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2008年05月02日

ダジャン(ビルマの水かけ祭り)2008 リポート

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在日ビルマ人のお祭り

【王子】4月27日、桜の名所で知られる王子・飛鳥山公園で行なわれた、LDB ビルマ民主化同盟の主催によるビルマ(ミャンマー)のお正月のお祭りダジャンに行ってきました。

本来はタイのソンクランに相当する大乗仏教の水かけ祭りなのですが、東京のお祭りでは、水かけはナシ。ただし、桜の名所として有名な飛鳥山公園(さすがに八重桜すらほとんど散っていましたが...)には、汗ばむような日差しの中、会場には在日ビルマ人の方々が大勢集い、まるで東南アジアのにぎやかなお祭りを再現したかようでした。活き活きとした雰囲気に、私も旅情をそそられました。

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左写真はビルマの代表的な濃厚な魚スープの汁麺モヒンガー。朝食の定番としてもポピュラー。ブースには東南アジア風の麺料理が多かったが、インド系のお店では羊肉のケバブのような串焼肉が売られていた(右写真)。多民族国家の多彩な食文化がおもしろい。

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ソムタム(青パパイヤのスパイシーなサラダ)は、その場で作ってくれるフレッシュさ。そして、いかにも着色料たっぷりな(笑)、タピオカ用のシロップ。まるで東南アジアの屋台街に来たみたいだ。

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シャン族のブースで売られていたシャン料理。左写真は"シャンうどん"。細いうどんに豚骨スープ。具は豚肉、トマト、たまねぎ、にんにく、シャン式の納豆(!)、乾燥カポックの花、揚げ豚の腸と盛りだくさん。右写真は、高菜を漬けたシャンの漬物。

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こちらはカレン族の麺料理。アッサリ系。カレン族は、女性が首輪をたくさんつけて、首が長く見えることでも有名な山岳民族(ただし、すべてのカレン族の女性が首輪をつけているわけではない)。

ちなみの会場の食べ物の価格はすべて500円。日本語の通じにくい人もいたけれど、そこが旅に行ったような気分になれて楽しかった。片言の会話の中にもうかがえる、穏やかで優しい人々に心癒された気分だった。


来場者は、浅黒い人、日本人と見分けがつかない人…と、肌の色もいろいろ、ビルマ人とひとことでいっても、多民族の人々が暮らす国なんだなぁ、と実感しました。さらにシャン族、カレン族といった民族ごとのソサエティも参加しており、そういった人々のブースで販売されていた珍しい料理が興味深かったです。

そして、軍政のしかれた母国で、彼らの心をつなぐ象徴が、アウン・サン・スー・チーさんなのでしょう。ステージに飾られた彼女の肖像写真が印象的でした。


profile 著者:青木ゆり子 Author: Yurico Aoki

e-food.jp代表、各国・郷土料理研究家、全日本司厨士協会会員 調理師。主な著書:図鑑NEOまどあけずかん「せかいのりょうり」監修(小学館 2021)、「世界の郷土料理事典」(誠文堂新光社 2020)。

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