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2008年08月22日

麻布十番まつり 国際バザール2008 リポート

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30ヶ国+アルファの料理が集うお祭り

【麻布十番・新一ノ橋公園】8月22日(金)から24日まで、毎年恒例の麻布十番納涼まつりの一環である「国際バザール」が開催され、私もさっそく出かけてきました。

麻布十番の周辺にある30ヶ国の大使館の協力により各国の屋台が集うこのバザールも、すっかり内外におなじみとなりました。麻布十番商店街に連なる日本のお祭り屋台のにぎわいと双璧をなすように、国際バザールの会場には、元気な外国人の売り子の掛け声が響きわたります。

ざっとスナップ写真を撮影してきましたので、これから行かれる予定の方は、効率よく回る参考になさってくださいね。

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まずは看板。今年の参加国(地域)はアルゼンチン、台湾、イギリス、中国、イタリア、シリア、パレスチナ、ブラジル、メキシコ、ラオス、ガーナ、エジプト、インド、パキスタンなど。実際は港区には60以上の大使館があるので、毎年少しずつ入れ替わるよう。それぞれの国の人々が各国のお国自慢料理をメインに、雑貨などを販売します(大使館の協力というものの、実際は港区界隈の各国料理レストラン、ケータリングサービスといったプロによる出店が多数派。昔はもっとご近所さんっぽく素朴だったのだそうですが...)。

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スペインのフィデワ(パスタパエリヤ)。スペイン人のシェフじきじきに作った料理が食べられるのがいいですネ。なぜごはんのパエリヤではないかというと..。あとでちょっと合点がいった(下の写真を参照)

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それはシリアとかち合ってしまうからかも?ただし、上のシリアのパエリヤは、クスクスを使ったものだった。本家はどちらといわれても、まぁ、パエリヤは中東のピラフがもとになった料理といわれるくらいだから...。ところで、お店の方に写真撮影の許可をお願いしたら、すかさず「はい、500円」と(もちろんジョーク)。

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それでもって、パレスチナ(こうして他国と一緒に国旗を掲げていると、すでに独立国のようだ)。珍しい大粒のクスクスを使ったマフトゥール(「パレスチナクスクス」と説明されていた)を大鍋で提供していた。おじやのような、さっぱりとした味。私の中では今回いちばん珍しく、興味を引く料理だった。

ちなみに港区には中東の大使館が多いが、元麻布3丁目にサウジアラビアの出資によるアラブ イスラーム学院があり、アラブ系の人々もけっこう集まっている。

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お次はフィリピン。あでやかな他国の看板が並ぶ中で、南国らしい素朴でナチュラルな店構えがいい。提供している料理はパンシット(はるさめ)とルンピア(はるまき)と、こちらもシンプル。

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おっ、バスク料理?と目を引いたのはフランスのブース。フランス料理にしてはちょっと変化球なバスク風チキンの煮込みだが、田舎っぽくておいしそうだ。さすがグルメの国。

で、右写真は、お得意のソーセージだけをひたすら販売し、着々とお客を得ていた堅実なドイツのブース。こんなところにもお国柄が出ているなぁ...(笑)。

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こちらは、ちょうちんまでブルーにコーディネートした(?)クールなアルゼンチン(販売品はチョリパン=ソーセージサンド)と、売り子がコテコテにホットなエジプト(販売品はシュワルマ)。対照的なブースが隣同士になるのもバザールのおもしろいところ。でも、ソーセージや肉を焼く煙をたなびかせているのは一緒で、この2国のブース周辺はやけにモクモクとしていた...(笑)。

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海千山千の多国籍な商売人たちに混じってがんばる、ラオスの留学生たちによるラオスのブースでは、ラオスカレーを販売(ゲーンペッと注釈してあったからタイカレーに似たものだろうか)。

右写真のインドのブースは、国旗と一緒に店名「モティ」の文字もしっかり目立っていた。さすが、商売熱心な人たちだ(笑)。しかしながら、タンドリ窯を持ち込む意気込みはなかなかのもの。ちなみに、パキスタンは「シディーク」による出店で、こちらもパキスタンの国旗をはためかせ、メニューも豊富だった。

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北京オリンピックで話題の中国のブース。いかにも安上がりな看板だが(笑)、北京ダック、肉まん、フカヒレスープ...と、日本人にもなじみのあるメニューを見ただけで購買意欲がわく。費用対効果は抜群だ。

右写真はユニオンジャックが誇らしいイギリスのブース。フィッシュ&チップスなどイギリスらしい料理がメニューに並ぶ。4年後はロンドンでオリンピックだね!


さて、麻布十番まつりの開催中に世界の料理が食べられるのは、実は国際バザールの会場だけではありません。他所から来たいわゆるお祭り屋台が目立ちますが、麻布十番にある各国料理レストランの前では、各店によるなかなか本格派な料理を販売しているのです。お祭りの公式サイトには載っていない地元情報で、行ってみる価値がありそうなブースをご紹介しましょう。

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麻布十番には韓国大使館があり、もともとコリアンタウンとしても知られていた。だから韓国料理店が多数あって、味を競っている。左写真は雑色通りに最近オープンしたお店「黄牛(ファンソ)」のブース。ほかにもいろいろな韓国料理店がブースを出している。国際バザール会場の韓国料理よりも品数豊富でおいしいのではないかと。

右写真は、フレンチフライやタルト、シャンパンを売る"正統派"のフランス料理ブース。パティオ広場に面した「ル・プティ・トノー」による出店。

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左写真は、8月29日、麻布十番にオープンする(お祭り開催時は未オープン)ポルトガル料理店「アタスカ ATASCA」のブース(店舗は網代通りのパティオ広場近く)。、珍しいぐるぐる巻きのチョリソ(ソーセージ)と、エッグタルトを販売。エッグタルトはさっぱりとした味だった。

右写真は、表参道のインド料理店「ゴングル」のブースで売られていたインド製レトルトのカレー(ブースはパティオ広場に面したところ)。1箱100円で、迷わず即買い(笑)。写真は、4種類の中でお店の方イチオシの"パラク・パニール(チーズとほうれん草のカレー)"。味はレトルトにしてはよいかと。ベジタリアンにも奨められる純自然食。ほうれん草の味がしっかりとして、マイルドかつ滋味ある味わい。


...というわけで、プラスアルファのお店も見逃せませんヨ。ほかに地中海料理(パエリヤ)のブース、タイ料理、イタリア料理のブースなども。これらのお店は、パティオ広場や雑色通り、網代通り沿いに集中しており、国際バザールの会場や麻布十番商店街より若干、すいています。

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また、麻布十番商店街の六本木ヒルズ方面で開催される日本全国の40市町村の地方料理などを集めた「おらが国自慢」もなかなか大規模で、興味津々です(胃袋がもうひとつあったら食べに行くのに...)。

とても混雑しそうではありますが(早い時間の来場をおすすめします)、これだけバラエティで質の高い食べものが集ったお祭りもなかなかないと思いますので、どうぞ楽しみにいらしてくださいね!

参照
麻布十番まつりの会場地図



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profile 著者:青木ゆり子 Author: Yurico Aoki

e-food.jp代表、各国・郷土料理研究家、全日本司厨士協会会員 調理師。主な著書:図鑑NEOまどあけずかん「せかいのりょうり」監修(小学館 2021)、「世界の郷土料理事典」(誠文堂新光社 2020)。

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はぴいさん
コメントありがとうございます。たしかに町のお祭りの領域、超えてしまっていますよね(地元の方は9月の秋祭りの方を楽しんでおられるようです)。

パレスチナ料理の魅力は捨てがたく、金曜の早いうちなら許容範囲なので、今年はそうしてみました(苦笑)。

  • 2008年09月04日 23:19

いやあ、いきたかった、、、
いや、毎年行きたいんですが、もう、、、何年いってないだろう。
電車が通ってから、町のお祭りとしてのキャパシティを越えてしまっていて、ちょっとお祭りを楽しむどころではない「苦行」的な場所に変わってしまったので、以来足が遠のいています。
母が昔、近隣に実家があったため、行きたがるのですが、制してみました。
あんたじゃあ死んじゃうからと、、、(笑)



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