海外の日本食レストランに認定制度
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正しい日本料理のお墨付き
ヨーロッパなどに日本食ブームが沸き起こっている昨今、海外で変テコな日本料理を出すレストランが横行しているとか。そこで、日本の農林水産省が動きました。以下、11月2日付の読売新聞の記事より。
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農林水産省は2日、海外の日本食レストランへの認証制度を来年度に導入すると発表した。
農水省によると、海外にある日本食レストランは欧米を中心に約2万店を数えるが、和食とはかけ離れたメニューの料理を出す店も少なくないという。
和風の調理法や接客にきちんと取り組んでいる店に日本政府の「お墨付き」を与えることで、正しい日本食に親しんでもらえるようにする。こうした自国料理の認証制度は、タイやイタリアも導入している。
詳しくは
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061102-00000112-yom-bus_all
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パリでは、ブームに便乗して、中華やベトナムなどのアジア料理から日本料理に転化したレストランも多いとか。料理人に日本料理の経験がないのに、スシや天ぷら、ヤキトリを作らせた結果、
「力まかせに握ったスシ、ころもがふやけた天ぷら、甘いだけの焼き鳥……。値段は通常の日本人経営レストランに比べ3?5割安だが、日本料理とはほど遠い」(2006年9月29日読売新聞)
...と、本物の日本食とは似ても似つかない代物になるケースが目立っていたのだそうです。
そんなニセモノを締め出すため、今回の認定制度よりひと足先の10月に、日本貿易振興機構パリセンターが、正統な日本レストランを認証する制度を始めたばかり(さすが、グルメの国フランスの首都だけのことはあるなぁ)。
日本でも、ひと昔前までは、イタリア、タイ、ベトナムなど各国料理がブームになるたびに、いわゆる"なんちゃって○○料理"を出すレストランが、まかり通っていたケースがありました。しかし、自国出身の優れたシェフが増えて、最近は、ニセモノは随分と淘汰されたようです。「日本人の口に合うようにアレンジした」料理が、必ずしも高ポイントではなくなったのは、本物志向派にはうれしいことです。
日本人の私たちとしても、他国の人に正しい日本料理を知ってもらい、受け入れてほしいですよね。
e-food.jp代表、各国・郷土料理研究家、全日本司厨士協会会員 調理師。主な著書:図鑑NEOまどあけずかん「せかいのりょうり」監修(小学館 2021)、「世界の郷土料理事典」(誠文堂新光社 2020)。
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今更になってしまったが、触れてなかった話題なので。海外の日本食レストランに認定制度(青木ゆり子のブログ)農水省が昨年の11月2日付けで、海外の日本食レストランへの認...
トラックバック時刻: 2007年02月19日 23:19
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農林省が正しい日本食を推奨するのは正しい日本食を作れる板前さんを紹介する組織が必要と思います。
私も現在エジプト人の知人よりどの様に正しい日本食を作れる職人さんを探せるのだと聞かれており、もしヒントをいただければ助かります。
続報です。この日本政府の認定制度に対するアメリカの反応。以下、12月10日付けの産経新聞記事より
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【ニューヨーク=長戸雅子】日本の農水省が世界にある和食レストランを「正しい和食」と認証する新制度の導入を検討していることに、和食ブームが続く米国のメディアが次々に反応している。
ワシントン・ポスト紙が「国粋主義の復活」と報じれば、ボイス・オブ・アメリカ(VOA)は「日本がスシ・ポリスを派遣する」と揶揄(やゆ)、巻き寿司の「カリフォルニア・ロール」発祥の地ではロサンゼルス・タイムズ紙が「論争の火種になる恐れがある」などと警告し、さながら“日米食文化摩擦”の様相だ。
詳しくは
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「米政府がアフリカや香港や韓国でアメリカ料理の認証をやろうとするだろうか」という韓国系米国人の和食店オーナーの声には、ちょっと笑いました。
でも、数年前、スシはわが国の食文化を脅かしているなんていってたのはどこの国だっけ...?
K1さん、コメントをありがとうございます。
うちの夕飯も、由緒正しき日本料理とはいえないかもしれません(汗)。
レストラン経営を成功させるマーケティングの結果、ホスト国の住民の嗜好に合わせて味を変える傾向は、日本だけではないようです。たとえば、甘ったるい味付けのアメリカの中華やタイ料理とか...。本格派の料理を食べたかったら移民街に行け、なんていわれていますし。
本物志向派にとってのいいお店の見分け方として、その国の出身者のお客が多い店、というのもありますね。
日本における各国料理のレベルが少しずつ"向上"し、地域ごとに細分化されてきたのは、在日外国人が増えて、判定基準が高くなったからかも。その昔は、ビーツの入っていないボルシチや、ナポリにないのにナポリと称したスパゲッティが堂々とまかり通っていたのですから(笑)。
「そんなのウソだ?」と判断してくれる人が、身近にいるといないでは大違いってことでしょうか。
ただし、本物を知った上で、アレンジの遊び心を持つのは、悪いことではないと思っています。
キム小僧さんお久ぶりです。ゆさん、けんさん、皆さんのご意見もっともです。概ね同感です。ほんと、海外で日本食???ってことありますものね。しかし「何で日本人ばかりで○○料理レストランなの?日本は似非が多すぎるよ」と未だ外国人たちに言われていますが。
でもね、同様にというかもっと気になることは、多くの日本人が家庭の食卓でそれよりもっと酷い、訳のわからん日本食?を調理して食べていることです。洋風料理は作れても、基本の家庭料理を作ろうと努力する人はまだまだ少ないです。
マカロニ・グラタンに、春巻き(冷凍)豆腐の味噌汁に、ご飯に漬物なんて、食文化のかけらもない情けない雑食。笑えますが、実際多くの家庭がコレに似た献立を、抵抗もなしに食べています。皆さんも?(笑)
アメリカでも、まずキムチが出てくるJapanese Restaurantなど、いい加減なお店がけっこうありましたね?
まぁ、食べてる方もどこまで日本食の繊細な味がわかって食べてるのかねぇ?という気もしなくもありませんが(アメリカのお店って何料理でもやたらと甘すぎたり辛かったり、味が濃いことが多い)、いずれにしても、正しい日本食が外国にも伝わってほしいものですね。
キム小僧さん、コメントをありがとうございます。
私も、これは違うだろう、と思うような日本食レストランに入ったことがあります。誰も知らないだろうからって、いい加減な料理を出しちゃだめですよね。
確かに日本料理とは名ばかりのひどいお店が海外には多いですよね。
人種偏見ではありませんが黒人が回転寿司を握る(具を載せる)のを見るとちょっと待てという感じです。
昔は海外で和食を食べのが大変だったので日本食レストランと言う名前であればどこでもよかったけれどやっぱり淘汰される時代でしょう。