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日本国旗 ユリキータの日本料理食べ歩き

四国(香川&愛媛)食べ歩き旅行記


香川でさぬきうどんの食べ歩きすることを主な目的にに、
広島から松山までドライブして巡りました旅行をしてきました。(10/24/2000)
(※情報が古くなっている場合があります)

★ルート=広島-(しまなみ海道)-琴平-内子-宇和島-松山
四国の印象
4つの国が集まって四国。もちろん今では県になっているわけだけれど、県境越えがまるで国境越えのようで、なかなかドラマチックでした。

県境を越えると、雰囲気がガラリと変わるのです。ローカル色豊かというか、何だか今でも讃岐の国、伊予の国といった昔の国だった時代の名残が、今も残っているように感じました。

それぞれの県民性もけっこう違うようです。内海である瀬戸内海側の香川や愛媛はほんわか、おだやかな性質の人が多い。ところが、台風銀座で知られる室戸岬のある高知などは、「極道の妻たち」の世界。ぐっと荒っぽい人が多くなるのだそうです(と愛媛の人がいっていた)。天候が人格に与える影響の見本みたいだなあなんて思いました。

↑佐多岬

忘れえぬ「さぬきうどん

関西出身の人がよくいうこと、それは、「東京のうどんなんか食べられへん」。根っから関東育ちの私には、意味がよくわかりませんでした。うどんというと、子供時代の体験から、どうも給食のソフトめんを思い出してしまう。「空腹をしのぐための、白くてふにゃふにゃした炭水化物の細切り」。何となくそんなイメージがつきまとっていました。そして塩辛いしょうゆ味のつゆ。別においしいとも思えず、うどんの食べ歩きなんてめっそうもない、って感じだったんです。

今度の四国の旅は、大げさにいえば、うどんへの認識が180度変わったといっていいものでした。そう、香川のさぬきうどんが、私の暗いうどん体験を癒してくれたのです(笑)。うどんってこんなにコシのあるものだったんだ!、しょうゆと、すだちと、大根おろしだけでこんなにおいしく食べられるとは...。毎回、食べるたびに驚きの連続で、結局、2日間で6軒のうどん屋さんをはしごしました。

しかし、香川の人のうどんに対する思い入れはスゴイ。各自がごひいきのうどん屋を持っているのはわかるとしても、どんな山の中でも、道を歩けばうどん屋に当たるほどです。そしてお昼時になると、人気のうどん屋の前にはどこからともなく車がじゃんじゃん集まってくる...。コンビニの数よりもうどん屋の方が多いくらいでした。

本当かどうか、聞くところによると、東京あたりなら職探しにまずタクシーの運転手なんかを考えるところが、香川の人はうどん屋を開こうと発想するそうです。これはもう、讃岐の国のエスニック、ソウルフードですね。観光客向けの、「うどん屋八十八ヶ所お遍路マップ」なんていうのも配布されていました。


【山下】(琴平町付近)
有名店。東京あたりだとうどん屋の実演パフォーマンスという感じがする手打ちの姿も、こちらではパフォーマンスなんかじゃない何でもない風景。打ったうどんはすぐに釜でゆでて、お客に出す。旨いわけだ。午前中がとりわけ旨い。

左上に注目。生しょうがとおろしがねが当たり前のように各テーブルに置かれている。ねぎ、ごま、徳利に入ったつゆも使い放題。つゆには温と冷がある。

シンプル・イズ・ベスト。このヘブンリーな旨さを何と形容しよう?とにかく、うどんへの認識が変わることは請け合い!
↑ぶっかけうどん大300円、小250円(温、冷あり、両方食べられる)、釜上げ大300円、小250円、冷やし大300円、小250円、きつね大350円、小250円。お客が次から次へときて活気のある店。おみやげ用も売っている。

【川蝉(かわせみ)】(琴平町)
麺通団の本「恐るべきさぬきうどん」にも、さとなおさんのさぬきうどん屋リストにも載っていない(あまりに強烈なので、却下された?(笑)うどん屋。

衝撃的なのは値段。上の値段表は20年前のものではない。ほとんど200円。天ぷらうどんだけが600円なのは、特上のエビを使っているからだそう。そして驚くべきことに、この日のお客はたったの4人だったそうだ(^^;)。

お客が入らないのは、こきたない(失礼)店構えのせいかも。

でも、「こんぴらに日本一おいしいうどんやがあり」という旗を出したりしてがんばっている。

これは、まんざら自己満足でもない。このきつねうどんは、利尻昆布でだしをとったこだわりの一品。めんにもコシがあって超旨い。そして値段は200円!12年前は300円だったが、値下げしたのだそうだ(^^;)。

店のおやじさん。なぜ値下げしたの?と聞いたら、「瀬戸大橋ができて、みんな金儲けに走っているから、反発して」だって。

この日は、世間で盛りあがるテレビのオリンピック開会式を尻目に、1人、プロ野球に熱中して、巨人の相手チームを応援していた!田舎では変人扱いされるかもしれないけれど、がんばってね。
そのほか四国(+広島)で食べたもの、行ったところのメモ

広島のお好み焼き(広島空港内)
飛行機から降りてすぐに駈けつけた。閉店ぎりぎりで間に合ってうれしかった!牡蠣入りお好み焼き1300円、ミックス1300円。マヨネーズつき。甘いソース。天かす入り。空港内なのに、とてもおいしい。

長田うどん(香川県)
釜揚げうどん小250円(2人でシェアすると100円プラス)大400円。塩味のしこしこめんをたれにつけて食べる。おろしがねつきのしょうが、ねぎ~わけぎ(どこの店でもあった)、ごま(ごますり器。関東にはない便利品!)。薬味も新鮮。

小懸家(しょうゆうどんの元祖)
大根1本とおろしがねをいきなり渡される。しょうゆだけをかけたしょうゆうどん(小400円 大600円)、ねぎ、しょうが(おろしてあった)、すだちで食べる。テーブルが油っぽかったが、おいしい。

むさし(琴平 手打ちうどん)
琴平リバーサイドホテルのフロントのお姉さんのおすすめ店。かやくうどん280円(小)。電話0877-75-0520 スーパーの隣にある、地元の買い物客向けの店。つけめんのつゆはやや濃いめ。麺はおいしいけど、あとに行ったうどん屋(山下)に印象を消された。なおこのお姉さんは川蝉(先のうどん屋)を嫌っているようだった。狭い田舎町の摩擦を感じる。生しょうゆ250円、ゆだめ330円、釜上げ350円、きつね380円(税別)。

灸まんうどん
道なりにあるちょっとドライブインのようなうどん屋。もちろん手打ち(その場で打っている)。セルフサービス制。しょうゆうどん(冷・温あり)小350円、大450円、釜上げうどん小250円、大350円。しょうゆが濃くて辛口。野菜天、えび天のトッピングあり。おでん(牛すじ)80円。うどんのこしがある。打ちたてはやはりうまい。ちなみに「灸まん」とは、お灸の形をした「銘菓ひよこ」のようなお菓子で、琴平あたりでおびただしい数の看板を見かける。その系列のうどん屋か?

ホテル
広島エアポートホテル

ツイン15000円(朝食バイキング付き。税サ込み)キャンペーン価格
きれいで高級っぽい広いホテル。バイキングもグー。背後はきれいに整備された庭。目の前は滑走路。空港ビューがおもしろい。けっこう混んでいるらしい。

琴平リバーサイド・ホテル
ツイン12000円(税サ別) ホテル自体はつつましやかなものだが、150円(入湯税)で系列の高級旅館の温泉(2軒ある)に入れる。これがとてもゴージャスでグー。コストパフォーマンスの高いいい選択だったと思う。灰シャンプー、塩アロエマッサージなどもついている。露天風呂にバラの花が浮かんでいる。新しくて気持ちがいい。マッサージマシンも無料。150円で2軒はしごできる。

レンタカー代 34000円くらい(3日間。全部込み)
トヨタレンタカー。車種は小型のデュエット。2人なら十分。

平山郁夫美術館
とても立派。入場料700円の価値はある。

金平座
日本で一番古い芝居小屋。江戸時代から。入場料300円で奈落まですみずみと見学でき、中では20分くらいのビデオ(NHK特集)も流されている。威厳のあるとてもいい雰囲気。手作りの舞台が楽しめそう。舞台と客席の距離がとても近いので驚いてしまう。

金比羅参り
早朝に登るのがすいていていい。ふもとにはつえがあちこちに用意されているが、必要なかった。おみやげもの屋がうちわを貸してくれるが、あとでよってけという。注意。黄色いお守り800円。

内子座
内子座は金平座に比べたら作りはだいぶしっかりしているが、ちょっと小さい。裕福だった田舎町のいい感じの芝居小屋という感じ。300円。ビデオ説明はなし。はっぴをきて記念撮影ができる。内子の町は上品で静かでいい感じ。床屋さん、あんま屋さんなどと古風な看板を掲げた店が現役で営業している。

宇和島
コーラルホテル

駅前のタクシーのおじさんの紹介で、海が見える手頃なホテルということで泊まってみた。前払いでカード支払い可能。朝食バイキング600円、宿泊代11500円(ツイン)とお手頃。7Fにお風呂がある。海側はすべてシングルルームというのはちょっと変。もともとはクアホテルが宿泊候補のひとつだった(よさげだったが、海から遠いので却下)。

コーラルホテルのバイキング
宿泊費プラス600円で、ごはん、パン、煮物、果物、たまごなどがあり、お得。

かどや(宇和島郷土料理店)
駅近くの本店に行った。鯛めし1700円、さつま汁セットが3800円。ごま豆腐400円、冷や酒(姫鶴)700円、ビール(ミニ)270円。さつま汁セットは刺身、フカ湯ざらし、じゃこ天ぷら、福めし、ごはん、お吸い物つき。さつま汁は白みそ、魚のほぐしたもの、入り。ちょっと酒かすのような、甘い味がする。魚がおいしかったが、あとは後に残る味というわけではなかった。

cocolo
甘味喫茶(内子)。クリーム白玉あんみつ600円。さくら湯(?)塩入がついていた。昔の商家を改造したようなぜいたくでクラシックな作り。内子の商人の家(薬屋)、蝋燭屋の博物館などが近くにあった。

琴平ー内子 車で高速で1時間半強。
内子ー宇和島 1時間くらい。

宇和島の真珠

淡水パールが手頃な値段で売っている。ペンダントヘッド4400円、ネックレス1800円(井上真珠店)。ピアス2000円。宇和島の人はあまり観光ずれしていなくて親切。

佐多岬
三崎漁師物語り(佐多物産センター)
うに丼(お新香つき)1800円、伊勢エビサラダ750円、すし 伊勢エビ350円。あなご90円、あじ、ぶり110円。細長い半島の海岸線を下って行く道程は、ちょっとバハカリフォルニアの旅を思い出した。それはいいとして、魚介類はさすがにおいしー。

松山
美登里

観光タクシー運転手のおすすめ店。定食2000円。かれいの揚げ物380円。いけす料理。安くて美味しい。

六時屋タルト(本店)
愛媛にはタルト(といっても、ロールケーキのようなもの)がいろいろ。香川から県境を越したら、うどん屋の代わりにタルト屋が目に付くようになった。ゆず味の一六タルト、栗入りのハタダ・タルトなどいろいろあるが、一番おいしいと思ったのが、あんこだけの六時屋のタルト。天皇陛下献上だそうだ。タルトは、自宅用には切り落とし300円で十分。普通は1本500円。上等なのは1000円。

道後温泉

神の湯360円、2F 霊の湯980円(2F、お茶、お茶菓子、ゆかた、タオル付き)。昔ながらのもてなし。ここは行く価値がある。日本美の原点のひとつだと思う。温泉のお湯も当たりがいい。

ホテル・パティオ・ドウゴ
若い人向けの新しいホテル。快適。そして道後温泉本館の隣にあってとても便利。ツインで14500円。神の湯のチケット付き。道後温泉の旅館はくたびれた感じのところが多い割に、値段が高かったりする。食事付きでないきれいなホテルに安く泊まって、外食するのが正しいとは地元出身の人の意見。

じゃこ天(田中かまぼこ店)
宇和島名物。手作りじゃこ天120円。相当うまい。帰ってからうちの猫にあげたら、夢中になって食べていた!じゃこ天ファンになった旅でもあった。

profile 著者:青木ゆり子 Author: Yurico Aoki

e-food.jp代表、各国・郷土料理研究家、全日本司厨士協会会員 調理師。主な著書:図鑑NEOまどあけずかん「せかいのりょうり」監修(小学館 2021)、「世界の郷土料理事典」(誠文堂新光社 2020)。


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