そして本拠地・那覇などに「うりずんの会」が結成されているそうです。沖縄が本土復帰した1972年に創業を開始し、2002年には30周年を迎えるとのこと。那覇に行くときはまたぜひ立ち寄りたいと思っています。

うりずんのご主人と ドゥル天 豆腐よう
「うりずん」のご主人の土屋さんと。土屋さんを慕って全国に「うりずんファンの会」があるそうだ。 「うりずん」名物の「ドゥル天」。田芋で作ったドゥルワカシーを揚げたオリジナル料理。おいしい。 泡盛によく合うおつまみ「豆腐よう」。東洋のチーズといわれるだけあって、後を引く味。
グルクンのフライ ラフティ 宴会
グルクンのフライ。酸味づけがレモンではなく、シークヮーサー(右上)なのは、さすが沖縄。 ラフティ(豚の三枚肉の泡盛煮)。肉がやわらかく、甘味噌味がとてもおいしい。 時は忘年会シーズン。2階の宴会場は三味線の「ハイサイおじさん」で大いに盛りあがっていた。

首里城 沖縄サミットのメニュー 瑞泉の泡盛
大戦での破壊から再建された首里城。外壁などの遺跡は世界遺産に登録された。今でも地元で「首里の人」といえば、琉球王朝の王族や士族の末裔を指すようだ。 先の沖縄サミットでは首里城内で晩餐会も行われた。写真はそのメニュー。伝統的な沖縄の食材を西洋式に調理した料理が目立った。 首里の泡盛といえば「瑞泉」。王朝からの歴史を誇る瑞泉酒造所の泡盛しか泡盛と認めない人もいるとか。ここでは工場見学や試飲もできる(上の写真はクース(古酒)をねかせている甕)。

 

●そのほか、沖縄料理のこと●

と、こんな具合で2泊3日の滞在が過ぎていきました。当然ながら、料理についてもほんのさわりを聞きかじったくらいで終ってしまったわけです。アメリカ占領時代に入ってきた料理や、「タコライス」など南米からの帰国者が伝えた新しい料理にはノータッチでした。

何でも、「琉球料理」と「沖縄料理」ではニュアンスが違うそうな。前者が伝統的な土地の料理なのに対して、後者は「タコライス」や「ポーク玉子」など異文化が混じってできた料理を含めての名称なのだそうです。なかなか奥が深いですね。

それにしても一番感激したのは、料理にしろ泡盛にしろ、沖縄の人たちが自分たちの(食)文化を大切にしていることでした。これって、何でも文化がアメリカナイズというか、均質化しがちな世界的な傾向の中で、とても誇れることではないでしょうか。

まあともかく、私の結論は、「沖縄の(家庭)料理はやっぱり、健康的でおいしかった!」でした。これからも沖縄に通って沖縄の料理のことをもっと知りたい!そんな気持ちで那覇空港を後にしたのでした。

By ゆ


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