2007年03月20日


ビビンバ(ビビンパップ)とともに全州の名物料理といわれるのが、全州韓定食。美食の街であり、朝鮮王朝の発祥地でもある全州だけに、宮廷料理の流れを汲むそのゴージャスさは息をのむほどです。
全州市の公式サイトによると、全州韓定食とは、「真鍮製の食器を使用し、全州八味を添えた12?13種類のおかずに、4?6種類の美味しい材料を入れて作ったもの」とのこと。全州八味(ジョンジュパルミ。実際は10種紹介されている)は、もやし、柿、大根、せり、熟れる前のかぼちゃ、若大根、ノックドムック(緑豆で作る寒天のようなもの)、西草(瑞草。たばこの葉)、蟹(漢字で"螃蟹")、淡水の小魚(学名Abbottina brebirostris)。これだけ聞いても、山の幸、海の幸とりまぜた全州の食材の豊かさをうかがい知れそうですね。


↑左写真は、エイを発酵させた全州の珍味ホンオと、茹でた豚肉、キムチを重ねたお祝いの席の料理。口に入れるとアンモニア臭が広がるホンオの味が強烈だが、全州の人々にとっては特別な食べ物のよう。右写真はユッケ。牛肉も韓国ではごちそうだ。


↑左写真はおなじみのチャプチェ。素材がいいと、これほど味が変わるのかと驚き。右写真はかぼちゃの煮付け。とうがらしを使った辛い料理が多い中で、ホッとする甘い味付け。ナツメを乗せた、ホクホクしたかぼちゃがとってもおいしい。


↑グルメの都のキムチ。やっぱりひと味もふた味も違う!日本の蒲焼き風の、鉄板に乗せたうなぎ料理も登場する。
お店では、最初にお膳ごと料理が運ばれてくるのだが、さらに、温かい鍋物や作りたての料理が次々と追加されていく。残さずきれいに食べるのはぜったい無理(笑)。料金は1テーブルごとに12000ウォン(約15000円。2007年3月現在)?で、その金額を人数分で割ることに。気持ちいいくらいの明瞭会計だ。1テーブルの定員がだいたい4人くらいなので、割り切れる人数で行くことをおすすめ。


全州の市内には韓定食のお店がいくつもあります。今回私たちが訪れたのは、創業50年、歴代の政治家たちに愛されたという「百番家」という老舗。オンドルの個室にお膳ごとお料理が運ばれる、全州韓定食の伝統を今も守り続けている名店です。
「目で食べる」なんて言葉の通り、こぼれんばかりにお膳に並べられたごちそうの数々を見ただけで、もうウットリ。もちろん、自家製の味噌など調味料や契約栽培による野菜をはじめ、味へのこだわり、健康への気遣いもただならぬものがあるようで、食べてまたまた夢心地...。う?ん、グルメ冥利につきますな。
伝統食を大切にする、スローフードと呼ばれるムーブメントがありますが、長い歴史を誇る全州では、それが自然に息づいているんですね。また来たいなぁ...。そんなうしろ髪を引かれる思いを胸に、帰国の途についたのでした。
モットーは「食は最高のコミュニケーション手段のひとつ」。言語や習慣の違いを越えて"おいしい!"で人と人をつなぐ世界の料理の魅力を広めたい思いから、珠玉の料理を求めて、拠点の東京をはじめ、日本全国・世界各地のレストランや食スポット等を取材で飛び回っております。
このブログでは、レシピやお店、旅行など世界の食べ物の話題を幅広く紹介します。
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