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2006年04月07日

「ワンコリアフェスティバル」リポート

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【原宿】4月2日に代々木公園で行なわれたイベント「ワンコリアフェスティバル」に行ってきました。

「ワンコリアフェスティバル」は、"日本人と在日コリアンの若者がお互いの違いを認め合い、「Love Japan, Hug Korea」のメッセージを乗せて開催する"という主旨のイベント。コリアンフードの各種屋台や、食品販売ブース、民族舞踊などのオーソドックスなアトラクションに加えて、若い感性が発揮された、あっと驚くような呼び物も登場していました。

たとえば、"地獄の血池鍋"と名づけられた、巨大なチゲ鍋。直径ざっと2メートル、3000食あるという海鮮チゲがグツグツ煮立つ様子は、なかなかの圧巻。これは、1食500円で一般に販売されていました。

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また、「アンニョンハセヨ、ご主人様」のキャッチコピーに釘付けになりそうな、"KOREA茶屋"というメイド喫茶。ステージのかぶりつき席には、ドラマ「電車男」から抜け出たようなアキバ系?男性が、メイドさんたちに熱い声援を送っていました。ふぅ?。日本とコリアの文化の壁を難なく破ってしまう、ヨン様をもしのぐ、おそるべきアキバパワー(笑)。

現在、在日コリアンの人々は世代交代が進み、日本文化の影響を受けた、日本生まれの日本育ちという3世、4世も増えてきたといいます。そんな中で、民族のアイデンティティを改めて認識し、アピールする場を持つことが求められていたのかもしれません。

アメリカでもカナダでも、移住から何世代たっても、ご先祖様から受け継いだ血を思い出すように、民族の祭典が盛んですからね。エスニック=民族という言葉も、こういう背景があって、初めて本来の意味を発揮するような気がします。

「ワンコリアフェスティバル」の会場では、老若男女の一団による、一糸乱れぬ民族舞踊に感動しました。日本人としてホスト国に生まれ、自分の民族などふだん考えたことのない私には、その連帯感がちょっぴりうらやましくも。

そして、今はまだアカデミックな用語の印象がある"多文化共生"という言葉が、もっともっと一般の人々の意識に根付くようになればいいなあ、などと思ったのでした。



profile 著者:青木ゆり子 Author: Yurico Aoki

e-food.jp代表、各国・郷土料理研究家、全日本司厨士協会会員 調理師。主な著書:図鑑NEOまどあけずかん「せかいのりょうり」監修(小学館 2021)、「世界の郷土料理事典」(誠文堂新光社 2020)。

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