2010年10月01日

飲食店を成功させるには

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広告宣伝はしない方がよい?

飲食業は水モノの世界。よさげな店だったのになぜか短命で閉店...。そんなレストランを見たことはないでしょうか。ではその成功の秘訣は?「INSIGHT NOW!」に掲載された、大阪芸術大学の純丘曜彰 教授博士による「取材拒否する飲食店の経済学的合理性」と題した一文がおもしろかったので紹介します。

飲食店は、演劇興行と似て、固定費が高く、飽和点があり、利益最大点が85%のあたりにくる特性がある。オーバーシュートしても、店が短命になるだけ。宣伝広告をしない方がよい業種というのもあるのだ。

テレビや雑誌に広告を出せば、何十万円もかかるのだから、番組や記事に採り上げてもらえてありがたいと思え、というような高飛車なマスコミ取材を嫌う店は多い。実際、取材だ、協力だと称して、スタッフが好き勝手に飲み食いしまくるユスリタカリのようなことも珍しくない。だが、じつは感情論以前に勘定論として割が合わないのだ。
...
取材拒否する飲食店の経済学的合理性(?INSIGHT NOW! 2010/10/1)より


純丘教授博士によると、理想的なレストラン経営は、「30席に20人くらいの常連がいて、5人くらいの一見さんや紹介客がいる状態」。これだと、客同士の会話も弾み、アットホームな居心地の良い場となり、ロングランカウとして老舗の名店ともなるのだといいます。

そして飲食店以外の、航空機などの交通業や旅行代理店などの観光業、弁護士事務所やコンサルタントといった業界も同様で、「まともなところであれば、ムダに宣伝をするより、常連を大切にし、その紹介の上客だけを歓迎する。こういう業種が、一般向けにやたらとテレビや雑誌に出てきたり、広告宣伝を打ったりしているなら、それはちょっと変だと思った方がよい」と。

理想のレストランについてもっというなら、常連や紹介客だけでなく、新たな常連となる可能性を秘めた"上質な一見さん"を見分けて、つかまえるのに長けたお店が成功するのでしょうね。

で、確かに、お客の立場である私自身の経験でも、「テレビで紹介されました!」とか「グルメ漫画○○に登場しました!」と、あまりに全面に打ち出しているところで、よい店に当たった試しがほとんどありません(苦笑)。お酒をたくさん注文させたがるなど儲けに走りすぎるようになったり、妙な自信の反面、いつかお客が来なくなることへの焦りを感じたりで...。漫画家は広告宣伝料をもらわないと思いますが、有名になりすぎるとマスコミが輪をかけるのでしょうか。

飲食業を営んでいると内にこもって集中する分、世間が見えにくくなるなどというけれど、オープン当初はよかったのに、広告宣伝や権威に頼りすぎて?ダメになってしまった残念なお店も実際に知っています。

一方、レストラン経営者の方々と話してみると、テレビや雑誌にお金を払って宣伝してもらうより、損得勘定なしの純粋なクチコミや個人のブログ等で紹介された方が、いいお客さんが来るし、経済効果がずっと高いとみなさん口をそろえておっしゃいます。そんなものなのかも。

もし自分が経営者になったら、覚えておきたい成功の教訓ですね。


profile 著者:青木ゆり子 Author: Yurico Aoki


e-food.jp代表、各国・郷土料理研究家、「世界の料理レシピ・ミュージアム・ライブラリー」館長。

2000年にサイト「世界の料理 総合情報サイトe-food.jp」を立ち上げ、以後、執筆、講師、レシピ開発、在日大使館や大使公邸でのシェフなどとして、食で日本と世界を相互につなぐ社会貢献をモットーに活動。
プロフィール詳細
著作: 「しらべよう!世界の料理」全7巻 (ポプラ社 2017)


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