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2007年06月29日

フランス シャンパーニュ旅行記1

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シャンパンをめぐる小旅行

フランス・シャンパーニュ地方を旅してきました。動機は単純。「シャンパーニュでシャンパン(シャンパーニュ)を飲む」ご当地体験を、一度、実践してみたかったからです(笑)。


私たちがシャンパーニュを訪れたのは5月末。6月10日にフランスの新幹線TGVの東線が開通する直前でした。TGV開通により、パリ東駅からシャンパーニュの中心都市ランス(Reims)まで特急で約1時間半かかったところが、シャルル・ド・ゴール空港から直通列車を使って約45分で到着できるように(ただし本数は多くないようですが...)。アクセスがラクになって、シャンパーニュは今後、パリからの小旅行におすすめかもしれません。

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シャンパーニュへはパリから日帰りのパッケージツアーも出ているのですが、せっかくシャンパンに浸るなら、現地で宿泊したいところ。というわけで、ちょいと奮発して評判のいいランスのオーベルジュ「ラシエット・シャンプノワーズ」に1泊することにしました。昨年「フードフランス」で来日した若きミシュラン2つ星シェフ・アルノー・ラルマン氏のレストランA. Lallementを擁するこちらのオーベルジュは、一面のぶどう畑の中にそびえる古城、というわけではないのですが、ランス駅から2km程度と比較的近く、短期旅行者でも無理なく泊まれるところです。

で、もちろん午餐をいただいてきました。"AME CHAMPETRE"という125ユーロ(2007年5月のレートで約20000円)のコース。時差ぼけのまま日本時間の早朝3時に食べるどっさりのフルコースは、さすがに胃にはきつかったものの、おもてなし心あふれるラルマンさんのお料理を堪能させていただきました。

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フランスでまず感動するのは、パンがおいしいこと!これから次々に料理が運ばれてくるのもわきまえずに、つい、ぱくついてしまった。そして、鮮やかグリーンで統一された前菜が続々と登場。

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右写真は、Saint Pierre de Pretagneという、マッシュポテトと辛いソーセージ(チョリソ)。

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メイン2品。お魚とRis de Veau(仔牛の胸腺肉)。西回り約19時間のフライトの後で、おまけに時差ぼけの体では、このあたりでお腹がはちきれそうに。なんともったいない...。

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しかし、がんばって食べようと奮起(笑)。デザートはチョコレートかフルーツのどちら?と聞かれて、チョコレートに。チョコレートケーキが出てくるのかしら...なんて思っていたら、とんでもなくて、チョコレートムースから、チョコレートのパイ、エクレア...と、テーブルいっぱいのショコラづくし。おまけに綿あめまで...(ラルマンさん、おっちゃめ♪)。とても食べきれなかったのだが、目で楽しませていただいた。

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デザートの前にもう無理...と思いつつもチーズをオーダー(これもコースについている)。シャンパーニュの土地のチーズ・シャウルスなどを賞味。

右写真は翌朝に撮影したレストランの外観。敷地内の森に面した、オープンテラスのあるシックなフロアがとてもすてき。服装は、フォーマルすぎない、こぎれいな普通の格好で大丈夫。

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客室の様子。162ユーロ(2007年5月のレートで約26000円)のスイートルーム。レストランでへべれけに飲んでもすぐに部屋でバタンキューできるのが、オーベルジュのいいところ(笑)。ドイツに通じる幹線道路に近いのでまったくの静寂はのぞめないが、空気はさわやかで、豊かな緑と小鳥の鳴き声を楽しめる場所。コストパフォーマンスはパリなどよりずっといい。

ちなみにその後、パリに戻ったあとは一転して、安宿に泊まり安いエスニックを食べ歩く毎日。ハレとケのメリハリある旅はおもしろい(笑)。


食事の後には、ラルマンさんが各テーブルを挨拶に来られます。私は、昨年、六本木ヒルズの来日時には行けなかったけれど、今回訪れることができてよかったなどの旨をお伝えしました。

ちなみに、レストランはホテルを通して予約することができ、レストランの利用だけも可能(ランチもあります。フランスの慣習では、格式あるレストランのディナーはペアもしくは男性のいるグループで訪れるのが一般的なのですが、これに従うなら、女性だけのときはランチがおすすめです)。フランスのソムリエはすすめ上手なので(笑)、ワインを頼むときは、ボトル、グラスを含めて値段を聞いてから決めた方がよいかもしれません。

以上、もちろん、というか、ワインは食前酒からラストまでシャンパン通し(2つ星レストランらしく、お店には分厚いワインリストもあるのですが)。締めはクリュッグ。シャンパンだけで食事を最後までおいしくいただけてしまうのは新鮮な驚きだったのですが、これはまた、シャンパンと普通のスパークリングワインとの歴然たる違いを垣間知った瞬間でもありました。

フランス・シャンパーニュ旅行記2に続きます。


profile 著者:青木ゆり子 Author: Yurico Aoki

e-food.jp代表、各国・郷土料理研究家、全日本司厨士協会会員 調理師。主な著書:図鑑NEOまどあけずかん「せかいのりょうり」監修(小学館 2021)、「世界の郷土料理事典」(誠文堂新光社 2020)。

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