2006年06月13日

ガンボ -レシピ|アメリカ・ケイジャン料理

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欧州とアフリカ文化のミックス料理

ガンボは、アメリカ・ルイジアナ州の郷土料理・ケイジャン料理の定番としてもよく知られている一品。

ケイジャンは、フランスのアケイディア*の人々がルーツですが、ガンボ自体は、ルイジアナを統治していたスペインや、ネイティブアメリカン、カリブ経由の西アフリカの影響もうかがえる、ちょっとスパイシーな、クレオール(ヨーロッパとアフリカのミックス文化)色の強いスープ料理です。

ガンボはもともと、アケイディアの人々が、ルイジアナの食材でブイヤベースを作ろうとしてできた料理という説があります。現在では、日本のお味噌汁のように、それぞれの家庭ごとといっていいほど、レシピにバリエーションがあるんですって。

たとえば、ガンボ・ヤーヤー Gumbo Ya Yaと呼ばれるチキンとソーセージのガンボ、ザリガニ入りのガンボ、シーフードのガンボ...。本来の必須条件は、オクラを具に使うこと(オクラを入れず、下記に出てくるフィレでとろみをつけることもある)。というのも、ガンボの語源は、Kingomboというアフリカ原産のオクラが原語になったものだからなんです。

ここでは、ブイヤベースにもっとも近そうな(笑)、シーフード・ガンボのレシピをご紹介しますね。


シーフード・ガンボ レシピ Seafood Gumbo

【材料】 6人分
・野菜類: たまねぎ小1個、青とうがらし(なければピーマン)1個、セロリの茎の短いもの1本(以上、3点をみじん切り)、オクラ300g、トマト2個、にんにく2かけ(すりおろす)

ほか、好みでにんじんなどを入れてもよい。

・調味料、 スパイス類: バター60g、月桂樹の葉2枚、オールスパイス小さじ1/4、とうがらし小さじ2、ウスターソース大さじ1、*ケイジャン・スパイス・ミックス、スープストック(シーフード、ホタテの貝柱の素、鶏がらなど)2カップ、ルー(小麦粉70g油70ccを鍋できつね色になるまで炒って作っておく)、塩、コショウ適量、フィレ(北米大陸原産のササフラス Sassafrasという潅木の粉。オクラの代わりのとろみと、香りづけに。なければ入れなくてよい)、レモン汁(お好みで)

・具: エビ400g(皮をむいておく)、ホタテ貝200g(ほか、カニや白身魚、鶏肉などを入れてもよい)

*ケイジャン・スパイス・ミックス(基本)=ガーリックパウダー大さじ1、オニオンパウダー大さじ1、白コショウ小さじ2、挽いた黒コショウ小さじ2、カイエンペッパー小さじ1と1/2、タイム小さじ2、オレガノ小さじ1/2

(輸入食材店で市販されている、ケイジャンのスパイス・ミックスを購入しておくと便利。自分で調合する場合、ガーリックパウダー、オニオンパウダーがないときは、生で代用してもよいかも)

ごはん

【作り方】
1.鍋の中にトマトを入れ、木べらなどでつぶす。そこに半分に切ったオクラを入れて、やわらかくなるまで15分ほど弱火で煮る。

2.フライパンでたまねぎ、青とうがらし、セロリのみじん切りをバターで2,3分炒め、にんにくを加えてさらに15-20分ほど炒める。

3.1に2を加え、さらにスパイス類を加えてかき混ぜ、2分ほど熱する。ストックとルーを加えで軽く混ぜ、15分ほど煮る。

4.エビやホタテなどの具を加え、塩、コショウで味を調える。最後に(あれば)フィレをかける。ごはんを添えて、お好みでレモン汁をかけ、盛り付けて出来上がり。

※上の写真は、ごはんの上にガンボをかけた盛り付け。深めのスープ皿にご飯を盛って、カレーライスのようにガンボをかけるなど、いろいろな盛り付け方があります。


ガンボはちょっと手間のかかる一品ですが、手順はそれほどややこしくはありません。ケイジャン・スパイス・ミックスを使い、田舎風に泥臭く、トロトロになるまでじっくりとスープを煮込むのが、本場っぽくなるカギ。

また、ケイジャン・スパイス・ミックスは多めに作って保存しておくと、ガンボもジャンバラヤも、いつでも作れるようになりますよ。

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盛り付けの参考までに、羊料理とケイジャン料理を専門とする代々木の老舗店「ビストロひつじや」のガンボを見てみましょう(左写真)。

オクラやセロリはトロトロで、半分に切ったカニがドーンと豪快に入っていますが、赤くゆだった甲殻類が加わると、一気に見栄えがよくなります。

ルイジアナの人たちは、日本人と一緒でお米をよく食べるそうで、何だか親しみがありますね(日本の農村問題などをテーマにしているミュージカル劇団「ふるさときゃらばん」が昔、「Gumbo Ya Ya」という、ルイジアナと日本のコメ農家を描いた、日米共作の舞台を上演したことがありましたっけ)。

ガンボには、フランス系移民のブイヤベースの名残りを感じるほか、先にご紹介したアフリカ・アンゴラ料理のムアンバの作り方と、どこか通じる点があるように思います。アフリカからカリブの島々、そして北米大陸に渡ったいにしえの文化の流れがこの料理にかくされていると思うと、何だかロマンをかきたてられます。

ところで、ルイジアナには、クレオール料理と呼ばれる料理もあります。私はケイジャンとクレオールの違いがよくわからなかったのですが、ニューオリンズに在住経験のある、かの小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の「クレオール料理読本」によると、どうやらクレオールは、ヨーロッパから直接、南部を目指した裕福な人々の食と現地の食がミックスした料理、つまり、農民のケイジャンよりもしゃれのめした料理を指すようです。

→アメリカ南部料理についてまとめた「FROM DELTA」さんのサイトや、辻調理師専門学校さんの「怖くない、怖くない、インターナショナルクッキング」のページも参考になります。

さて、ガンボにはどんなドリンクを合わせたらよいでしょう。ちょっと考えたのですが、私のルイジアナに関する知識ではせいぜいハリケーン・カクテル(現地では、溶かして飲める粉末も売られている)くらいで、これがガンボに合うかどうかは微妙。そこで、「Junglecity TRAVEL ルイジアナ・ニューオリンズ」さんのページに、ルイジアナのドリンクのことが詳しく紹介されていますので、参考になさってみてください。


* アケイディア=アルカディア。カナダ東部の古名。18世紀の北米における英仏の植民地争い(フレンチ・インディアン戦争)で、イギリス国王に対する忠誠を表明しなかったため、イギリス人によってその地を追われ、流浪の末、フランス植民地だったルイジアナに移住したフランスの農民を指す。アケイディアが訛って、ケイジャンと呼ばれるようになった。現在でも、料理のほか、音楽などにその文化を残す。

ちなみに、松本零士の漫画「宇宙海賊キャプテンハーロック」の宇宙船の名前にもなった"アルカディア"はもともと、ギリシャにある理想郷。フランスのブルターニュあたりからやって来た貧しい移民たちが、北米大陸の新天地をそう名づけた理由は想像にかたくない。


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コメント

おいしそうな料理の写真がありよかつたで-す8月11日

  • ひ-
  • 2009年08月11日 15:30

宇都宮のハンバーガー店で、ガンボスープを売っており、食べてみたら栄養満点
美味しいねー! 本場アメリカで食べてみたいなー   

  • S.N
  • 2008年10月07日 17:28

アムトラックさん
コメントありがとうございます。確かにそうかもしれませんね。「ひつじや」の盛り付けはカレーライスに慣れた日本人向けなのかも。

  • 2008年09月08日 16:06

以前、ニューオーリンズに行った時、ごはんにかける・・・というより、ガンボスープとして食している店が多かったなあ。。。

  • アムトラック
  • 2008年09月05日 21:55

rico cappuccinoさん
すてきなコメントをありがとうございます。
ひとつのお料理に秘められた歴史に想いをはせていただくと、ますます楽しく食事ができそうですよね。

  • 2008年07月02日 11:10

いやぁー美味しそうですねー。
ガンボにまつわるエトセトラ。
大変勉強になりました。
今度ぜひチャレンジしてみたいと思います。


disneyworldさん
コメントをありがとうございます。お返事が遅くなってすみません。ユウキ食品のケイジャンスパイスというのはこちらの商品ですね。

ユウキ食品のケイジャンスパイス

貴重な情報をありがとうございます(^^)

  • 2008年03月20日 11:50

ケイジャン料理が好きなのでいろいろしらべて訪問させていただいています。
ケイジャンとクレオールの違いも初めて知りました。
ディズニーのパークが好きでよくアメリカへ行くのですが、行くと必ずケイジャンとメキシコ料理は食べます。
外れないですからね。
日本では食べるの難しいなあ、と思っていたのですが、ユウキ食品でスパイスを売っているとのことで取り寄せて作ってみようと思っています。


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「ガンボ」って何ですか?   って良く聞かれます。   西アフリカのある地域でオクラの事を「ガンボ」と言うそうです。またアフリ...

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