2010年02月22日

「パッション」のカスレ祭り|フランス?ラングドック料理|代官山

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郷土料理「カスレ」のお祭り

【代官山】代官山のフランス料理レストラン「パッション」で毎年2月に行なわれる、フランス南部の郷土料理「カスレ」を食べる会(カスレ・ディナー、またの名を"カスレ祭り")にうかがってきました。

お店のシェフで、在日30年以上の日本フランス料理界の重鎮でもあるアンドレ・パッションさんの出身地の南仏ラングドック=ルシヨンのオック地方の名物料理である「カルカッソンヌ風カスレ」を求めて、この日は総勢100人以上ものお客さんが集まりました。今年で15回目。年々常連さんが増えて、何度にもわたって行なわれるようになったようです。正式名は「アカデミー・ユニヴェルセル・デュ・カスレ(L'Academie Universelle du Cassoulet)」で、これだけ聞くと堅苦しい感じがしますが、実態は、ライブミュージックあり、この地方独自の言語であるオック語(ラングドックはもともと「オック語が話されていた地域」の意味)の掛け声あり、パッションさんによる「カスレの歌」(笑)のパレードありと、おらが故郷の料理への愛情あふれる、まさに楽しい楽しいお祭りでした。

ラングドックのカルカッソンヌはすばらしい景勝地でもあり、「カルカッソンヌを見ずして死ぬな」などともいわれますね。このカルカッソンヌ風カスレは、白インゲン豆に鴨のコンフィ、豚のすね肉、ソーセージなどをキャセロール(カスレの訛りだと思う。ちなみにカスレの英語訳はbean pot stew)で長時間煮込んで、オーブン焼きしたもの。日本で本物のカスレと認められているのはこの「パッション」のものだけだそうですが、カスレにはほかにいろいろなバリエーションがあります。

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お皿に取り分けたカスレ。直径25cmほどのポットが4人分で、かなり食べでがあった。料理はほかにアミューズや前菜、デザートなどのほか、数種のワイン付き。

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パッションさんを先頭に仮面でパレード。郷土愛にあふれた、笑いの絶えないお祭りだった。


さてこのカスレ、焼きたての匂いからして、もう、何ともいえないほどおいしそうなのですが、このたっぷりの豆と肉の煮込み焼きは、何だかアラブや中東の料理を思い出しました。トルコあたりに似た料理がありませんでしたっけ...。豆を使うところや、地中海に面した南仏という土地柄からも、アラブ由来の可能性がありそうですね。

→気になったので、後日、アラブ人シェフにカスレの写真を見せて聞いてみました。東地中海地域に白いんげんと肉を煮込んだファスーリア(まさにいんげん豆の意味)という料理があり、これにそっくりだとのこと。東地中海には、モロッコのタジンに相当する、シチュー鍋の名前がそのまま料理名になったヤハニック(ハは喉音)という料理もあるそうで、アラブ由来説(ピレネー山脈の向こう側・イベリア半島のように侵略者としてではなさそうですが)はまんざら間違っていないかも...。

と、それはともかく、サービス精神旺盛なパッションさんとともに、南フランスの郷土の味をたっぷりと楽しませていただきました。


パッション Pachon
東京都渋谷区猿楽町29-18 ヒルサイドテラスB棟
Tel. 03-3476-5025
■営業時間 Open: 11:30-14:00(L.O.)、18:00-22:00(L.O.)
■定休日 Close: 無休
http://www.pachon.co.jp/



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profile 著者:青木ゆり子 Author: Yurico Aoki


e-food.jp代表、各国・郷土料理研究家、「世界の料理レシピ・ミュージアム・ライブラリー」館長。

2000年にサイト「世界の料理 総合情報サイトe-food.jp」を立ち上げ、以後、執筆、講師、レシピ開発、在日大使館や大使公邸でのシェフなどとして、食で日本と世界を相互につなぐ社会貢献をモットーに活動。
プロフィール詳細
著作: 「しらべよう!世界の料理」全7巻 (ポプラ社 2017)


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