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2006年02月11日

カラバッシュ|西アフリカ料理|浜松町

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アフリカへの愛を感じる料理の数々

※最新訪問日:2007年9月4日

【浜松町】2005年にオープンした、西アフリカのコートジボワールマリセネガルナイジェリアの料理を提供するレストラン。アフリカの方々が、厨房で故郷の味を再現しています。

写真は、"ティラピアのグリル コートジボワールソース添え"2000円。色鮮やかな野菜ソースの下に、鯛に似た中型魚ティラピアが隠れています。

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西アフリカの料理は、日本にはレストランの数が少なく、距離的にも文化的にもなじみが薄いから、"日本からもっとも遠い料理"のひとつではと思うのですが("究極のエスニック"なんて宣伝文句も)、「キリンやゾウの丸焼きを食べているに違いない」といったアフリカ料理への先入観(笑)を捨てると、日本人にも意外と食べやすくて、日本料理との意外な共通点に驚かされるはず。

それはまず、海に面しているため、魚料理が多いためかもしれません。たとえば、メロンの種を使ったナイジェリア料理のエグシ・シチューは、どこか懐かしい味がするなぁと思ったら、魚のだしを使っているのだそう。

また、さっぱりとした甘さの黒糖まんじゅうのようなマリのデザート、ディデゲは、黙って出されたら、和菓子だと信じてしまいそうです。

それに、お米の料理や、お餅に似た主食、パンダ豆(カワイイ!)という、黒い筋のついた白豆をペースト状にして蒸した、日本の豆腐のような料理も...。

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エグシ・シチュー(添え物の白い塊は、キャッサバの粉から作った、お餅のような主食フーフー)と、セネガルのお米料理チェプ・ジェン

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和菓子のようなマリのデザートディデゲと、アルジェリア産ワイン(グラスの後ろにちらっと見える布は、マリに旅行したことのある同席者が持参した、マリ?ドゴンの村の伝統的なパターンによる民族衣装)。

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人数を集めて事前にお願いすれば、メニューにない西アフリカの特別料理も。写真はとうもろこしの粉で作った蒸しパンと、けんちん汁のような見た目の、トリッパと野菜のスープ。

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こちらも特別料理。ピリ辛いトマトスープに青身魚の団子を浮かべたカレーのような料理が、なかなか味わい深かった。1皿で1人分と、ボリュームもたっぷり!

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アフリカ専門の旅行会社「道祖神」の関連店である「カラバッシュ」は、海外青年協力隊員や駐在員など、アフリカに造詣ののある方々のたまり場。だから、カウンターには、彼らが持ち帰った珍しいアフリカのお酒のビンがひょこっと置かれていたりする。左写真は西アフリカにある旧ポルトガル領の国サントメプリンシペのお酒。一口飲ませていただいたが、まるで黒砂糖のように甘い、不思議な味わいだった。

左写真は店内の様子。インテリアにもお金と愛情をかけているのがよくわかる。


多くのアフリカのレストランでは、パームオイルという、ちょっとクセのある真っ赤な油をたっぷり使うことが多く(暑い気候の中で力を出すためだそう)、正直言って、私はこれまで、あまりおいしいと思ったことがありませんでした。

でも、こちら「カラバッシュ」では、このパームオイルをほとんど使っていないそうで、料理がさらっとライト。それに、ピーナッツソースなど調味料も適量。そのためヘルシー感があり、それほど辛くもなく、素材の風味が楽しめます。在日アフリカ人のお客さんの"おばちゃんの味"を意識したそうで、「西アフリカの料理って、こんなにやさしい味がして、おいしかったんだ!」と、私にとっても、まさに目からウロコの味わいでした。

ユニークなワイン・リストも魅力的でした。メニューには、南アフリカ、チュニジア、モロッコ、アルジェリア...といったアフリカのワインどころの銘柄が、いろいろとそろっています(特に、赤白とも野性的で、乾いた感じのする旧フランス領の北アフリカ系ワインが、お店の料理とよく合います)。

この食のセンスは、先にあげた4つの国のうち、ナイジェリアを除く3国が、フランスの元植民地だったことにも関係しているかもしれません。北アフリカのチュニジアや、ベトナムのあるインドシナやなど、美食の国フランスの影響を受けた国には、世界的に、洗練されたおいしい料理が多い気がします。

と、これらは、アフリカのことを熟知していなければ実現できなかったコンセプトかも。何せこちらはアフリカに強い旅行会社「道祖神」の関連店だけに懐が深く、お料理ひとつにもアフリカへの愛が感じられるのです。

インテリアも気合がこもっています。"カラバッシュ"とは、アフリカ産の大きなひょうたんのことだそうですが、店内にはアフリカの木彫りのオブジェや、絵画などと一緒に、カラバッシュがシェード代わりに効果的に飾られています。

また、店内には、大きなスクリーンと、ステージが設置され、ジャンベ(西アフリカの太鼓)などアフリカン・ミュージックのライブをはじめ、サッカーの応援やダンス...と、アフリカンなアトラクションが盛んに行なわれています。週末の盛り上がりぶりはなかなかのものですよ!


カラバッシュ
港区浜松町2-10-1 浜松町ビルB1
Tel. 03-3433-0884
http://www.calabash.co.jp/

■営業時間 Open: 月?金11:30-14:00、18:00-23:00(L.O.22:00)、土18:00-23:00(L.O.22:00)
■定休日 Close: 日祝
■座席数 Seats: 52席(個室あり)



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profile 著者:青木ゆり子 Author: Yurico Aoki

e-food.jp代表、各国・郷土料理研究家、全日本司厨士協会会員 調理師。主な著書:図鑑NEOまどあけずかん「せかいのりょうり」監修(小学館 2021)、「世界の郷土料理事典」(誠文堂新光社 2020)。

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カラバッシュ西アフリカ料理に修学旅行で行きマース

  • アサミズ
  • 2008年02月21日 22:49

こんにちは。

道祖神のニュースからたどってやってきました。
(元?)ぷらの「ゆ」さんでしょうか???

Takahide

  • 2006年12月12日 22:07

先日、再訪しました。こちらでは、ときどきジャンベなどアフリカ音楽のライブをやっているんですよね。

ライブの日を選んだわけではなかったので、少々、当惑しました。マリ人ミュージシャンの太鼓はなかなかよかったのですが、あとに続く日本人のバンドがちょっと...。それに、料理が出てくるのが遅くて、あまり料理を食べられず、残念な思いをして店を出ました。

歌って踊りたい人はいいですが、正直言って、騒々しいです。静かに語り合いながらゆっくりお食事をしたい方は、ライブの日を外すか、ライブの内容を事前にチェックしておくことを強くおすすめします。

  • 2006年03月08日 19:04


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