2010年09月27日

中国・瀋陽のコリアンタウン訪問記

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世界最大規模のコリアンタウン

日本国内のコリアンタウンといえば、東京では大久保や東上野、大阪では鶴橋が有名ですね。世界規模では、本国以外で最大規模のコリアンタウンといわれるのは、アメリカ・ロサンゼルスのウィルシャー地区や、中国・遼寧省の瀋陽にある西塔街(シーター街)。今回は別名「小ソウル」ともいわれる瀋陽のコリアンタウンを訪ねてみました。

遼寧省に隣接した吉林省には延辺朝鮮族自治州があり、また遼寧省自体も朝鮮半島と陸続きなので、歴史背景からも中国東北地方最大の都市・瀋陽にコリアンが多いのがうなずけます。

さて瀋陽のコリアンタウン・西塔街は、市内にある2つのターミナル駅から近く、観光客も比較的、訪れやすい立地。大通りの両脇とその周辺の裏通りにはたくさんのコリアン・レストランをはじめ、サウナ、カラオケ店、百貨店などが立ち並んでいました。朝鮮族(Chinese Koreanと呼ばれることも)のほか、韓国、北朝鮮系レストランが混在していて、同じコリアンタウンでも食のバリエーションでは、(韓国系が大多数の)ロサンゼルスの上を行っているはずです。

たとえば、水原カルビ、麻浦の牛もみ肉焼き、サムゲタンといった韓国料理店をはじめ、「平壌館」と書かれた北系レストラン、そして朝鮮族の冷麺専門店や狗肉料理店...。お店全体がかもし出すオーラ(?)でどこ系のお店かすぐわかります。ただし、LAのリトル・トーキョーにいる人が日本人か韓国人か区別が付かないように、通りを歩いている分には、どこから来た人なのかさっぱりわかりません(笑)。

そして、夜ともなればど迫力サイズのネオンが艶かしく輝き、市内の他の大通りとはっきり一線を画します。街行く人は男性率がやや高かったような気が。チマチョゴリ姿の女性が2人、店の前に立っていたりして、コリアンタウンらしい雰囲気がさらにアップするのでした。

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西塔街の入口。ハングル文字と漢字が躍る。近くには、「平壌館」という北系レストランがあった。

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街には、韓国系の百貨店と朝鮮族系の百貨店が混在する。中はこぎれいで、どちらも販売されているのは、食品、化粧品、日用雑貨などほとんど韓国製。入口にいきなりキムチ販売コーナーがあることに妙に納得してしまった。

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左写真は韓国系の麻浦・牛もみ肉焼きの店。右写真は朝鮮族経営のレストランのムチム(おかず)の数々。素朴でボリュームたっぷりな田舎料理風。とうがらし入りの調味料を多用する料理が、コリアンの中で共通している。


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地元の人気店でいただいた延辺冷麺(左写真)。日本で食べられる冷麺と同じようにヤンニョンや牛肉がトッピングされているのだが、「とうがらしをかけますか?」と聞かれて思わず「はい」と答えたら、おたまひとすくいをどばっとかけられ(笑)、この有様...。スープは薄味の出汁で、麺はコシのある中華麺。どんぶりにあふれるほど入れてくれる。店内は右写真のような、ごく庶民的な雰囲気。冷麺の値段も1杯6元(約55円)と安い。


本当は裏通りなど歩くともっとディープな世界が広がっているのでしょうが、悲しいかな、私自身ハングルもろくに読めないので、大まかな街の全体像を把握する程度しかできませんでした。もっぱら、世界の都市のそこかしこにあるエスニックタウンの一例を楽しんできた次第です。

その後、瀋陽から北京に列車で移動したのですが、北京もまたエスニックタウンの宝庫で、思わず目をキランと輝かせてしまいました(笑)。こちらはまた別の機会にリポートしたいと思います。


profile 著者:青木ゆり子 Author: Yurico Aoki


e-food.jp代表、各国・郷土料理研究家、「世界の料理レシピ・ミュージアム・ライブラリー」館長。

2000年にサイト「世界の料理 総合情報サイトe-food.jp」を立ち上げ、以後、執筆、講師、レシピ開発、在日大使館や大使公邸でのシェフなどとして、食で日本と世界を相互につなぐ社会貢献をモットーに活動。
プロフィール詳細
著作: 「しらべよう!世界の料理」全7巻 (ポプラ社 2017)


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