2005年12月20日

天龍菜館|広東料理|横浜中華街

kurozu_tenryu.jpg

横浜中華街の隠れた名店

【横浜中華街】横浜中華街のはずれにある、広東家郷(田舎)料理の店。現在79歳という広東人のおじさん(おじいさんと呼べないほど若々しい方なので...)が一人で切り盛りする、こじんまりとしたお店です。

1階の食堂部分は、どう見ても元ガレージ(ほかに階上にも席があるようです)。お店の人が一人なので、お茶出しも、配膳もお客が行なうことになります。

そして、料理は当然、出てくるのが遅いし、店内も決してきれいとはいえないし、トイレは近くの駐車場まで借りに行くことに...。

しかし、料理はとびきりおいしい。見かけは無骨でも、本当においしい。この日は15人という大所帯で出かけたのですが、すべてのメンバーが感動していました(少人数よりも、大勢で食べに行った方が、より楽しめるお店だと思います)。

上写真は、特に全員が絶賛した"鎮江香酢(黒酢)を使った酢豚"。たまねぎやピーマンの入った日本の酢豚の常識をくつがえす本物で、健康をも考えた中国らしい一品です。

また、この日いただいたメニューは以下のようなものでした。てんこ盛りの料理が、次から次へという感じで、これでしめて、料理代だけで1人3500円(この店では品数の多い部類だそうです)。安い!

1.栗と鶏の炒めもの
2.鹹魚と豚の蒸しもの
3.鎮江香酢の酢豚
4.チリあわびと野菜蒸しもの
5.鱸(スズキ)と豆腐と豚炒め煮
6.陳皮蒸牛肉餅
7.鳥の脚入り薬膳スープ
8.アヒルと里芋の煮もの
9.鹹魚入り炒飯
10. 肉まん、あんまん

torikuri_tenryu.jpg
butaandfish_tenryu.jpg

栗と鶏の炒めものと、鹹魚と豚の蒸しもの。意外な食材の組合せだが、味は抜群。

hamberg_tenryu.jpg
awabi_tenryu.jpg

陳皮蒸牛肉餅(オレンジの皮を使った、われわれの中国料理の常識をくつがえす、まるで東欧料理のような一品)、チリあわびと野菜蒸しもの(安いけれど、いちおう、あわびのチリあわびをてんこもりした、贅沢な一品)。

soup_tenryu.jpg
ahiru_tenryu.jpg

薬膳スープ(ちょっとグロテスク...)と、アヒルと里芋の煮物。

tenryu_nikuman.jpg
suzuki_tenryu.jpg

肉まん(テイクアウトも可能。210円という安さなのに、ひとつひとつ手作りしたもの)と、鱸(スズキ)と豆腐と豚炒め煮。

tenryu_ojiasn.jpg
tenryu_shop.jpg

おじさん&お店。おじさんの、たどたどしい日本語がカワイイ!
--------------------------------------------------------

以上こんな感じで、はちきれんばかりのボリュームの料理をいただきました。ふうぅ、大満足。

***

しかし、このお店に来ると、飲食業のホスピタリティとは何なのかと、つくづく考えさせられますね。

清潔な店内に、うやうやしいもてなし、そしてきっちりと原価計算をした、見た目のきれいな料理...。こんなことを常識にしながら、儲かるレストランを目指して、毎年、多くの飲食店が、生まれては消えていきます。

「天龍菜館」はたしかに、失礼ながら見た目もボロ屋だし、サービスも行き届いていないし、盛り付けだって洗練されているとはいえません。けれど、どこも似たりよったりで、高度に計算されつくした昨今のレストランよりも、よほど吸引力を感じてしまうんです。

その理由は、他にはないワンアンドオンリーな魅力と、おじさんの真心ではないかな、と思っています。

「足りなかったらもっと作るからね」。こんなおじさんのひとことに、すべてが集約されているような気がします。何だか、田舎の親戚のおじさんの家に来たみたいな感じです。

肉まんやちまきなどのテイクアウトを含めた、おいしい手づくり料理の数々。そして、かなりのお年にもかかわらず、階上にある厨房から、階段を下りて食堂まで、作った料理をひとつひとつ運ぶ。そんな手間をかけたアナログなシステムには、一種のいとおしさすら...。

おじさん、また会いに行きますんで、どうぞいつまでも元気でいてね!

天龍菜館
横浜市中区山下町232
Tel. 045-664-0179


profile 著者:青木ゆり子 Author: Yurico Aoki


e-food.jp代表、各国・郷土料理研究家、「世界の料理レシピ・ミュージアム・ライブラリー」館長。

2000年にサイト「世界の料理 総合情報サイトe-food.jp」を立ち上げ、以後、執筆、講師、レシピ開発、在日大使館や大使公邸でのシェフなどとして、食で日本と世界を相互につなぐ社会貢献をモットーに活動。
プロフィール詳細
著作: 「しらべよう!世界の料理」全7巻 (ポプラ社 2017)


※この記事・写真等はe-food.jpが著作権を所有しています。無許可での転用・転載は絶対しないでください。記事の原稿、写真は販売しております。→詳細「利用規約」

このエントリーをはてなブックマークに追加


コメント

おいしそう

  • 2007年06月11日 15:12

オーゴンカーブさん、コメントありがとうございます♪
鎮江香酢(黒酢)を使った酢豚はおいしかったですよ?。
ぜひ機会があったら行ってみてくださいね。

  • yu
  • 2006年01月11日 12:11

Gonzalezさん、コメントありがとうございます。
いいお店を案内いただいて、ありがとうございました。
また今年もおいしいものを食べに行きましょう!

  • 2006年01月11日 12:10

鎮江香酢(黒酢)を使った酢豚は私も大好き!
家庭風でこういうお店が美味しいはずです!
行ったことないので一度機会があったら
行ってみよう!


皆さんに大満足していただいたようなので
ほんとうに幹事冥利に尽きます。
4時間の長丁場お疲れ様でした。
また美味しいもの食べたいですね。

  • Gonzalez
  • 2005年12月22日 16:38

トラックバックURL:

» ディープな中華街 from はれっとの旅路具
昨夜、横浜のY君にお願いして、中華街で食事をしました。 丁度東京ビッグサイトでのイベントに出店をしていたHさんも合流です。 このお二人、実はこのブログの読者で...

トラックバック時刻: 2006年12月02日 23:25

» 【横浜中華街最強の店を発見した!】広東家郷料理 天龍菜館 from 佃の旦那
最近は年に数回ぐらいですが横浜中華街では結構食べていると自負しております。 どん

トラックバック時刻: 2007年05月07日 13:33


この記事のURL:


カスタム検索

世界料理ブログ(新)

RSS フェイスブック ツイッター
e-food.jpについて
お問合せ
コミュニティのご案内