2006年03月14日

タテル ヨシノ|フランス料理|御成門

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ミシュラン1つ星のシェフの味

【御成門・大門】ミシュラン2006年度版で、見事、1つ星を獲得した吉野健シェフによるパリのレストラン「ステラ マリス」。その直営店である「タテル ヨシノ」芝パークホテル店に、吉野シェフが帰国中とのことで、早速、出かけてきました。

パリの「ヒラマツ」、ニースの「ケイズ・パッション」(by 若干28歳の松嶋啓介シェフ)と並んで、日本人シェフによる星付きレストランとなった「ステラ マリス」。「小田原を出て、シャンゼリゼの近くに店を構えて9年。フランス料理に携わるものにとって、ミシュランのガイドで星を獲得するのは一つの大きな目標であり、それを達成できたことを非常にうれしく思う」と、吉野シェフは語ります。

今年のミシュランでは、かの名門店「トゥール・ダルジャン」が1つ星に降格してしまったのが話題になっていましたが、それほど厳しい審査の中で、日本人シェフのお店が星を獲得したのは、すばらしいことですね。そんなわけで、お祝いの気持ちもあって、"凱旋帰国"された吉野シェフにぜひお会いしたかったのでした(そして、もちろん恒例の記念撮影も(笑)。

#実はほぼ同じ時期に、もう一人の1つ星シェフである松嶋シェフも、フォーシーズンズホテル丸の内のレストラン「EKKI」に来られていて、予約を取っていただいていたのですが、残念ながら私の都合がつかず、こちらは泣く泣く見送ることになりました...。

さて、その吉野シェフのお店「タテル ヨシノ」の芝パークホテル店は、オープン3周年を記念して、吉野シェフによる特別コースを提供中でした。メニューは以下の通りです。

・クレーム・ド・クレッソン
・喜界島の仔ヤギのカルパッチョ
・チリメンキャベツとフォワグラのテリーヌ 黒トリュフ風味
・オマール海老のブーダン ア・ラ・ナージュ

・的鯛のポワレ トリュフ風味のエミュルスィオンソース

・鳩のトゥールト(パイ包み)
 または和牛のグリエ マスタード風味の生クリームを添えて

・黒トリュフの香りの魅惑のババ

※ほかに、アペリティフ、プレデセール。

トップの写真は、吉野シェフ渾身の"鳩のトゥールト"です。パイ生地の中にミルフィーユ状に重ねられた鳩肉(フランス・ランド産)はほとんどクセがなく、「おそらく、鳩の最良の調理法のひとつでは」と同席者。

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左写真は、吉野シェフの故郷である鹿児島の、喜界島産の仔ヤギを使ったカルパッチョ。喜界島では、ヤギ肉は通常ほとんど島内で消費されるそうなので、かなり珍しい食材を使った一品といえます。ヤギ肉特有の臭みもなく、おいしくいただけました。

右写真は、"チリメンキャベツとフォワグラのテリーヌ"。たっぷりと添えられた、吉野シェフが自らフランスから持ってきてくださった黒トリュフ。そして、鳥インフルエンザ騒動前に輸入されたという貴重なフォワグラ。侘びさび的なシブい色合いながらも、さりげなく贅沢であり、かつ、とても手が込んでいて、よく考えられたお料理に感動しました。

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"オマール海老のブーダン"と、魚料理"的鯛のポワレ"。吉野シェフはアワアワがお好きなようで(笑)。青菜のトウミョウなどオリエンタルな食材が使われていたりして、正真正銘のフレンチなのに、どこか日本っぽさを感じる、みそ汁とご飯で育った人間にはホッとする味わいでした。

もしかすると、今風のライトなフランス料理は、旬の野菜や魚本来の持ち味を生かした、伝統的な日本料理に相通じるものがあって、それゆえ、日本人シェフの感性がフランスで評価されつつあるのかもしれませんね。

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もうひとつの肉料理"和牛のグリエ"。ミディアムレアの焼き加減で、うっとりするような噛み心地に。付け合せはクスクスでした。

デセールは、シマウマっぽい柄のお皿に、"だんご3兄弟"よろしく、バニラのさやに刺さった、かわいいカタチのラム酒漬けババ(サバランに似ている)が3つ。しかも香りは黒トリュフ! オーソドックスな盛り付けの料理のあとで、最後の最後にキター!(笑)、と想わせるしゃれ心が泣かせます。

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左写真は、ミシュランの常連ジョエル・ロブションさんと一緒の吉野シェフ。ミシュラン2006年版も飾られていました。右写真は、レストラン入り口付近の「タテル ヨシノ」と「ステラ マリス」の看板。

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というわけで、銀座でもなく、六本木でもない、御成門の芝パークホテルという、まったく意外な場所で、パリの食通をもうならせる名店の味をたっぷりと堪能させていただいたのでした。

こちらのお店はそれほど広くなく、ランチコースは3000円台からと手ごろな価格なので、すぐに席が埋まってしまうことも多い様子。吉野シェフはこの週末まで東京にいらっしゃるそうですが、この期間はディナーもほぼ満席になってしまったようです。

ただ、確約はできないけれど、吉野シェフはパリ店のほか、和歌山の支店を回られながら、ひと月に何日かは東京(汐留にもお店あり)に来られるそうなので、これからも十分に、日本にいながら、本場の1つ星レストランのフレンチをいただくチャンスがあるはずですよ。

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タテル ヨシノ 芝パークホテル店
港区芝公園1-5-10 芝パークホテル別館1F
Tel. 03-5405-7800
http://www.tateruyoshino.com/

■営業時間:11:30-14:00、18:00-21:00(日は昼のみ)
■定休日:無休
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profile 著者:青木ゆり子 Author: Yurico Aoki


e-food.jp代表、各国・郷土料理研究家、「世界の料理レシピ・ミュージアム・ライブラリー」館長。

2000年にサイト「世界の料理 総合情報サイトe-food.jp」を立ち上げ、以後、執筆、講師、レシピ開発、在日大使館や大使公邸でのシェフなどとして、食で日本と世界を相互につなぐ社会貢献をモットーに活動。
プロフィール詳細
著作: 「しらべよう!世界の料理」全7巻 (ポプラ社 2017)


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コメント

私もこのコースを頂きました。
大変美味しかったですね。

美味しいあまり、撮り忘れてしまったのですが、
記念に画像使わせて頂いて宜しいでしょうか。

  • すすむ
  • 2006年04月02日 21:46

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